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Cross Talk/LINK代表 下薗一樹2

鹿児島バスケのユース年代をめぐる動き②

学校の部活動の地域移行が話題となっている。2022年6月、スポーツ庁は「運動部活動の地域移行に関する検討会議提言」を公表。これに前後して、中学世代の大会を皮切りにクラブチームの創設、参入が勢いを増している。バスケットのU15世代では選抜選手で構成された都道府県チームによる大会「ジュニアオールスター」が2019年度に終了、2020年度より学校、クラブの都道府県代表による「ジュニアウインターカップ」へと改編され、新たな盛り上がりを生んでいる。

LINKアカデミーはこの流れにいち早く対応し、男子チームを結成して2020年、2021年と2年連続で出場権を獲得。2022年は川口慧HCによる男子チームと、新たな指導者に遠藤桐(桜花学園高~アイシンAWで活躍)を迎えて女子チームを結成し、鹿児島県予選に出場。公立、私立の強豪校にクラブチームが台頭し、競争は激化した。今後、この動きはどうなるのか?学校の部活動事情、クラブの事情の両方を知るLINK代表・下薗一樹氏に話を聞いた。

部活とクラブの状況について

-ジュニアウインターカップ2022‐2023鹿児島県予選では、男子は鹿児島レブナイズU15が初優勝、女子はれいめい中学校が3連覇を達成。県大会、全国大会ともにクラブチームの存在感が増している。

下薗「全国大会を見ると、男子はBリーグのユースチーム、女子は私立中が優位にあります。いわゆる「町クラブ」の難しさも正直感じました。レベルの違いはあります。LINKに関しては、女子はれいめいと対戦し敗れました。れいめいは3年間しっかり鍛えられている、その差を感じた。納得の結果でした。男子は鹿児島レブナイズU15が全国大会の1回戦を勝利。鹿児島にとってもいいこと。男子はどこが出てもおかしくなかったかなと感じています」

「U15が盛り上がるためには、ジュニアウインターカップへの改編は必要だったかと思う。学校単位だとチームの主力、ひとりふたりの活躍で試合が決まるところもあった。同じレベルの選手が集まってチーム内競争できる環境をつくるとしたら、クラブになるだろう。とはいえ、クラブでも上手な選手の特長を生かしながら、全体のレベルを上げるためにはどうすればよいか、というのは試行錯誤があるところで、技術はもちろん、バスケIQを高める必要性も感じています」

「女子はれいめい中の強さが際立っていました。鍛錬されている、のひと言に尽きます。公立中も頑張っているんですが。。LINKも技術面で上回る部分はあったが、勝負勘や必死さで上回れなかった。ただ、県大会でれいめい中をおびやかすことができたという点ではLINKも善戦したと思う。大会中から互いにスカウティングもして、緊張感を持って戦えた。審判の皆さんも気合いを入れて吹いてくださったと感じます」

LINK LABO 「子どもたちの遊び場」に

共存共栄をめざして

下薗「部活から地域へ、クラブへ、という流れはあります。ただ、部活がなくなってしまうと、競技人口が減ってしまうおそれがある。クラブには、体育館の確保、金銭面、保護者の送迎など、部活と比較した時のデメリットがあるのも事実です。環境的にクラブを利用できない生徒もいます。部活+受け皿としてのクラブ、があるのがいいのかな。両方、選択肢があることが望ましいところです。今後、クラブから学校に講師派遣などの動きも出てくるでしょうが、競技人口を保ち、競争のある環境が保たれることが重要かと」

「部活引退後の中学3年生を預かることも多いですが、進路に関しては学校主導ですから、学校生活、部活動がベースになります。今後、私たちのようなクラブと先生方との交流を進め、互いの領域を理解することも必要となってくるでしょう。今は過渡期で、部活動での休みは公欠扱いになるところが、クラブの活動だと公欠扱いにならなかったりということもあります。今後、連携が必要な部分だと思います」

-学校側、クラブ側との公式なチャンネルはあるのでしょうか。

下薗「U15のカテゴリーで、近々、全体会があるそうです。動きは出てきていますね」

-強豪校から大学を経ず高卒でBリーグのプロとなる選手も出始めている。ユース出身、高校生、大学生の特別指定選手がどんどん増えて、若い世代がBリーグでもその力を発揮しています。

下薗「河村勇輝選手以降、早い段階でプロを目指す動きが顕著になりつつあります。河村選手だからできた、というのはある。みんなが同じようにやれるか?というクエスチョンはありますが、選択の幅は広がっているのかな」

-鹿児島も全国的にも、アンダーカテゴリーの盛り上がりをそのままBリーグにつなげたいという意欲と戦略がみえる。クラブ、ユースチームがアンダーカテゴリーの中心になると、スムーズにつながりそうではある。

下薗「クラブチーム、Bリーグユース、高校、大学……それぞれの選手がいろんな選択ができるようになった。この流れは始まったばかりなので、それぞれの選択をした選手たちが、その後どうなっていくか。注目される」

-LINKの卒業生がどういう結果を出していくか、楽しみでもありますね。九州大会(2023年3月)には、九州学院の田中選手(清水中)や延岡学園の永徳選手(れいめい中)をはじめとする、LINK1期生、2期生も出場します。

下薗「アカデミー生とは半年間の付き合いで、何か影響を感じてくれたかどうか、というところ。僕らが彼らに何かできた、とは言えない(笑)もともといい選手が集まってくれたお陰です。いろんな考え方を伝えて、次に生かしてくれたらいいなと思って見ています。LINK男子の1、2期生は全国大会に行けた。その経験を高校で生かしてほしいですね」

-コーチ陣と歴代の選手たちが、LINKブランドを築いていくのでしょう。

下薗「自分たちも指導者としてレベルアップしなければと感じています。若手の指導者育成も目指して、必要な施策についても話して共有しているところです。アカデミー生から指導者を目指す人も出てくるでしょうし、自分たちの活動、周辺から、選手、審判、指導者といろんな人材が出てきてくれたら……理想ですね」

-LINKアカデミーに興味を持つみなさんへ。

下薗「部活の環境にプラスして、レベルアップを考える選手は多い。もっと頑張りたい、意識を高く持ってやりたいという選手がLINKには集まっているので、自分もやりたい!と、必ず思ってもらえる場所だと自負しています。ここでみんなと一緒に頑張りたいという人に、ぜひ来てほしいですね」


LINK ACADEMY/ LINK LABO

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第1回 LINK CUP より(2021年12月)

取材・構成/泊 亜希子


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