子育ては大変...じゃなかった。
「子育ては大変」
という意見を、産前嫌というほど目にした。
細切れの睡眠で精神を蝕まれるとか、赤ちゃんの泣き声でノイローゼになるとか。
そんな情報ばかりをインプットしていたので、育児に対してはかなり身構えていたのだが...いざ育児をしてみたら、思っていたよりも大変じゃなかった。
もちろん、初めのうちは夜も1、2時間おきにおっぱいをあげていたし、産後の肥立ちも悪かったので、全然大変じゃなかったと言えば嘘になる。でも今のところ、大変さよりも圧倒的に楽しさの方が勝っているのだ。
それは、うちのムスメがそこそこ寝るタイプだということ(それでも最近は夜泣きが増えて4時間以上続けて寝られることはないけれど)や、夫が在宅なので始業前の時間や昼休みなどに一緒に育児をできるといった好条件が色々と重なった結果かもしれない。
でもとにかく、毎日楽しく過ごしている。
最近のムスメは、朝起きると、寝ている私の耳にパクッと食いついてきたり、ほっぺたをぺろっと舐めてきたりする。
私がまどろみながら「も~なにするんだこいつう~」みたいな感じで抱き締めると、彼女はキャッキャと笑う。
ふと我にかえり「すごいイチャイチャしてるな」と思う。
付き合いたてのカップルかってくらいイチャイチャしていている。
そして、幸せを感じる。たとえそれが朝4時でも。
少し前から、私の姿が見えなくなると泣くようになった。
リビングとキッチンの境に柵を取り付けているのだが、私が出て行くとその柵に捕まってガンガンと揺らしながら大声で泣いている。
様相はまるでゴリラだが、私からするとその姿がいじらしく、ついすぐに戻って抱っこしてしまうので家事が全然進まない。
しかし、これまでの人生でこんなにも真正面から誰かに必要とされたことがあっただろうか。10代の頃にしていた恋愛ですら、こんなにど直球な愛情表現を受けた記憶はない。
だから、人生で1番の愛情の授受をしている今の私は、付き合いたての高校生カップルさながら、何をしていても楽しいのだ。
離乳食のスプーンを差し出すとこちらを見つめて大きな口を開けてきたり(いわゆる「あーん」ってやつ)
私が座っていると後ろからぎゅっと抱きついてきたり(いわゆるバッグハグ)
そんな一つ一つが愛おしく、たとえリビングにおしっこの水たまりができようが、テッシュが床に散乱しようが、笑って過ごせる。
これを読んだ子育ての先輩たちは、そんなの今だけだ、と思うかもしれない。成長していくにつれ、きっと大変なことはどんどん増えていくのだろう。
でも、生まれてすぐが大変だと聞いていたわりに楽しめているということは、これから先も意外と楽しめるんじゃないかな、なんて思ったりもする。
それに「大変なこと」って発信されがちだけれど、「大変じゃない」ってわざわざ発信されることは少ない気がしていて。(妊娠中、どの育児本や育児ブログを読んでも大変だ、大変だ、と書いてあったから)
「大変」って主観なので、同じことをしていても人によって感じ方は違うのかもしれないけれど、まあ「あんまり大変じゃない」と思っている私のような人の発信がたまにはあっても良いのかな、と。
そんな私は、今日も「コロナが落ち着いたらムスメと動物園に行こうかな?ディズニーランドも行きたいな」などと妄想を膨らませている。
付き合いたてのカップルが、デートプランを考えるみたいに。