投げ釣り講座③~投げ釣りに必要な釣り具と装備~
今回は投げ釣りに必要な
釣り具と装備について紹介します
投げ釣りは仕掛けを遠投する釣り方なので
リール付きの専用の釣り具が必要になります
以下、順番に紹介します
ロッド(釣竿)
投げ釣り用の釣竿です
投げ竿はガイドが大きくて少ないので
リールから出る釣糸に対する抵抗が少なく
飛距離が出る仕様になっています
並継タイプと振り出しタイプがありますが、
並継タイプの方がより本格的な上級者向け、
振り出しタイプの方がより手軽で中級〜初心者向けになります
長さや硬さも様々ありますが
3〜5メートル程度が一般的で
硬さに応じて最適な仕掛けの重さが変わります
重いオモリを扱える硬い竿になればなるほど
飛距離が出やすくなりますが、
硬い竿になればなるほど
振り抜く時に必要な力が必要になります
長さに関しても長ければ長いほど
飛距離が出やすくなりますが、
長い竿ほど振り抜く力が必要になりますので
釣り人の体格や力に合わせて
最適な硬さと長さの竿を選ぶ事で、
竿の反発力を最大限に活かして
無理なく飛距離を出す事ができます
一例としてシマノの投げ竿のラインナップを見ていきましょう
エントリークラスのホリデースピン
(振り出し)の型番一覧です
305HX-T、335GX-T、365FX-T
385FX-T、385EX-T、405EX-T
425EX-T、405DX-T、425DX-T
405CX-T、250JX-TS、275JX-TS
305JX-TS、335JX-TS、250HX-TS
275HX-TS、305HX-TS、335HX-TS
250GX-TS、275GX-TS、305GX-TS
335GX-TS
数字の部分は長さをアルファベットは硬さを現しています
250(2m50cm)〜425(4m25cm)までのラインナップですね
硬さはJXTが1番柔らかくて軽いオモリの仕掛け向け、
CXTが1番硬くて重いオモリの仕掛けを扱えるようになっています
JXTS〜GXTSのSはショートモデルという意味で後から追加されたラインナップでSなしのモデルと比べると仕舞寸法やカーボン含有率が若干違う様です
ショートモデルはちょい投げよりのスペックからラインナップされていますが女性やお子様にもオススメです
一般的な男性アングラーであれば
本格的な投げ釣りのスペックとしては
EXT〜CXTクラスを選ぶと良いでしょう
続いて扱える仕掛け(オモリ)の重量について見ていきましょう
以下はそれぞれのモデル事の錘負荷、標準錘負荷の一覧です
錘負荷はその竿で扱えるオモリの重さ
標準錘負荷は1番適したオモリの重さです
JX-T 5〜15号 10号
HX-T 10〜20号 15号
GX-T 15〜23号 20号
FX-T 18〜25号 23号
EX-T 20〜30号 25号
DX-T 23〜30号 27号
CX-T 25〜35号 30号
クレーム対処も考慮に入れたメーカー推奨の数値なので
実際には規定外の仕掛けでも扱える場合もありますが
釣り具選びの際の目安としては型番は参考になります
リール
投げ釣り用のリールとしては
汎用型のスピニングリールの大きめの型番
(シマノであれば4000番以上)のものを
流用する事でもとりあえず釣りをする事はできます
より飛距離が出やすい投げ釣り仕様の
専用モデルも発売されていますので、
本格的に始めるなら購入を検討すると良いでしょう
投げ釣り専用リールの汎用リールとの違いとしては
まず第一に釣り糸を巻くスプールの部分の口径が大きい事です
これによって大遠投を繰り返しても
釣り糸に巻きぐせがつきにくく、
ライン放出時の抵抗も少なくなるので
飛距離が出やすくなっています
その他、機種によっては砂浜で使う事を考慮して
砂が入りにくい構造になっていたり、
上級モデルになるほど素材が高性能で
重量も軽くなる傾向があります
以下、シマノ社の2021年現在の
現行モデルの投げ釣り用リールのラインナップをみていきます
フリーゲン
パワーエアロスピンパワー
パワーエアロプロサーフ
サーフリーダーCI4+
スーパーエアロスピンジョイSD
スーパーエアロスピンジョイ
アクティブサーフ
最もエントリークラスのアクティブサーフは
新品でも1万円以下で購入できます
重さや機能などは上位機種には劣りますが、
とりあえず投げ釣りをはじめるなら
このクラスでも十分な性能があります
パワーエアロやSDモデルはドラグ付き
スーパーエアロはドラグ無しのモデルです
