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Half time Old「雛の歌」に思うこと

Half time Oldの新しいミニアルバムが10月末に発表されるとのことで、少しづつ新曲が公開されています。

その中で「雛の歌」の MVが発表されて思うこともあったので、久しぶりに少し書いてみようと思います。

人の歌を聞いて自分語りするシリーズです。

「雛の歌」という歌

青春をテーマにした大切な人に向けた歌、という歌詞になっています。

「一生青春だ」という壮年になっての思いは置いておいて、若き頃の思いを思い出します。

別れがとても悲しく思えるのは
今まで僕らがかけがえのない時間を過ごせたからだ

ーHalf time Old「雛の歌」より引用

冒頭、このような歌詞から始まります。

私が青春時代に別れが悲しく涙したのは、多分たった1回。ずっと永遠に続くと思っていたものを自分で絶ってしまう感傷に浸ったのは多分その1回。

大学入学をきっかけに上京が決まっていた私は、当時の友人に対し、「もう二度と同じ時を過ごすことはない、交わることのない人生を歩むのだろう」となんとなく感じました。

友人も同じく大学進学を理由に地元を離れることが決まっており、これからは別々の人生を歩むことになっていました。

これから例え帰省で会ったとしても、彼女に私が影響を与えることもなければ、彼女からうける影響ももう二度とないと思ったことを覚えています。

上京する日、わざわざ見送りに来てくれたあの日を未だ鮮明に思い出せるのは、やっぱりアレが私の青春だったのかもしれないと思います。

僕らもいつか
大人に変わるのだろう
失敗や成功をまた
別の誰かと分け合うのだろう

ーHalf time Old「雛の歌」より引用

時は20年以上を経て、私たちはそれぞれに大人になりました。

思った通り、数年に1度というペースではあるものの、たまにあっては今の生活を報告することはあっても、彼女の失敗も成功も、私の失敗も成功も別の誰かと分け合ったもので、彼女と私の間に失敗も成功の共有もないです。

「大人になった」そういうことなのでしょう。時間を経て変わっていくことは争いようのない現実なのです。

当時私は親友だと思っていた彼女も、今は昔ながらの知り合いに過ぎません。現実はそんなもの。夢のない話ではなくて、それぞれがそれぞれの歩みを進めた結果であり、悪いとか寂しいとかでもないです。

当時直感であった、「もう二度と直接の影響を与え合うことはない関係」になってしまいました。言葉にすると寂しさがあるけれど、本当に別に寂しくもなんともない、それが現実です。

沢山約束をした
まだ果たせずにいるものもある

ーHalf time Old「雛の歌」より引用

そうね、果たせなかったものもある。

沢山の青臭い約束も全部ではないけれど、覚えていると思います。

果たせなかった約束は、もう二度と果たすこともないでしょう。正直、どうでもいいことだから多分今後もそれを果たすために頑張ることはないかもしれないです。

けれど、少しだけ胸に刺さるトゲのように思い出すのは、多分彼女に対してではなく、青い青い未熟な自分が精一杯思い描いた大人になった私への期待を裏切ってしまった罪悪感かもしれないとも思います。

どうか幸せであってね

ーHalf time Old「雛の歌」より引用

そんな私でも、彼女に対してこれだけは間違いなく今も願っています。

いくら昔は親友だと思っていた友人であっても、今久しぶりにあって語り合うことはなくなりました。20年という別々の時を過ごし、それぞれに変わった価値観をぶつけ合うこともありません。

たまに会うくらいの時に喧嘩したくないですしね。昔だったら喧嘩してたでしょうね。お互い丸くなったものです。

あの日から別々の道を歩み、もう二度と交わることも本音を語り合うこともない人生。

それでも、数年に一度であっても、彼女が幸せに笑う顔を見ることができれば、彼女が幸せであればそれでいいと思いますし、これからも幸せであって欲しい、そう願っています。

大人になるということ

年齢がくれば大人になるかといえば、そういうわけではありませんが、社会的責任が重くなり、やりたいことよりもやらなければならないことが増えてきた頃から、やはり大人と言われるものになるんだと思います。

いいことばかりではないし、悪いことばかりでもない。大人になれば不自由だと思い込んでいたこともあるけれど、案外自由。むしろ大人の方が自由かもしれないとさえ感じます。

例え若い自分が思い描いていた夢がうまくいかなくても、別の夢はいつだって出てくるし、そうして少しづつ変化する中で支えてくれる人が現れ、自分が作られていくのも悪くないです。

結局幸せであればいい。

私も彼女も当時思い描いていた夢とは全く違う方向に行っているし、夢は儚く消えてしまったねと笑い合うこともあるけれど、全体的に今幸せであればいい。

時を経て、私たちは「何が幸せであるか」の定義さえ異なってしまったけれど、彼女が彼女の幸せの定義の中で幸せと感じているならば、私はそれで構わないと思うのです。

そして彼女にもそう思ってもらえれば、それでいい。

これから青春を迎える人には夢のない話かもしれません。

今、青春真っ盛りの人には大人の意地悪な説教くさい話かもしれません。

酔っ払いBBAの戯言だと思ってもらえれば問題ないです(笑)

ただ、普段なら価値観も合わない人とわざわざ会うこともしたくない私にとって、青春時代を過ごしたあの子だけは唯一たまに会いたい人です。

青春っていいね。

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