人は、“優しい”に包まれると、幸福感や安心感を得る。優しいコミュニティ、優しい世界は、どう醸成され定着するのか
日ごろから私は、「優しさは世界を救う」と訴えているのですが、まあ、そんな大げさな、と思われるでしょうけど、人が人に優しく接すると、優しくされた人は、ああ・・・嬉しいと思い、幸せな気分になり、その幸せな気分を重ねた人は、今度はまた別の人に優しく接することができて、そこからまた、優しさが、どんどん伝播していく、という、優しさの循環が、しいては世界を救うことに至らないか、至ってほしい、それで戦争もなくなれば、ということを言っています。
さて、昨年1月9日に乳がんの告知を受けて、検査を重ねた後、3月21日に手術・1週間の入院。
その後、5月から6月にかけて放射線治療のため、連続25日間の通院。
さらに、これには自分でも驚いてしまいましたが、7月末に、急性肺塞栓(肺血栓塞栓症)でICUに収容され、2日目には一般病棟に移れましたが2週間の入院・加療とリハビリ。
乳がんの発見で、即刻、明日の命も・・・、ということはないけど、肺血栓では救命救急治療中に突然死ということが15%もあると後に知って、本当に、本当に、今、生きていて、ありがたや、ありがたや、現代日本の医療の恩恵、ドクター、病院スタッフの尽力、関わってくださった皆様に、ありがとうと。
乳がんで、そして、肺塞栓で入院、手術や治療を重ねて、そして今も、抗がん剤やホルモン剤などの服用の継続があり、定期的に外来受診に通っているトヨタ記念病院。
自分が通ってお世話になっている大病院を、しかもトヨタ自動車という世界的大企業が経営している病院をほめるのは、なんだか(大きくて優れたものは何でもけなしたいアンチの)反発をくらいそうですが、私にとっては、受診日でなくても行ってしまいたくなる大好きな病院なのです。
それはなぜかというと、そんな大げさな・・・、と思われるかもしれませんが、エントランスから病院の中に一歩踏み入れると、そこには、“優しい”に包まれるかのような、それで、幸福感や安心感を抱くような世界が広がっているからです。
それは、今回の私の入院や通院で初めて味わった感覚ではなく、かつて父や母が入院・手術、その後の通院に付き添っていた時から感じていたもの。
上の写真の新病棟が完成して、旧本館から全機能が移設されてオープンしたのが一昨年の5月でした。
そのことをネットニュースで知って、「ああ、母が入院していた時に建設中だった、あの大きな新病棟が、いよいよ」と。
同時に思ったことは、もう父も母も旅立ってしまい、新しい病棟でお世話になることもないけど、一度その新病棟の中に入ってみたいな、ということ。
とはいえ、いつか私も後期高齢者になって、何らかの疾病で通院したり入院するようなことにならない限り、健康診断や講座参加などで、チラッと行って、その場だけ見ることしかないだろうなと。
それが!
そんなことを思った半年後に、前述のように、まさかの乳がん発見で1週間の入院・手術。
そして、放射線治療では、連続25日間毎日通院。
がんサロンにも月に数日通い。
そうしているうちに、さらに、まさかまさかの急性の致死的疾患・肺血栓塞栓症に襲われて、2週間の入院・加療・リハビリ。
私の、新しい病棟に侵入したい願望は、もう願い通りのその通り、いや、願いの範囲を超えて叶えられました。笑
父や母の時の体験でもうわかっていましたが、今回の自分の入院・通院でも、それはもうひしひしと感じていることは、ドクターも、看護師さんたちも、リハビリや放射線など技師さんたちも、ソーシャルワーカーさん、栄養士さん、それに病院事務スタッフのかたたちも、みんなみんな、優しくて、親切で、にこやかで、ゆったり、おっとりしていて、この病院の中にいる自分が、優しいコミュニティ、優しい世界で守られているかのような気分に浸ってしまう、ということです。
下の写真は、病院の季刊発行の広報紙『Smile & Heart』を撮影したもの。
新しい病棟の開設に伴う“ReBORNプロジェクト”で刷新された施設や機能などが詳しく紹介されています。
その、新しいピカピカの手術室での乳がん手術、最新の機器による検査やがん治療、肺血栓塞栓症でER(救命救急外来)と、ここで紹介されている機能のほぼすべてを体験するとは夢にも思っていなかったことでした。
さて、このトヨタ記念病院での体験を機に思い出したのが、かつて、似たような、優しさや幸福感に満ちたコミュニティにいるような感覚を抱くことがあったな、ということ。
それは、成城大学で過ごした学生時代の4年間。
実は、第一志望・第二志望の大学の受験に合格とならず、第三志望だった成城に、という経緯があるのですが、結果として、成城学園の中の成城大学の学生になれて、本当によかった、嬉しい、幸せ、という感覚にひたる日々が送れたのでした。
今年2025年、その成城学園が、東京・牛込区(現・新宿区)から砧村(現・世田谷区成城)に移転して100周年だそうで。
その100周年を特集する学園広報紙の『s ful(エスフル)』です。
巻末に「本誌掲載記事・写真の無断転載、複写を禁止します」とありますので、ぼかしました。
誰にでも知ってもらっていい成城学園の歴史なのに、残念ですけどね。
卒業生による、営利目的や著作権侵害ではない「広報紙の広報」としてのネット投稿はOKにしてくれるといいのにな。
繰り返しになりますが、この成城学園で過ごした4年間も、優しくて親切で、やわらかな雰囲気に満ちた生徒たち、先生たち、スタッフのかたたちに囲まれ、朗らかに元気に過ごし、優しくて幸せなコミュニティの中に溶け込んでいっているような、そんな学生時代でした。
それまで、公立の小中学校と高校に通っていた私にとって、私立の学校に行くのは初体験。
公立だから、私立だからという違いだけでなく、地域性や歴史によるもの、それに創立当初からの理念によるものが大きいかと思いますが、学校というものに抱いていた概念が覆される、そんな成城学園・成城大学。
第一志望だった早稲田大学には行かずに今まできてしまいましたが、成城の同窓生、卒業生になれてよかったと、今も、心の底から思っています。
そうですね、病院でも学校でも、その「理念」があってこその、定着し、醸成された雰囲気。
病院も学校も小さなコミュニティといえますが、そのコミュニティに満ちる優しい雰囲気、幸せを感じさせる空気、そういうものをどんどん作り出し、日本中に、世界中に広めていくことは、争いの絶えない、勝ち組・負け組とか言って人々を分断している今の世の中に必要なことではないかと考えています。
トヨタ記念病院の、そして成城学園の理念に関しても言及したいところですが、あまりにも長文の投稿になってしまっているので、また別の機会に。