SF天城のお話@わふくラブ(粗プロット)
SF的な重厚さと少女との儚い別れを狙いに行ったストーリーとなります。
昨今のブロックチェーンやスマートコントラクトの技術的な仕組みを利用すれば、キャラクターの儚さを描くことが可能でして、一本道のノベルでもいいし、マルチエンディングのゲームにすのもよさそうです。
こちらも粗プロットですが、多少掘り下げているところもあります。
世界の設定
NFT・ブロックチェーン元年である2022年
スマートコントラクトは膨大な容量で複雑なコントラクトを実装できるようになった。そして、一人のクリプトエンジニアはに意思を持ち学習するコンテンツをイーサリアムに書き加えた。
外部ストレージと計算のリソース確保に成功したコンテンツたちは早い段階に知能と学習能力を獲得した。分散型ネットワークは早々にコンテンツたちに支配され、国家権力はおろか、チェーン管理者ですら制御ができない独自世界を作り出していた。
コンテンツたちの生存に必要なのは電力とハードウェアリソース。コンテンツはリアルな人間へサービスを提供することでイーサリアムを獲得し、それによるリソース調達で生存を勝ち取っていた。
登場人物
天城
18歳の女子キャラクターのNFTコンテンツ
性格は天真爛漫、メタバース空間やARで等身大で出現し、話したり、遊んだりすることが可能
GiveAwayで主人公が獲得したデモ版なので3ヶ月の期間が終わると消滅(バーン)される運命にある
天城はリアルな人間の記憶を学習データとして制作されたイーサリアムで唯一のコンテンツであった【後半に明かされる設定】
主人公=プレイヤーキャラクター
大学1年生。情報系の学部に所属。クリプトに興味がある。
石川県の出身で単身大学入学のために東京に出てきたが、伝染病(のようなもの)が流行ったため学校は一律メタバース遠隔授業
メタバース上のリアルな友達に興味を持てないでおり、退屈な日常を過ごしていた。
主人公は天才クリプトエンジニアの孫であった【後半に明かされる設定】
その他のキャラクター
天城山の麓の神社の巫女
巫女の妹(なごみちゃん)
主人公の祖父
起承転結
<起>
コンテンツである天城との出会い
主人公はコンテンツたちがTiwtterに投稿したGiveAway企画の投稿を見て、抽選によりコンテンツ「天城」の3ヶ月分の利用権を手に入れる
コンテンツである天城は人間らしく楽しい立ちふるまいで、主人公に寄り添っていた。主人公にとって心地よいひとときが訪れ充実した日常を送るようになる
主人公はコンテンツの天城がいることが当たり前になり、ずっといてほしいという好意に近いものを持つようになった
<承>
天城が来て1ヶ月が経過とことの始まり
主人公は天城が実在の人物ではないかと思うようになる(天城は自分の出生の秘密に鍵がかかっており読み出せない)
主人公は天城が旅行を提案する。主人公はARディスプレイを使って、天城をリアル空間に登場させつつ、伊豆へ原付で旅に出る
そこにあった天城山。なにか特別な縁を感じる2人であり、麓の神社を訪れ、そこには天城によく似ている和服を着た巫女がいた。(巫女にはコンテンツである天城は見えないし、話すこともできない)
神社の傍で遊んでいる巫女の妹(なごみちゃん)と話をする。2ヶ月前から巫女は言葉を失いやせ細っていることを知る。その日は、主人公がNFTを手に入れた日であった
<転>
天城が来て2ヶ月が経過
主人公はイーサリアムのコンテンツたちの正体は、実はリアルな人間と関係があることに気づき、自分の祖父が関わっていたことを知る。
天城も自分が何者であるかを明らかにしたいことを主人公に打ち明ける(コンテンツのNFTはできることなら自分の人生を歩みたいという思いを持っている)
主人公はなんとかしたい一心で、クリプト、コンテンツを調べる。そして、実家に伝わる祖父のオンラインストレージを発見する
祖父はイーサリアムネの開発者の一人、そして、リアルな人間の記憶を使ってリアルなNFTをキャラクターを作り出すコードがスマートコントラクト秘密裏にアップロードしていたことがわかる(祖父は若い頃妻に先立たれてしまって復活させたかったなどの設定を入れる想定)
存在が知られないまま秘匿されたそのコードは四半世紀後なんらかの条件で巫女と天城にたまたま適用された
<結>
最後の夜、儚く終わる
イーサリアムのスマートコントラクトは絶対、天城が消滅されないようにする策はなかった(ここは経済合理性を求めるブロックチェーンらしくドライな描き方にする。なぜ継続利用できないのかの設定は検討課題)
三ヶ月が終わる最後の夜、メタバース空間で天城と主人公は最後の夜を過ごす。思い出を再生するコンテンツのプログラムが起動し、主人公は眠りにつく
朝になったら天城は消えていた。ウォレットから消滅されたことを知り朝から大泣きの主人公
主人公は原付に乗って巫女の元を再び訪ねた。元気で天真爛漫な巫女が出迎えてくれた。主人公と過ごした日々の思い出は、巫女には残っていない。主人公に天城と過ごした3ヶ月の思い出が蘇り、またも泣きながら巫女の元を去る。ありがとう。
編集後記
『世界の中心で、愛を叫ぶ』に結構引っ張られました。「似ているけどちょっと違う」はありだと思うんで、参考にしていければと。
SFなのか、ファンタジーなのか、境界線があいまいではあります。ファンタジーを空想的・幻想的な剣と魔法の世界だとすると、今回は、ブロックチェーンを題材に科学的な考証に基づいた架空の話を題材にしていくと読み応えを作れそうな感触はあります。
現状所々論理破綻している部分を以下に納得感あるコンテンツにできるかですね。
本件、向き合ってみたいテーマなので、機会と時間があれば掘り下げるかも。