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孫がおじいちゃんに 思慕・恋慕して、責任を取るという話だった。豊田章男会長

月刊『文藝春秋』8月号の記事。
【豊田章男 トヨタ自動車会長 認証不正の真相を語る】


件の認証不正に関しては、様々な報道で章男会長の言葉を目にして耳にしたけど、あらためて、何を語るのか、この記事を読みました。

うん、今まで語っていた話とだいたい同じなんだけど。

この記事の後半部分は、
トヨタ自動車自動車の創業者・豊田喜一郎に対する、つまり章男会長による、大好きなおじいちゃんに対する恋慕、思慕、その喜一郎の存在があるからこその、創業家の私が責任とります、という話だった。

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●唯一褒められたい相手が喜一郎ですね。「お前みたいな孫がいてよかったよ」と言ってほしい。

●喜一郎の話になるとすぐ泣いてしまう。なぜって、喜一郎はもちろんのこと、創業メンバーはなんにもいいところ見ていないんですよ。

●喜一郎の人生を考えると、もう無念で仕方なくてね。「おじいちゃんたちが蒔いた種は、こんなに大きくなったよ」と示すのがこちらの役割りだと思ってるんですよ。
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さらに、創業者と継承者は違う、という話が続いて。
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●日本の問題は資本家を継承できないシステムを作ってしまったこと。中長期の資本家的な継承者がいない。どの企業も、短期、短期、短期にいってしまう。

●昔の日本には資本家がいたし、百年の計もあった。それが戦後に財閥解体され、なんとなく金融機関が資本家みたいになっている。でも金融機関と本当の資本家は違うと思うんです。
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そして、2010年のリコール問題で米下院の公聴会に出席した時の話から、「創業家」の話に。
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●「すべての車には私の名前がついている」と申し上げました。創業家の私が言うことで、現在、過去、未来において、仕入先と販売店を含めたグローバルトヨタを代表して説明したと世間から受け止めて頂けました。

●創業家というと悪く見られがちでしょう。でも創業家=悪というレッテルはどうかと思いますよ。出身ではなく人で見て欲しい。ありのままの自分を見て欲しい。そう思い続けてきた人生でした。権力を何に使っているの?というところをちゃんと見てくれればわかると思う。
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最後には、いつも作業服を着ていることについて。
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「最初の配属先が工場で、トヨタマンなら当たり前で、しかも僕が入社した時は、茶色でカッコよくて映えたんですよ」と。

「それと、食べるとこぼすんですよ、私。ネクタイなんて何本持ってたってダメにしちゃうんですから」と。
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章男氏本人以外には思い知れない、計り知れない重圧と、それに孤独の中で生きてきたんだなと。

おじいちゃんの喜一郎さんのことを、そんなふうに、どこの孫でも思うような、深い思慕で、あるいは恋慕のように、そこまで思っているのだなとわかり、私も泣けてきてしまいました。





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