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1. はじめに



(2016ミスグランドジャパン日本大会にて)


 2014年から2016年までの3年間に、私は三度ミスコンに挑戦してきました。

 2015ミスユニバースジャパン三重大会。

 2016ミスユニバースジャパン三重大会。

 2016ミスグランドジャパン。

 3度のミスコン挑戦で、ファイナリストにはなったものの大した結果も出せませんでした。審査の最初の方で落選してばかり。

「大した結果も出していない人間が、こんな体験記を書いていいのか」

 という問いは自分の中にはあったし、多くの人が抱いているかとも思います。

 けれども、それに対して私が出した答えは2つ。

「こんなもの、書いたもん勝ち」

「大した結果を出していない人間には、大した結果を出していないなりの理由があり、大した結果を出していないなりの幸せがある」

 ということ。

 世の中やったもん勝ちです。こういう風に体験記を書くことだけではない。ミスコンの挑戦だってやったもん勝ち。何も行動しなければ永遠にただの0です。世の中に0で止まったままの人間がどれほどいることか。それは実際に何か行動を起こした人間だけが知ることができます。

 こうして体験記を書いてみて、それは思いました。

「人間生きていれば必ず何かを体験しているはずなのに、それを世に出そうという発想すらない人はたくさんいる。むしろそういう人の方がほとんどである」

 だったら、私のミスコンの経験を書いたっていいのではないか。

 そして、私は確かにミスコンで大した結果を出せなかった人間です。ミスコン出場をやめ、結婚した今になって自分の挑戦を振り返れば、結果を出せなかった理由も分かる。

 世の中には成功体験はたくさん語られているものの、結果を出せなかったという体験はあまり語られない。

 ならば私の「結果を出せなかった」という体験はある意味発信することに意味があるのではないかと思います。

 そして、今私はとても幸せな環境に恵まれています。ずっと愛し続けた人と結ばれ、一緒に暮らし、大好きなことを仕事にしている。人から羨まれても嫉妬されても仕方のないほどの幸せを得ている。

 なぜその幸せを得たか。

 ミスコンに挑戦したからです。

 大した結果は出していません。

 それでも私はミスコンに挑戦したことによって、今とても幸せです。

 3度挑戦して一人の人間がなぜ大した結果も出せなかったのか、そしてそれでもなぜ本人は幸せに生活しているのか。

 そういうことがこの本で伝えられたらいいなと思います。

 最後にミスコンに挑戦したのは2016年。この本を執筆しているのは2018年。少し間が空いたという気持ちはあります。世間の目が、ミスコンを通して私を見なくなった頃。そんな頃合いに「ミスコン体験記」を出すことに意味はあるのか……とも思いました。

 けれども「結婚してからミスコン体験記を書く」と決めていたのもあって、今書くことになりました。

 実際に書いてみて、自分の書く時期としては間違っていなかったとも思います。いろいろなことを思い出しながら書いていくうちに、自分の活動の初心に戻った気分です。この本を上梓した後、私はすっきりとした気分で新しい挑戦に向かえることでしょう。

 それに、思い出というのはある程度頭の中で漬け込んでおかないといい感じに発酵しない。「結婚したらミスコン体験記を書く」という考えは間違っていなかったと思います。世間的には少しずれているかもしれませんが、作品を作る上では最適なタイミングでこの本を書くことができました。

 この本は、

・ これからミスコンに挑戦を考えている人へのアドバイス

・ ミスコンに限らずこれから何かに挑戦したいと思っている人の背中を押す

・ 暇つぶしの読書

 を目的に書いています。

 読者の皆様にとって、何かしらの意味がある作品になってくれたら光栄です。


次のお話はこちらから。



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