なぜ安売りするフリーランスは、どんどんジリ貧になっていくのか?
こんにちは、ひらっちです。数日に1回のペースで豪雨に見舞われ、畑作業が大変なことになっておりましたが、ここ数日は本格的な夏の到来を思わせる快晴が続いております。このまま「戻り梅雨」も明けてくれるかな?
<いつものように簡単な自己紹介です>
僕は、地方国立大学を卒業後、ブラック企業で営業マンを経験。その後、フリーランスのライターとして独立開業、さらに数年後、新規就農して農業をスタートさせ、2020年現在、好きな仕事を選びながら人生を謳歌する「ほぼセミリタイア生活」を実践しているアラフォーです。
このnoteでは、特に20・30代のビジネスパーソンの皆さんに、僕の経験に基づいた「人生を楽しく過ごすための技術」を提供し、少しでもたくさんの方に「幸せな毎日」を掴んで欲しいと考えています。どうかお付き合いください。
現在、『マイナビ農業』で不定期連載中! 農業にご興味のある方はぜひこちらもご覧ください!
■おかげさまで「守銭奴ライター」と呼ばれております(^^♪
あらためまして、ひらっちです。今日は「ライターのお仕事」について書いてみたいと思います。
先日アップしたこちらの記事ですが、結構たくさんの人に読んでいただけているようです。スキの数も70を超えてきました。最近あんまり更新していない割には、まずまずの数字でしょうかね?
ちなみに僕は「安売り」が大嫌いです。そして妻は、もっと安売りが嫌いですw 「このくらいのギャラならいいか…」なんて僕が言っていると、その傍らから「そんなに安いの、ダメでしょ!!」と急ブレーキを踏んでくれます。
おかげで僕は、フリーランス仲間から「ひらっちさんは、お金に汚い」「ひらっちさんは、守銭奴だから」なんて散々な言われ方をしているようですが、もうすっかり慣れっこなので最近は特に何も思っていません(笑)
上記の過去記事を読んだ方のなかには「私はライターが天職。たとえ安くても、やりたい仕事だから関係ない!」という人もいるかもしれません。もちろん、どんな価格で仕事を受けるのかは本人次第。自由に選べばいいし、僕がとやかく言う筋合いはありません。
でも、どうですか? 生活は楽になっていますか? 頑張っているにも関わらず、なんだか余計に苦しくて…みたいなことになっていませんか?
安売りを放置すれば、いつか必ず自分の首を締めます。だからこそ、その事実をちゃんと理解したうえで、ギャラの金額を決めることが大事です。それだけはちゃんと考えておきましょうね。
■どうして安売りをして売上を伸ばすのは悪手なのか?
なぜ僕が「安売りしないこと」にこだわるのか。この点について、分かりやすく説明してくれている本を最近読んだので、少しご紹介させていただきますね。
ちょっと長いタイトルですが、『そのビジネス課題、最新の経済学で「すでに解決しています。』という本です。
僕も一応、大学で経済学を学んだ人間ですが、ミクロ経済学、マクロ経済学などを一通り勉強したものの、その後の社会人生活にはほとんど役に立っていない気がします。ただ、どうやら最近の経済学は、僕が学んだ25年前とはだいぶ様相が違ってきているようですね。社会実装を前提にしていて、ビジネスにストレートに役立つ研究が多い。それを紹介しているのが本書というわけです。
で、まさしくこの本の1章で取り扱っているのが、需要分析に基づくプライシング戦略のお話。要するに「いくらで販売するのが一番いいのかを考えること」です。
あなたは、「売上の最大化=利益の最大化」だと思っていませんか? もしそうだとしたら、それは「大間違い」です。
具体例を出してみましょう。
1つ5000円で販売している商品があったとします。それを値上げして8000円で販売することを考えてみましょう。
あなたは思い切って3000円の値上げをしました。すると、これまで20個販売できていた商品が、10個しか売れなくなってしまいました。
<値上げ前>
5000円×20個=10万円
<値上げ後>
8000円×10本=8万円
あらら…。大幅に売上が下がってしまいましたね。「なんだよ、ひらっちさん、販売価格を上げたらやっぱり大損じゃないか!」という声が聞こえてきそうです。
でも、よーく考えてみてください。この計算式には、大切な数字が抜け落ちています。そうです、商品を作るための原価です。ここでは仮に、商品の原価が3000円だったとします。すると、どうなるでしょうか?
<値上げ前>
(5000円ー3000円)×20個=4万円
<値上げ後>
(8000円ー3000円)×10個=5万円
もうお分かりですよね。売上は確かに下がったけれど、利益は値上げ後の方が多い。要するに「安売りをせずにちゃんとした値段を付けることが、利益を確保するためにはとても大事だよ」ということです。
■まとめ
いかがでしょうか? 安易な安売りをしないことがいかに重要なのか、ご理解いただけたでしょうか? ただ、ここで、全国のフリーライターの方から、こんな反論が返ってきそうです。
「いやいや、ひらっちさん、私たちライターの商品である原稿は、原価なんてかかってないじゃん。だったら単価を下げても、売上を伸ばした方がいいんじゃない?」
もしあなたが上記のように思っているとしたら、もう一度よく考えてみてください。あなたは、原稿を作るために「原価」を支払っていませんか?
労働集約型のフリーランスの大きな落とし穴は、この「原価=自分の人件費を計算に入れずにビジネスを考えてしまいがちなこと」です。あなたが「電気代を消費しない&故障しない無敵のサイボーグ」であれば、原価を計算せずにバリバリ仕事をすればいいでしょう。でも、そうじゃないですよね?
フリーランスの誰もが陥りやすい落とし穴、「安売りの誘惑」は常に襲ってきます。いかにこの誘惑を断ち切るか。それがフリーランスで長く生き残るための秘訣の一つかな、と個人的には思います。