SS ポポパポぺピアノ #毎週ショートショートnoteの応募用
「ポポパポぺピアノ! 」
俺は拳を突き出す。ポポパポぺはゆっくりと立ち上がる。彼はピアノと融合をした体を見せるようにマントを体から外した。
「俺がお前を憎む理由が判るか! 」
アナログ機材の彼は時代遅れだ、楽器の進化の極限は楽器との融合。誰もが身体にデバイスを取り付けて、脳波で演奏ができた。デジタルは小型化もできるし、プラグを取り付けて外部との連携も楽だ。
しかし彼は古い楽器にこだわる、ピアノの鍵盤を腕に移植をして、胴体の一部を空洞にして腹から音を出すように改造をした、もちろんバケモノだ。奇怪な体は世間から悪趣味として批判をされる。
「俺は楽譜は読めないが脳で名曲を作れる! 」
わかるぞ、誰もがオタマジャクシを見て演奏なんてしない、打ち込みで十分だ。ポポパポぺは、アナログ音源を愛し過ぎた。脳波で腕の筋肉を動かして名曲を演奏するが、様々な改造で体の負担と痛みで彼は廃人寸前だった。
「ピピミコクラリネットさんは、渡さない! 」
同じようにクラリネットを愛した彼女は、ポポパポぺピアノの奇怪な体を拒否して、俺に助けを求めた。俺は彼女のためにポポパポぺピアノを助ける。俺は彼に近づいてぶん殴る。
「中途半端じゃダメだ、お前はピアノだ、ピアノになるんだ!」
「な……なんだと!」
彼はオルゴールになる。大きな箱の中に脳を入れて、永遠にオルゴールを回し続ける。ピンの出し入れを操作をして無限に曲を続けられる。
「ポポパポぺオルゴール……それがお前の最高の人生だ」
その夜はピピミコクラリネットさんと抱き合う俺は満足げに報告をした(棒)
ほぼ脳が破壊されるレベルで混乱する話しかできない。おそるべしお題。