webライターさんに伝えたいこと#04
最近ぐぐぐっと文章力が伸びてきたライターさんがいます。
専門知識とかリサーチ力という面ではまだまだ不安があるものの、webライター界隈では「引っかかりなく読める」というだけでも、かなり稀有な人材。
クラウドソーシングでもそれなりに活躍されているようですし、もともと文章が下手というわけではなかったのですが、それまでは彼女の原稿を読んでいると途中で何か所も引っかかりが出てきて、それが微妙にストレスでした。わかっていただけますか、この気持ち。
ハナから文章を書けないライターさんに比べれば、よほどまともな文章を書いている。それなのに、あと一歩の所で引っかかってつまづいてしまうという、残念な感じ。
ところが、その日は彼女の原稿を開いた瞬間、思わず手が止まりました。
これは読める。
なんだかわからないけど、そう思ったんです。そして以降、彼女の原稿からは、私の赤入れが一気に減りました。
今まで何人かのライターさんに仕事をお願いしてきましたが、文章の上手い人、そこそこ書ける人って、原稿の見た目がきれい。
改行の位置とか、文字のフォントやサイズ、見出しの大きさが、なんとなく整って見える。というか、実際に整っているんだと思います。
文章が下手な人の原稿には、余計な改行が入っていたり、違うフォントが混ざっていたり、結構ガタガタ。赤入れしたあとは余計に崩れていくし、その崩れを直そうともしない。
要は、そういうのが気にならないライターさんなんですね。
原稿の見た目、統一感にこだわるライターさんは、よくいえば繊細、悪くいえば細かい。結果として原稿もきれいになるし、文章も上達する。表記ゆれなどにも気をつかうし、誤字脱字もほとんどない。
それに気づいてからは、メールの応募文とかテストライティングの課題文をパッと見ただけで、内容を読まなくてもある程度の文章力が予想できるようになりました。
原稿の仕上がりがイマイチでも、原稿の見た目がきれいだったりすると「しばらく育ててみようかな」と思えるようにもなりました。
ちなみに、最近ひとりのライターさんの単価を上げました。文字単価に換算すると、2円くらいですけどね。それほど大きな上げ幅ではないかもしれませんが、文字単価2円から4円になるわけです。
「この単価に見合った文章を書いてください」
と言って、上げました。
そして、出てきた原稿を見た瞬間「おっ」と思いました。明らかに、これまでよりも原稿がきれいになっていたのです。文章も少しよくなっていて、苦心したであろうことが見て取れました。
でも、1回、2回と赤入れするうち、原稿はどんどんどんどん汚くなっていきました。残念だけど、これが限界なのかなと思った次第です。
今、彼の処遇に悩んでいます。このまま継続するか、契約終了するか。よい部分もあるので、もう少し様子を見ようかな。でも、あの原稿を見た感じでは、文章力が今より上がる見込みはなさそうです。