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高校バスケ2024九州大会Recap&榎木璃旺選手インタビュー

第77回全九州高等学校バスケットボール競技大会は6月15‐16日の2日間、サンアリーナせんだいをメイン会場として開催された。男子は福大附大濠高校が大会5連覇中の福岡第一高校との決勝を制し2016年以来の優勝。女子は精華女子高校(福岡)が小林高校(宮崎)の猛追を最後はいなして優勝した。3位には男子が柳ヶ浦(大分)九州学院(熊本)、女子は東海大付福岡、島原中央(長崎)が入った。

別府溝部(大分)対川内
川内が勝利を掴む

地元の鹿児島県勢も奮闘した。男子は川内高校、鹿児島工業が一回戦を勝ち進み、続く二回戦で川内が大濠高校、鹿児島工業が福岡第一と対戦。

福岡第一対鹿児島工業
福大附大濠対川内

ともに敗れはしたが、それぞれチャンピオンチームを相手に挑むという貴重な機会を得て、インターハイへ向けてさらなる成長を図る。

鹿児島高校対小林
れいめい高校対延岡学園

女子は初戦でれいめい高校が延岡学園(宮崎)と、鹿児島高校は小林高校と対戦。両校とも勝ち進むことはできなかったが、課題を見つけ、チームの現在地を知るゲームとなったはずだ。

今季3度目の対戦

男子の決勝は福岡対決。両校とも福岡市中心地にあり地区大会、県大会、九州大会と何度も顔を合わせるのだが、今季は大濠がややリード。この決勝でも立ち上がりからスタートダッシュに成功した大濠が畳みかけるようなオフェンスで終始ゲームを優位に進めると、ディフェンスでもなんとか局面を打開しようとする福岡第一の打ち手を封じる堅守を見せる。下級生の時からロスター入りしているキャプテン湧川、エースナンバー14番を背負う高田、ユース代表からフル代表入りもうかがうセンター渡邉を軸に、チームの高い完成度を示す優勝となった。

表彰式のフォトセッション

その福岡大附大濠高校で、2年生にしてチームの要となるポイントガードを務めるのが鹿児島県出身の10番榎木璃旺選手だ。熱戦の余韻が残るなか、ひさしぶりの地元でのプレーということで話をうかがった。

―決勝を振り返って

福岡第一さんとの試合は毎回厳しい試合になるというのはチーム全体で話していたので、前半どんなに競っても我慢しようと言っていました。後半、その我慢が実って、リードを保って勝てたのでよかったと思います。個人としては前半まったくシュートが入らなかったんですけど、先輩方が打ち続けろと言ってくれたので、後半から入ってよかったです。

―会心のゲームだったのでは

この試合にはインターハイの第1シードもかかっていたので、絶対に勝とうとみんなで話していました。

5番が榎木選手
プラッセ&だいわカップMBC小学生バスケットボール大会
(2019年8月・サンアリーナせんだい)
串木野市広報誌より(2020年3月発行)

串木野小学校時代、ミニバスでは川内グリーンバックスに所属していた榎木選手。2019年小学校6年生の時、U12大会の鹿児島県大会で優勝すると、続く九州大会でも活躍し、蓑手海叶選手(メリノール学院→尽誠学園)とともに準優勝の立役者となる。中学校は親元を離れ、男子バスケ部は創部まもない時期のメリノール学院(三重)に進んだ。

―メリノール学院を選んだのは

ミニバス九州大会の時に、メリノール学院の山崎(修)先生に声をかけていただきました。すごく悩みましたが…上のレベルでやりたいと思って、山崎先生と話をするなかで「自分の努力次第だけれども頑張れば、行きたい高校どこでも行けるぞ」と。それでメリノールを選び、3年生の時に全中で優勝することができました。(2022年第52回全国中学校バスケットボール大会で同校男子は初優勝)

その時は苦渋の決断でしたが、今こうして大濠でプレーできているので、よかったです。大濠高校に行くのが、小さい時からの夢でした。

―大濠のような強いチームでプレーする楽しさとプレッシャー、両方あると思いますが

最初はめちゃめちゃ緊張して…ポイントガードという、チームで一番ボールを触らなきゃいけないポジションなので、何回もミスしました。ほんとうにいい先輩たちに支えられて、今の自分があります。大濠を選んでよかったなと思います。

―福岡インターハイに向けて

地元開催なのでインターハイを獲って、さらに自分たちの目標である三冠(インターハイ、U18日清食品リーグ、ウインターカップ)を達成するために、絶対優勝したいと思います。

―鹿児島の子どもたちにメッセージを

チームメイトだった蓑手(海叶)選手の弟がいる桜丘の試合を観る機会がありました。自分の時とくらべると鹿児島のチームもレベルが上がって、うまくなっているなと感じたので、ぜひ頑張ってほしいです!

大きな決断をしたからこそ、今がある。プレー同様、強い信念をもって進路を選択し、努力してきたことが伝わってくる榎木選手のコメントだった。今夏のインターハイ、バスケットボールは福岡が舞台となる。バスケ王国の名にかけて男女とも福岡のチームが優勝争いに絡んでいくことは間違いない。そこに九州各県の代表校も、それぞれの意気込みを持って挑戦していく。


2024年6月
取材・文/泊 亜希子


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