キス釣りメインであれば多点掛けして
魚の重さに引き波の抵抗が加わっても、
ドラグを使わないと寄せられないほど
重くなる事はないのでドラグ無しモデルでも十分です
もし小魚などの活き餌を使用した投げ釣りをするなら
シーバスやヒラメ、青物などの引きの強い
大型の魚が掛かる場合もありますので、
そういった釣法まで対応するなら
ドラグ付きモデルの方が良いでしょう
またシマノでは上位機種を中心に
ツインドラグ機能が付いたリールがラインナップされていて、
置き竿でアタリ待ちする時などに重宝します
スプール経に関しては
細糸、標準、太糸の各使用があり
細糸用は溝がより浅く
太糸用はより深くなっています
CI4+は軽いカーボン素材で
剛性よりも重量を重視するならオススメです
ローター部分にも軽量素材が使用されている場合は
巻き感も軽くなりワンランク上の快適な釣りが楽しめます
CI4+でも通常使用においては十分な強度があります
投げ釣り用のリールも各社から
様々なモデルが発売されていますので、
釣り具店に行って色々触ってみると楽しいかも知れません
仕掛け(テンビン)
投げ釣りの仕掛けは一般的にはテンビン仕掛けを使用します
テンビンにも色々な種類があり、長所短所がありますので
順番にみていきましょう
ジェットテンビン
投げ釣りにおけるオーソドックスなテンビンで
入手しやすく、重さのバリエーションも豊富です
仕掛けをセットする際は羽側に道糸を結び、
反対側に針を結びます
ジェットテンビンはアームが可動式になっていて、
飛んで行く時はL型になり、着水するとI型に一直線になります
仕掛けを引いた時に羽の部分に水の抵抗を受けて
浮き上がるので根がかりしにくい構造になっていて
砂浜はもちろん、岩礁地帯などの
根のあるポイントでも重宝します
アーム部分が折り畳めるので携帯に便利で
可動式である事によって魚のアタリがあった時も
違和感を感じさせにくいので食い込みも良くなっています
デメリットとしては
アームが可動式なので針側の釣り糸の振れ幅が大きく
仕掛けが絡まりやすい事、
アタリがあった時に魚に違和感を感じさせにくい反面、
釣り人からもアタリが分かりにくい事、
羽の部分に水の抵抗を受ける事で
仕掛けが海底で転がりやすく、流されやすいため、
潮の流れが早いポイントでは釣りにくかったり、
絡んでしまうなどのトラブルが頻発します
潮の流れが緩いシチュエーションや
根がかりが気になるポイントで使いやすいテンビンです
L型テンビン
アームがL型になっているテンビンで
オモリが一体になっているタイプと
自分で好きな重さのオモリを用意して
取り付ける事ができるタイプがあります
こちらも投げ釣りの代表的なテンビンですので
バリエーションも豊富で各社から様々な製品が発売されています
L型テンビンはアームが固定されている事で
仕掛けが絡まりにくく飛行姿勢も安定するため
飛距離も出やすいテンビンです
シロギス狙いの投げ釣りでは定番で
アタリもダイレクトに出て分かりやすいため、
手持ちで積極的に仕掛けを引いて誘いをかけて
魚を掛けにいくスタイルの投げ釣りで人気です
アームが固定されていて仕掛けが絡まりにくく、
初心者でも扱いやすいので、ハゼ狙いなどの
ちょい投げ釣りでも人気です
L型テンビンのデメリットとしては
アームが固定式のため、魚に違和感を感じさせやすく
食い込みが悪くなる事、
引きの強い大物がかかった時にアームの曲がっている部分に
力が集中しやすく折れる可能性があり、
他のテンビンに比べると強度が低い事などがあります
L型は全体的な性能のバランスが良いタイプですので、
どのテンビンを買おうか迷ったら
とりあえずL型を選択すると良いでしょう
誘導式テンビン
一見するとL型や羽のついたジェット型のテンビンですが
前後の穴に道糸を通して針側の仕掛けに
直接結ぶタイプのテンビンです
テンビン自体には釣り糸を結ばないため、
仕掛けがフリーで動く構造になっていて
魚が掛かってもテンビン自体に負担がかからないので
アームが折れる心配もなく強度的にも優れています
着底後に餌を自然に漂わせる事ができるので
魚に対して最もナチュラルに違和感なく食いつかせる事ができます
誘導式テンビンはアタリを積極的に取る
掛けにいくスタイルの投げ釣りではなく、
置き竿で向こう合わせで掛ける釣り方に向いていて
大型のシロギス狙いやカレイ、カワハギなどの
置き竿での投げ釣りで人気です
誘導式テンビンのデメリットとしては
