ドラゴンテイマー(5)

けんたろうはロバの背に揺られて二日の道のりを辿り、王宮に着いた。

王宮の門はいかめしく、立派で、それを見上げてけんたろうは巨人の足のようだと感じた。

衛士が見とがめた。

「おい、そこのホビット。ここは王宮だ。呼ばれもしないのにこの門をくぐるんじゃないぞ」

けんたろうは衛士に向かってのんびりと言った。

「王様が、おれに用があるんだと」

衛士は笑った。

「王様は花園の妖精に機械兵を整備してくれと頼んだりはしないさ」

けんたろうは無言で、親方からもらった鞭を取り出した。

「ん〜」

まだわからない様子の衛士。けんたろうは言った。

「ドラゴンはどこだ?壁の一つや二つ、壊してねえか?」

「あっ!」と、思い当たるフシの衛士。その時、王宮の中から人間の一人の少女が駆けつけてきた。

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