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君に贈る火星の【ショートショートnote杯】
「今欲しい最新家電、第一位は・・・・・・ファックスでした!これは予想通りでしたね」
「書類を届けなくてもいいなんて、本当に奇跡!」
祖父が生前大切にしていたこのラジオから聞こえてきたのは、男性アナウンサーとアシスタントと思しき女性の声。
これは、寸劇か?
始めは聞き流していたものの、やはり何かがおかしい。
周波数は00.0MHz。
世界に該当するラジオ局はどこにもなかった。
僕は思い切って、ラジオのご意見コーナーにファックスを送ってみることにした。
「続いては、ラジオネーム地球儀さんから。『ファックスは最新家電ではありません。僕が今欲しいのはVRゴーグルです』とのご意見です」
「面白い!VRって何?地球儀さんはこの火星を脅かす宇宙人だったりして。前にも何度か『地震に気をつけろ』と忠告してくれた方がいましたね。番組のテレホンカードを差し上げまーす」
僕は確信した。
火星人はいる。
そして彼らは今、ワレワレウチュウジンより30年以上前の時代を生きている。
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※ショートショートnote杯参加作品(410字)