誘導式である事でアタリが分かりにくい事
仕掛けがフリーで動くので扱いが難しく、
慣れていないと絡まってしまうなどのトラブルが頻発します
投げた時の仕掛けの安定感も悪く、
固定式のL型テンビンなどと比べると
飛距離が出にくい傾向があります
誘導式テンビンは一般的な手持ちの
シロギス狙いではあまり使われない
少しマニアックな印象のあるテンビンです
スパイクテンビン
ジェットテンビンと同様にアームが可動式になっていますが
羽はなく独特の丸型のオモリ形状に
デコボコしたスパイクがついているタイプです
飛行時はL型、着水するとI型に一直線になります
水中で仕掛けが一直線になる事で根がかりしにくく、
可動式アームは魚の食い込みも良くなります
オモリの形状が平たく、水流の抵抗も受けにくいため、
海底で転がりにくく、流されにくいのが最大の特徴です
スパイクテンビンのデメリットとしては
オモリ形状が空気抵抗を受けやすく飛距離が出にくい事、
引いても浮き上がらないため
ジェットテンビンよりは根がかりしやすい事などかあります
潮の流れが早いポイントでセレクトしたいテンビンです
仕掛け(ハリス)
ちょい投げ釣りでは2本〜3本針の仕掛けが良く使われますが
本格的な投げ釣りで使われるハリスとしては
一般的には3本針〜5本針のものが人気です
針の数が多ければ多いほど仕掛けも長くなり、
扱いも難しく、絡まりやすくなりますので
慣れないうちは始めは3本針から入ると良いでしょう
5本針以上の仕掛けは多点掛けといって
魚の活性が高くて一度に何匹も掛けて効率よく釣りたい時や、
反対に魚の活性が低くて海中に置いておける
餌の数を増やしたい時に重宝します
とりあえず投げ釣りを始めるなら
オーソドックスな3本針タイプの仕掛けからスタートして
慣れてきたら状況に応じて
針数の多い仕掛けも使い分けると良いでしょう
餌
投げ釣りで最も一般的な餌としては
ゴカイやイソメなどの多毛類です
イソメの方が大きさにバラつきがありますが
一般的にはゴカイよりも肉厚で長く、生命力も強いです
種類にもよりますがイソメの方が生命力が強く
飼育の管理が楽な分、ゴカイよりも安価で購入できます
釣り具店で購入できるものとしては、
青イソメ、赤イソメ、岩イソメ(本虫、マムシ、岩虫)、
石ゴカイ(ジャリメ)などが一般的です
とりあえず投げ釣りを始めるなら
1番スタンダードな青イソメを購入すれば間違いないでしょう
堤防から釣れる魚ならなんでも釣れる
と言われるほどの万能餌ですので
投げ釣りの餌で迷ったら
青イソメを購入する事をオススメします
赤イソメは赤みの強い青イソメを掛け合わせたもので
基本的には青イソメと同じです
岩イソメは青イソメよりも大きく、
体液臭が強いので魚を寄せる効果が高い虫餌です
石ゴカイは体長も小さく柔らかいので
魚の食い込みが良く、
ちょい投げ釣りでの小型のキスやハゼ釣りで人気です
投げ釣りのその他の装備
ここまでで紹介した投げ釣り用の釣り具一式
(釣り竿、リール、テンビン仕掛け、餌)があれば
とりあえず釣りをする事は出来ますが、
より快適に釣りをするためには
是非とも持っておきたい備品や装備がありますので、
順番に紹介します
竿立て
竿立ては餌をつける時などに
竿を立てかけておくための用品です
大きく分けると自立式の三脚タイプと、
砂浜用の地面に打ち込んで使うタイプに分かれます
特に砂浜で釣りをする場合は
竿やリールが地面につくと砂が入り込んで
故障などのトラブルの原因になりますので必需品の一つになります
価格としてはサーフ専用の打ち込み式の竿立ての方が
比較的安価で購入できますが、
漁港などのコンクリートの釣り場では使えませんので
万能タイプという事であれば三脚式を選んでおく方が良いでしょう
フィッシンググローブ(投げ釣り用)
仕掛けを投げる時に釣り糸から
人差し指を守るためのグローブです
本格的な投げ釣りでは仕掛けの重さも
かなりの重量になりますので
人差し指にかかる負担もかなり大きくなります
釣り糸で指が切れるのが心配で
竿を思い切って振り抜けないと
飛距離の低下にもつながりますので
本格的に投げ釣りを始めるなら
投げ釣り用のフィッシンググローブは
是非とも持っておきたい装備です
…という事で
次回は
投げ釣りの準備と餌のつけ方
について詳しく紹介します
お楽しみに!
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