ライターのお仕事、気になる報酬事情をぶっちゃけ!
こんにちは。フリーランスライターとして活動中のAsunaです。
ただいま2025年1月以降に本格始動する担当本に向けて、昼の在宅ワーク以外に夜時間を使ってちょっとした作業を進めております。
つい先日の話ですが、会社員をしている知人に「今している作業の報酬はどのくらいなの?」と聞かれて返答に困ったことがありました。
なぜなら「今している作業に報酬は発生しない…かな?」と言う、なんとも曖昧な言葉が答えだからです。
そう答えると「じゃあタダ働きをしているってこと?」と質問が返ってきました。
私にとっては当たり前のことでしたが、
知人にとってはえらく意外なことだったようです。
中々フリーで受けているライターの報酬実情って見えないですよね。
ライターと言えどもwebライター、取材ライター、書籍ライターなど実にさまざまな形があるし、報酬についても然りでしょう。
この記事では、私の活動分野のひとつ、トラベルライターの報酬について実情をぶっちゃけます。
最近の仕事事情
報酬をぶっちゃけます!といっても、そもそもなんの仕事に対する報酬か?ってところが大事だと思うので、まずはここ最近の私の仕事事情についてです。
私が現在ライターとしていただいているお仕事は、旅関連の書籍の仕事が多く、例えば今手がけている本の発行予定日は、来年の3月だったり、5月だったりとだいぶ先のものになります。
え?そんな先のものを今から手がけているの!?と思われる方もいるかもしれませんが、一冊の本を作るということは執筆活動が本格的にスタートする前にも、打ち合わせに取材、コンテンツ案の作成、構成案出しなど細かな作業が発生し、そこそこ余裕のあるスケジュールで動く場合などは実質4ヶ月以上前からぬるぬると水面下で始動させていくことも多いのです。
報酬の仕組み
そもそもの話にはなりますが、フリーランスとして働いている人が受け取るお金は、
「給料」とは異なり「報酬」となります。
給料とは雇用契約を結んでいる会社から、労働の対価として受け取るお金のこと。
それに対して報酬とは雇用契約ではなく、委任契約や請負契約など、他の契約に基づいて仕事をした対価として受け取るお金のことです。
例えば、出版業界であるガイドブック制作の仕事では報酬に対する考え方は基本的に一冊スパン、一冊単位となります。
制作に関わった本が出版された時に始めて、出版社や業務委託先の母体である編集プロダクションからお報酬が支払われます。
※前払い制のお仕事もあります
仕事を受注する際には、クライアントとなる仕事先から報酬(ギャラ)の提示があります。
そこからは交渉次第となります。
報酬金額は
担当する範囲が丸々1冊なのか、半分くらいなのか、あるいはほんの数ページなのか。
当然ですが引き受ける仕事のボリュームにより変化します。
一冊のうちある範囲を請け負う場合においての報酬金額の例としては
・1P 5000円〜10000円
・見開きで15000円〜30000円
・執筆を担当する観光物件1つにつき3000円
といったように、ページ単価や物件ごとの単価でクライアントの方から提案されることが多いです。
これに取材のアポ入れや掲載許諾・写真借用などのやりとり、先方校正など、どこまでを担当するかにより作業ごとにギャラがプラスされていくイメージです。
がっつり編集に関わる場合(例えば外部とのやりとり、スケジュール管理なども行う)には、
それに対するギャラも発生し、1冊分の報酬としてはそれなりにまとまった額となることも多いです。
丸々一冊を請け負う場合は、ドカンと一冊分の報酬金額が提示されることになります。
ちなみに編集作業の中には、改訂版などを出す際に多い、既存の文章を元にアップデート、リライトして入稿するという比較的簡単なものから、
新刊本や特集ページなどの多い取材をして一から文章を起こしたり、ラフを描いて文章や、写真などの素材を用意したものをデザイナーに入稿するデザイン入稿、返ってきたゲラに赤字入れをして印刷所へ入稿するというがっつり手を入れるものまで段階もいろいろ。
編集作業を伴う場合は初校、再校、色校と書籍が発行されるまで関わることになります。
スケジュールやそこにかかる労力、負荷それらを総合的に見て
いくらでどこまでを引き受けるか?は交渉になります。
そんなわけで今している作業に時給に換算できるような報酬の概念はありません。これから関わる本のために動いているのは確かですが、それらはあくまでも本の発行後に入ってくる報酬のうちの一部という形になります。
ここから一記事を書くのにどのくらい時間と労力をかけるか(またはかかるか)は人それぞれ。
それらを含めて報酬をいただいたときにはじめて、どのくらいの分量に対してどのくらいの時間と労力を割いたか?が明確になり、時給に換算するとしたら?という逆算式が完成します。
ライターの報酬に反映されるもの
ライターに求められるものとは、
何にどれだけ時間を割いたか?ではなく仕上がりがどうか?できた文章や誌面、書籍のクオリティ。それが全てです。
クオリティというのは、文章の上手い下はありません。書いたものを読む読者に求められているものを書けているか?ということに尽きます。
作家や記者さん、ブックライターさんなどとはここがまた少し異なってきますよね。
ですが、良いものを作ることができれば、それが次の仕事に繋がるし、単価や任せてもらえる仕事の幅も広がってきます。それがゆくゆくは自分の報酬アップに繋がっていくことになります。
先ほどあげた金額が高いか?低いか?は受け取り方はさまざまあると思いますが、私は決して高いとは思いません。
むしろ低いと感じる時もあります。
ですが私の仕事を裁くスピードは遅い方なので、
どうしても一つの案件に時間をかけてしまいがち。
ただ、逆にいえばこのスピード感をあげていくことができれば、同時に何件もの案件を捌くことも可能となり、その分報酬を上げていくこともできる余地があると思っています。
ライターのお仕事には書籍ライティングの他にもWEBライター、コピーライター、記者などさまざまな分野がありますが、今回は私がしている書籍ライティング、しかもガイドブックの分野に限ってお話ししてみました。