おつかれハナです。花を大切な人との会話のきっかけに。
みなさん、お仕事おつかれハナです。日頃から花を贈ったり、贈られたりすること、ありますか? 花には私たちの心を癒やし、幸福感を高める力があるとも言われています。
ワークスタイリングでは月に一度、シェアオフィスの一角で「おつかれハナの日」というイベントを開催しています。大切な人と話したり、自分をいたわったり。そんなきっかけにしてもらおうと、利用者の方々に好きな花を選んで持って帰ってもらっています。みなさん、どんな気持ちで花を選び、贈っているのでしょうか。ウェルビーイングのヒントを探しに、「幸せな働き方伝え隊!」が取材してきました!
「おつかれハナ」に込めるメッセージ
「伝え隊」が向かったのは、東京都千代田区にあるワークスタイリング霞が関ビルディングです。シェアオフィスやサテライトオフィスとして、様々な企業のみなさんが利用しています。
午後4時、「おつかれハナの日」が始まりました。花屋を連想させる会場にバラやカーネーション、リンドウ、ガーベラ、ケイトウなど、色とりどりの花が並んでいます。仕事中の人たちが手を休め、引き寄せられるように次々と集まってきました。
好きな花を3本決めたら、ミニブーケに添えるメッセージカードを選びます。「いつもありがとう」「頑張ってるね!」「自分で自分を褒めてあげたいと思います。」・・・。贈る相手や自分のことを考えながら、カードを選びます。
花言葉を知り、思わず笑顔に
みなさん、誰に花を贈るのでしょうか。この日が1歳の娘さんの誕生日だというパパは、赤いバラをチョイス。「実は明日が結婚記念日で…」と少し照れくさそうに話す男性もいました。
コンサルティング関係のお仕事をしているという髙澤聡大朗さんは、ピンクのアルストロメリアを手に取り、ピンク色が映えるように紫のスターチスと緑の葉が印象的なユーカリをピックアップ。そして、「いつもおつかれハナです。」と書かれたカードを選びました。髙澤さん、この花はどなたに贈るんですか?
「最近疲れているので、自分に贈りたいと思います」
仕事と育児に奮闘する日々。平日は4歳の息子さんを保育園に送り迎えし、休日は親子で体を動かして遊んでいるそうです。たまには、そんな自分をいたわりたいという思いから、花を選びました。
IT企業で人事のお仕事をしているという紺野ゆうこさん。この日は「優しい気持ちになれるように」と、白と淡いピンクのバラ、そして黄色いマリーゴールドを選びました。「日々の仕事に頑張っている自分へのご褒美」という気持ちから、「いつもおつかれハナです。」のカードをセレクトしました。
たまに1輪や2輪の花を買って家に飾り、「きょうもきれいだね」などと話しかけることもあるのだとか。花を買ったら花言葉を調べて、その時の自分の気分と照らし合わせるそうです。ちなみに、この日選んだマリーゴールドには「健康」という花言葉があります。その場でスマートフォンで調べた紺野さんは、「あっ、健康って大事」と微笑んでいました。花を通じて自分の心と対話するって、何だか素敵ですよね。
花が引き出すポジティブな感情
用意された150本あまりの花は約50人の方の手にわたり、1時間余りでなくなりました。オフィスという仕事場で引き締まった表情をしている皆さんも、花を前にすると思わず笑顔になり、夢中で選んでいる姿が、とても印象的でした。
これまでに開催した「おつかれハナの日」でも、ワークスタイリングには嬉しい声が寄せられています。
「せかせかするオフィスライフに一息与えてくれて、心が温まります」「お花のために並んでいる際、他の部署の方とお話しするきっかけ作りができました」「職場でお花の話題で盛り上がることができました」
花は、つながりを生み出すきっかけにもなっているようです。
ところで、花は私たちの感情にどのような影響をもたらすのでしょうか。ラトガース大学(アメリカ)のジャネット・ハヴィルランド・ジョーンズ教授らの研究(*)によると、花には、人間のポジティブな感情を強く誘発する力があることがわかっています。
エレベーター内で行った実験では、花を受け取った人はペンを受け取った人や何も受け取らなかった人に比べて、幸福感を示すとも言われる「デュシェンヌスマイル」(真の笑顔)を見せました。そして、花をきっかけに見知らぬ人同士の会話がエレベーター内に生まれ、互いの距離が縮まることが分かりました。
花を贈られると、やっぱり嬉しい。では、贈る側にもポジティブな影響はあるのでしょうか。「おつかれハナの日」の花を提供している「Hanavie」代表の松野ゆかりさんに、聞いてみました。
「花を贈ることで誰かを笑顔にさせられる。そんな体験ができるのが素敵だと思います」
実際、「Hanavie」さんで花を買ったお客様が「お花を贈ったら、すごく喜んでもらえました」と、嬉しそうにお店に「報告」に来てくれることもあるそうです。
大切な人、そして自分の心と、ハナしましょ
実は「おつかれハナの日」の花は、いわゆる規格外のものです。綺麗だけど、茎が曲がっていたり、花が小ぶりだったり。様々な理由で、農家さんが市場に出さなかった花たちです。「Hanavie」さんは「プラスフラワー」と呼んでいます。
松野さんがプラスフラワーを扱うようになったのは、より多くの人に花を手に取ってもらいたいという願いから。以前、100人ほどの方にアンケートをしたという松野さん。6割ほどの人が、花をもらったら嬉しいけど、なかなか買う機会がないと答えたそうです。行き場のない花たちを、少しリーズナブルな価格で提供することで、もっと多くの人に花を気軽に楽しんでもらいたい。松野さんは、そう考えています。
花を贈るとなると、どうしても「特別な日に立派な花束を贈らなきゃ」と考えがちです。人によっては「何だか照れくさい」と感じるかもしれません。そんなハードルを下げるため、松野さんは「1本でもいいんです。贈る相手に似合いそうだなと思う花を、ぜひ選んでみてください」とアドバイスしてくれました。
そんな、何だか照れくさい人でも「シェアオフィスでもらったんだよ」と言い訳して、花を会話のきっかけにしてほしい。ワークスタイリングは、そんな想いも込めています。
みなさんも日々の生活に、花を取り入れてみませんか? きっと大切な誰かと、そして自分の心とハナせるきっかけになるはずです。