SS 神様は一人【誤字審査】#毎週ショートショートnoteの応募用
「インド人を右に!」
「なんで右なんです?」
アニュは首をかしげながら右の行列に移動をさせられた。英国のテスト会場では、インドの女性達がイギリス人の家庭でメイド合格に燃えていた。
左は白人、右はインド人、テスト会場も別だ。アニュが椅子に座るとテスト用紙がくばられる。
『誤字をみつけなさい』
正しい文章には○、間違った文章には×、簡単な筈なのに難しい内容でアニュは首をひねるばかりだ。
『神様はキリスト様だけです』
アニュは×をつけた。筆記試験のあとは面接である。誤字審査のテスト結果からメイドを決めるのだが、審査員はアニュを見るとニコニコしながら、テストは不合格だと伝える。
「神様はキリスト様だけです、インドの神様は神ではありません」
「そんな事はないです、ちゃんといらっしゃいます」
口をとがらせて抗議をするアニュであったが、審査員は首を横にふり不合格だと告げると、そこに象の頭のガーネシアが現れた。
「主神のヤハウェを忘れたのか? 俺はアイツと友達だぞ」
プンプンと怒る象の神様を見た審査員は悲鳴を上げながら逃げていく。
「ガーネシア様、どうしたんです?」
「なに、神様なんてどこにでも居るからな」
大きな腹をかかえて笑うガーネシアとアニュであった。
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