毎週ショートショート「落ちるテラ」


宇宙盗賊団は様々な星にある生態系を保全するため、

他の惑星に移植して未来へ繋ぐ活動をしていた。

銀河系の果てにある碧い海の星「Tera」

高山の上に佇む寺の軒先にその「金木犀」はあった。

そこに住む坊主は現れた盗賊に伝えた。

「ここから金木犀をどこへやる?」

盗賊は答えた。

「我々は宇宙を回り「金木犀」の保護している。
この星はもう終わる。
この金木犀を別の星に移植する。」

坊主はその話を目を瞑りながら聞き、一つ深呼吸をして答えた。

「そうか、ならもっていくがいい。」

盗賊は加えた。

「あなたはどうする?」

坊主は目を開いた。

「私はこの星に残る。

寺に生きる事、沈み行く光明に身を委ねる事

それが私の本懐。金木犀はあなたの好きなように。」

盗賊は金木犀を回収してTeraを去った。

そして間も無く、その碧い海の星は沈み、

金木犀は盗賊団が住む惑星に池の辺りで今も生き続けている。

#毎週ショートショートnote
#キンモクセイ盗賊団の池
#沈む寺

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宙唄(そらうた)Writer Sorauta
私は地球生命、生態系、精霊、神々は一つであると捉えています。人類が千年先にも続いていく為にも地球生命体との共存共生は、今人類社会を生きる我々全ての責務です。これからも地球規模で、生態系保全や風土に紐づいた文化、生態系資源を未来へ繋ぐの活動を、皆さんと共に共有して生きます。