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"NO"を"YES"に変えれば世界が広がる
最近私は趣味のカメラをもうちょっといい感じに撮れるようにと、勉強中だ。
そんな折に世間を賑わせているのは、ソール・ライター氏。
私は彼のことを全く知らなかったが、NHKで彼の特集番組を見て、勉強になったことがたくさんあった。
彼の写真の特徴のひとつに、「ガラスの映り込み」がある。
例えば、こんな写真。(これは私が撮ったもの。)
ソールライター氏が「映り込み」を良しとしているという前提で見てみると、なんともおもしろい写真に見えてくる。
今まで私がガラス越しに撮ろうとしていたものは、ガラスの向こうにあるものばかりだった。
だから、「映り込み」は邪魔な存在で、それがある故に、ガラス越しの撮影は諦めていた。
だが、一旦「映り込み」を良しとしてみたらどうだろう。
私の撮影対象は一気に広がった。
ガラスの向こうの世界と同じかそれ以上に、反射の世界が広がっている。
反射した者たちは一枚の平面のガラスに、幾重ものレイヤーとなって一枚の絵を創り出す。
「映り込み」を良しとした私は、旅行写真の幅も広がった。
例えばこちら。
かわいいミッフィーのパンを写したいのだが、ガラス越しである以上、うまく撮れない。
以前まではこうなったら撮るのを諦めるか、とりあえず記録用に適当にシャッターを押していた。
だが今回は違う。
映り込みの中に、なんとも旅情溢れる世界が広がるではないか。
ミッフィーを必死に写真に収めようとカメラを構える、カメラ初心者の友達。
その奥には女子旅を満喫する女の子たち。
さらに左上に目線を伸ばせば、この街のシンボル、由布が岳も写り込んでいるではないか。
逆に言えば、1方向からの写真ではこんなに沢山の土地風情ある光景をおさめることは出来なかっただろう。
多くの情報が詰まった旅写真こそ、映り込みは真価を発揮するかもしれない。
今まで「映り込み」という、ダメとしていた世界。
「ダメ」としていた世界を、「良し」とするだけで、素晴らしく世界が広がる。
写真だけじゃない。
食べ物でも、働き方でも、生き方でも、何でも。
今自分がNOを出している考え方を、一度疑ってみよう。
それって、本当にNOな事?
誰がダメって言ったの?
それをOKにしたら、どんな世界が広がると思う?
人はみんな、自分で決めたNOの壁の中で生きている。
NOの壁を壊せば、そこには無限の世界が広がる。