“質問”の魔力!読者に「はっ!」と”気づき”を与える文章術!
あなたは記事を書く際、文中に「質問文」や「問いかけ」を入れていますか?
「まったく書いていない」
「そこまで意識していない」
「それって重要?」
そういう方には、一度文中に質問を入れる価値について考える時間を持ってもらえればと思います。
この記事を読み終わった頃には、「質問」「問いかけ」に対する見方が変わるのはもちろん、実際に質問を文章で扱う際のコツを理解いただけるでしょう。
「質問」が重要な理由。“気づき”が読者の思考や行動に影響を与える!
「なぜ文中に質問・問いかけを入れるべきか?」
結論から言うと…読者に「はっ」とさせる“気づき”を与えるためです。
記事の中で読者に“気づき”を与えることができれば、
続きも読まれやすい
繰り返しアクセスして読まれる可能性が高まる
「気づきは共有したい」という読者によって拡散される
といったメリットがあります。
質問はそんな読者の気づきを引き出す効果的な方法なのです!
3つの質問で“気づき”を実感する
それではここで実際にあなたにいくつか質問をします。もしもより質問の効果を実感したい方は、何かメモに質問の回答を書いてみると良いでしょう。
質問①
あなたがここ1週間で一番嬉しかったことはなんですか?
質問②
どうしてそれが嬉しかったのですか?
質問③
他に嬉しかったことはありますか?
・
・
・
私の場合は以下のようになりました。
質問①
あなたがここ1週間で一番嬉しかったことはなんですか?
質問②
どうしてそれが嬉しかったのですか?
質問③
他に嬉しかったことはありますか?
質問は
「思考の検索エンジン」
をフル稼働させる
さて3つの質問に回答すると頭の中でぐるぐると思考がめぐるのを実感できたでしょうか?
例えば最初に「ここ1週間で一番嬉しかったことはなんですか?」という問いに対しては、今日までの1週間に起きた出来事を思い出していたはずです。
しかし、続いて「どうしてそれが嬉しかったのですか?」と問われると、より自分の感情や価値観に意識が向いたのではないでしょうか。
最後に「他に嬉しかったことはありますか?」という問いになると、また過去の出来事に意識が向き、「そういえばこういうこともあったな」と出来事を思い出すようになります。
これはまるでGoogleのような検索エンジンでキーワードを検索して、ずらりと並べられた検索結果から当てはまるものを見つける作業のようです。
検索エンジンと人間の思考は多くの似ている点があります。
そもそも検索しなければ検索結果は表示されない
検索するキーワードによって表示される結果は異なる
関連性が異なるトピックは検索結果で同時に表示されない
質問①③では「過去1週間の嬉しかった出来事」を検索して、
質問②では「嬉しかった理由」を検索してその背景にある価値観を探っているのです。
“気づき”が起こるメカニズム!
「スポットライトをどこに当てるか」
ここでもう一つ注目すべき点は、
質問②で「嬉しかった理由」を考えている間は、
質問①の「出来事」は意識の外にあるという点です(隅に追いやられているという表現が適切でしょうか)。
つまり、
意識は2つのことを
同時に捉えられない
ということです。
これが“気づき”のメカニズムを知る上で重要なポイントです。
検索エンジンの例えだとイメージしにくいという方は、劇場で使われるスポットライトを考えてみましょう。意識とは、劇場ステージのスポットライトのようなものです。
ステージ上にいる人物にスポットライトを当てると、その人ははっきり見えますがその周囲は暗い影となって見えにくくなります。スポットライトの光が強ければ強いほど、周囲の影はより濃く暗くなるのです。
しかしスポットライトを動かすと、さっきまで明るかった場所が今度は暗くなり、今まで見えなかった場所や人物が見えるようになります。
「今まで見えていなかったものが見えるようになる」
↑これこそが“気づき”の正体なのです!!
「質問」は意識のスポットライトをどこに向けるか示すこと
質問は意識のスポットライトをどこに向けるか方向性を示す際に役立ちます。考え抜かれた良い質問は、今まで本人が気づかなったこと(意識が向かなかったこと)に目を向ける機会となります。
ただし注意して欲しいのは、質問者は質問によってどこに意識を向けるか示すことはできても、
実際に意識のスポットライトをどこに向けるか
スポットライトを向けたことでどのように感じて解釈するか
といったと言った部分までは決められないということです。
先ほどの質問①②③においても、たとえ質問内容は同じでも、あなたと私ではその回答は大きく異なるでしょう。
ステージ上の影になっている部分は、
・本人のパーソナリティ
・価値観
・過去の経験や知識
などによって作られているからこそ、実際にスポットライトを当ててみないと(たとえ本人でも)何があるかわからないのです。
しかしどちらにしろ、質問によって今まで見えていなかったものにスポットライトを向けることは、多かれ少なかれ気づきをもたらすことになります。
質問文章の種類と実践
それではここからは実践編です。
一言に「質問」と言われても
・なんの目的で質問するか?
・何を伝えたいか?
・どんな気づきを与えたいか?
によってその言い回しは変わってくるものです。
ここでは質問をいくつかに種類分けして、それをどのような時に使うか、どんな目的で使うかを紹介していきます。ぜひご自身の執筆で生かしてください!
時制型
「時制」とは、簡単に言うと過去・現在・未来のことです。
主に過去と未来へ意識のスポットライトを動かすことで、課題の解決や教訓などを得ることにつなげられます。
過去質問
過去に関する質問は、現在の考え方や価値観、教訓を形成した背景を探る際に役立ちます。
未来質問(クリエイティブ)
未来に対する質問は、抜け出せない現状の課題を解決する際に役立ちます。制限のない未来を想像してもらうことで、ワクワクや斬新なアイデアを促します。
共感型(あるある型)
共感型は読者が抱えている課題や問題、悩み、思想などに共感する質問をする方法です。共感を得た後にこちら側の目的を伝えることで説得力を強める効果もあります。
結論導入
結論導入は、先に説明した「質問が意識のスポットライトの方向を決める」という特性を活かした方法です。
話の結論に入る前に一文質問を入れることで、その後に続く内容に読者が強い関心を向けるようになります。
否定前提
否定前提は、Noと言われるのがわかっている質問をあえてする方法です。
「こんなことあり得ますか?(あり得ないですよね?)」と暗に同意を求めることで、それ以外の選択肢を排除していきます。
否定前提の質問を用いることで、よりこちらの意見を強調することができます。
また、否定前提の質問で一度同意を得てから、あえて逆説的な結論を伝えることで効果的に読者の関心を向けることも可能です。
混乱
答えのわからない質問をされたら、読者はその話の結論に明確な答えを求めてスッキリしたいと考えます。混乱はそんな人間の「不明なものをそのままにしておきたくない」という心理状態を利用した質問です。
ウェブ媒体の記事は結論ファーストで伝えるのが基本ですが、読者を楽しませるエンタメ系の記事や、論理展開にバリエーションを持たせたい時に使用すると効果的です。
最後に〜質問によって「意識のスポットライト」を動かせ!〜
普段、執筆する中で効果的な質問文に加えることができれば、読者が意識のスポットライトを動かす機会にもなります。
そして気づきがあった記事は読者の記憶に残るだけでなく、繰り返し読まれて、シェア・拡散される可能性も高まります。
ぜひ良い質問によって読者の「意識のスポットライト」を動かす手助けをしていきましょう!
我ながら「良い記事書いたな」って思うやつ↓
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