急性期

急性期の朝、大学生の時、私は下宿の私の大きな木の机に、母と妹の写真を置いて学校に行った。

遺書がわりのつもりだった。

私にもしも何かあった時に、愛していたと母と妹に伝わればと思いそうしたのだった。

しかし考えてみると、母も妹も、急性期の時には私の側の人間ではなく、私を断罪する世界の側にいつしか(私の中で) 移行していた。

だ殻わたしは、孤独の中で、今一度自身の孤独を煮詰めて、

仮に急性期がまた訪れても、

私の側に居てくれる人を探さねばならないのだと思った。

私はそれが妻である事を悟った。

妻は私の操り人形であってはならないし、私の忌々しい世界のそれであるべきでもない。

宇宙が滅んでも私の味方であるとは、そういう事なのだ。

急性期の時が来ても、私を脅かさない人間。そういう人間を見つけたら、心から大事にしなければならないと想う。

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