ロシャオヘイセンキ(羅小黒戦記)を観て欲しい話
細かい話はさておき、下記リンクの上映館一覧にお近くのシアターがあったら「羅小黒戦記(ろしゃおへいせんき)」のチケットを今すぐゲットして欲しい
https://luoxiaohei-movie.com/theater/
映画の寿命は短く、3週目である今週に終わってしまうシアターもあるかと思う
その前にどうか(感染症対策に万全を期しつつ)映画館でこの作品を観て欲しい
合う合わないはあっても、観て損をした!と思わせるような作品では絶対にないので気軽に第一歩を踏み出して欲しい
以下に長々理由を書く
●アニメを観ることの幸福を思い出させてくれる作品
アニメってこうだったよなー!というあの興奮を思いださせてくれる
私が推してこの記事を書くに至った理由もシンプルにこれで、長年のアニメ好きの一人として、この作品を通じてアニメの素晴らしさにもう一度触れて欲しい
●とにかく絵が上手い
絵の上手さって色々あるけど、小難しいことを抜きにして「上手い」
大人も子供も違和感なく楽しめるシンプルで太く丸い人物の造形に、美しく描き込まれ、色や光の表現が見事な背景、そこに加わる圧巻の動きの表現(バトルシーンの数々や猫のしなやかな動き等々)
「アニメで表現する」ことの意義を存分に味わい尽くすことが出来るクオリティで構成されています
特筆すべき点として画面作り、絵コンテがべらぼうに上手い
どのコマで一時停止しても一枚絵で通用する絶妙なコマ割りで出来ている
視線誘導が完璧なので、早い動きを表現していても脳に負荷がかからない
見終わったあとの疲労感のなさで、この凄さが実感出来ると思います
漫画を描かれる方なら絶対に得るものがある100分間の映像授業と言った感じで、クリエイティブ方面に感度が高い方なら何らか刺激になる作品でもあります
●子供でもすんなり理解出来るストーリー
物語のあらすじやテーマがとてもシンプルで、初見から情報なしでもすんなり理解出来る構成
元となるWEBアニメはありますが(後述)、そことは直接的なつながりはないので前情報なしでもがっつりお話に入り込める
世界観の軸がしっかりしているので多少固有名詞で分からないことが出てきても、お話の進行上差し支えなく出来ている
テーマをざっくり言うと自然と人間との共存を描いているけれど、単純な勧善懲悪ではなく、「説教臭くない」、「泣かせるため」の過剰な演出や不幸な出来事がない
押し付ける形ではなく、登場人物の生き様を以て、自分自身で考えるきっかけを与えてくれる
この作品を子供の頃に見られる人は幸せだと思う
●オタク的にも楽しめる深堀り要素も満載
シンプルでわかりやすい物語に仕上げてありつつも、小ネタも満載なので、オタク知識があると味わい深く楽しめる深さもある
中国で作られた作品なので、古典の知識があるとあー!となる要素が散りばめられている
鑑賞後物語を深堀りしたい!と思い立ったらなんと無料で色々な情報が公開されまくってます
・シリーズの元となるWEBアニメ(全28話まで公開、来年続編確定済み)
https://www.youtube.com/user/luoxiaohei
・公式weibo(ブログ的なポータルサイト)
https://weibo.com/luoxiaohei?is_all=
・公式ツイッター(ここみると登場人物の設定画などほぼすべてUPされている)
原作:https://twitter.com/lxhcat
映画用:https://twitter.com/heicat_movie_jp
・公式グッズ通販(公式から買うと映画が潤います)
https://teamjoy.official.ec/
※繰り返しますが、これらの知識は全くなくても映画本編だけで十分に楽しめます!
以下はちょっとだけ内容に触れる紹介
(物語的なネタバレ要素はなし)
●圧巻のバトルシーン
可愛らしいキービジュからは想像つかない異能力バトルが複数回展開されます
少年漫画で育った世代なら興奮必死!とにかく動く!!カッコいい!!
それでいて画面作りが上手いので漫画読んでページめくっているような感覚で進む不思議な体験出来ます
画面を贅沢に使って隅々まで動きが展開されるので映画館のでっかいスクリーンで観て欲しい!迫力がすごい!
●ネコチャン
上と矛盾するようだけど、猫好きな人なら開始10秒でメロメロになる猫のリアルな動き
猫が身近にいる人が描いたってすぐに分かる
猫に限らず動物の動きの正確さがすっっごい
ここまで自然に猫の動きを表現した作品は初めてだと思う
●ご飯美味しそうな作品は名作
終わったあとは今すぐ中華料理が食べたい!となるので予約しておくといいかも知れない
上の猫もそうなのだけど、デフォルメを効かせた絵柄なのに料理の美味しそうさがすごい。食欲を刺激されまくるので注意
●背景美術がすごい
これもキービジュからだとイメージつきにくいのですが、舞台は現代の中国なのでちょっとした旅行気分を疑似体験出来る
街の描き込みから田舎の情景まで再現性が素晴らしく高い
●細かな動きまで贅沢に
普通にアニメ作るなら省略しても支障ないところまで拾いまくってて気付いたときの感動がすごい
漫画的表現で省略される物理法則的なものもこれでもかと描き込まれてる
目を凝らして見るとアハ体験のような気付きが出来て気持ちいい
●ギャグの差し込み、緩急の付け方の絶妙さ
シリアスなだけでなく、くすっと笑えて日本でも馴染みがあるような漫画表現で描かれるギャグシーンが適切に組み込まれているのも観ていて疲れないポイント
緊張と緩和の付け方が絶妙。これは音の表現の「静」「動」でも表されていて、静寂を味わうために映画館で観る経験の必要性を実感出来る
以上、とにかく一度でいいので映画館でロシャオを観て欲しい情熱をぶつけました
中国には円盤文化がないのでこの作品も然り
例え円盤が出るとしても、映画館で観ることに付加価値のある作品であることは間違いないです
アニメ映画の素晴らしさと可能性を信じて
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