【FIREの条件激変?】「103万円の壁」見直しで経済的自由は近づく?遠のく?
おはようございます。ひらっちです。早いもので11月も終わりに近づいてきました。師走の足音が聞こえてくる時期になってきましたが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
僕の方はめちゃくちゃ忙しい日々が続いております。猛暑の影響で農作業を遅らせたのはいいですけど、それがちっとも終わらない(笑)。普段ならすでに一段落しているはずの定植作業にまだ追われております。11月中に完了しないことは確定。師走まで戦いが続くことになりそうです、トホホ…。
<いつものように簡単な自己紹介です>
僕は、地方国立大学を卒業後、ブラック企業で営業マンを経験。その後、フリーランスのライターとして独立開業、さらに数年後、新規就農して農業をスタートさせ、2020年現在、好きな仕事を選びながら人生を謳歌する「ほぼセミリタイア生活」を実践しているアラフォーです。
このnoteでは、特に20・30代のビジネスパーソンの皆さんに、僕の経験に基づいた「人生を楽しく過ごすための技術」を提供し、少しでもたくさんの方に「幸せな毎日」を掴んで欲しいと考えています。どうかお付き合いください。
現在、『マイナビ農業』で不定期連載中。最近あんまり寄稿できておりませんが、編集部の方と相談しながら年内にもう一本くらいアップしたいなと思っております。もしよかったらチェックしてみてくださいね♪
■「103万円の壁」はどうなるのか?気になりますね(^^♪
あらためまして、ひらっちです。今日はこのnoteの本題でもある「お金」をテーマに書いてみたいと思います。
この1カ月ほどで、本当にいろんなことが起こりましたね。特に大きな話題となったのは「選挙」。まさか衆院選で国民民主党が大躍進を遂げ、政治のキャスティングボートを握るなんて。
これまでも「キャスティングボート」という言葉はよく耳にしてきましたが、「こういうことを意味していたんだね!」と初めて実感しております。国会議員が「奇跡の配分」となれば、少数野党でも政治を動かせるんだと。
玉木さんの不倫には正直失望しましたが、それでも優秀な人であることは間違いなさそうなので、なんとか政治を変えて欲しいと願っております。
さて、そんな国民民主党が看板政策に掲げていたのが「手取りを増やす」。中身は色々とありますが、今まさにホットな話題となっているのが「103万円の壁の撤廃」です。
これ、実はこのnoteでも取り上げようと考えていたテーマだったんですよね~。
国民民主党の二番煎じになるのでやめましたが、インフレになって年収が増えても、物価高騰に給与上昇が追い付かず、さらに控除額が増えない昨今の状況では、急激に生活が苦しくなっていくよ~と書くつもりだったのですが、どうやら大幅に改善される見通しのようで。
ぜひとも国民民主党が掲げる「178万円の壁」を実現してほしいものです。
その他にも色々と税金関係のルールが変わりそうな昨今ですが、こうしたルール変更は「FIREを目指すんだ!」「経済的自由を手にしたい!」という人たちにも影響を与えることになりそうです。
そこで今日は、これらの環境変化を踏まえて、経済的自由を目指す人にどんな影響が出そうなのかをちょっと考えてみようかなと思います。
■「103万円の壁」の見直しは、そこまで大きな影響なし?
そもそもFIREとは、金融資産から得る収入のみで暮らせる状態のことを指しています。株や不動産などからの不労所得を元に、日々の生活費を賄うというのがオーソドックスなスタイル。「ファットFIRE」「サイドFIRE」「リーンFIRE」など、色々な流派はあるものの、ベースはこれが基本です。
で、特にミニマムな形のFIRE、3000~5000万円くらいの投資金額を貯め、そこから得るリターンで細々と暮らしていくスタイルを考えている方に関わってきそうなのが、いわゆる「非課税世帯」の特典です。
上記の過去記事でも書いたように、多くの人が「低所得者の恩恵」を享受することになると思うんですよね。まだどうなるのか不透明な状況ではありますが、控除額がアップすれば、低所得者(非課税世帯)の基準も当然ながら引き上げられるわけで、ミニマムな形のFIRE実践者にも有利に働く状況が生まれそうです。
もちろん、以前からお伝えしている通り、3000~5000万円の金融資産で完全な引退を目指すのは、なかなかのハードモードだと思います。それこそ爪に火を点すような生活を自らに強いることになるわけで、よほどの節約大好き人間、仙人みたいな暮らしに憧れている人以外にはオススメしません。
ある程度の金融資産を築き、そこからそこそこリターンを得つつ、自分が興味がある分野、好きなジャンルの仕事でほどほどに稼ぐ。そんな「サイドFIRE」のスタイルが最も適していると思います。
なので「103万円の壁見直し」については、FIREを実践するうえで人によっては多少の恩恵はありそうだけど、影響は限定的かなぁ~なんて個人的には見ています。
■むしろ注目すべきは「106万円の壁」の撤廃?
実は、僕が以前から提唱している「サイドFIRE」、もっと言えば「農的FIRE」を実践するうえでは、「103万円の壁」よりも「106万円の壁」の撤廃の方が、使い方次第で恩恵が大きいのではないかと見ています。
僕が考える「農的FIRE」は、「自営業で好きなことを仕事にする」というのが大前提になっています。
そこで大きなネックとなるのが社会保険。具体的に言うと「国民健康保険」と「国民年金」です。
ぶっちゃけた話、所得税の負担というのは、そこまで収入が大きくなければ、負担額は微々たるものです。「農的FIRE」の場合、好きな仕事でガッツリ稼いでもいいけれど「ほどほどに稼げばいいかな」と考える人が大半だと思うので、所得税率はせいぜい5%~20%くらいの範囲に収まってくるはず。そこまで大した金額にはなりません。
それよりも負担感が大きいのが社会保険料です。これは本当にデカい。国民健康保険料は所得に応じて決まりますが、国民年金の金額は一律なので、低所得の場合には負担感がかなり増します。もちろん減免制度を活用する方法もあるけれど、老後のことを考えると満額を支払っておきたいところです。
そこで、上手く利用したいのが「106万円の壁の見直し」というわけ。どういうことか?
この「106万円の壁」というのは、年収106万円(月収8万8000円)以上、労働時間が週20時間以上、勤め先企業の従業員が51人以上などの要件を満たすと、社会保険に加入する義務が生じるというもの。
これを撤廃するということは、要するに、これまで社会保険に加入する必要がなかった人も、広く加入してもらうようにしましょうねーという、第三号被保険者を狙いうちしたいわば増税に繋がるトピックです。103万円の壁とは真逆の性質を持つ話題というわけですね。
で、これをうまく利用するというのは、自営業をしながら少しだけ働いて、社会保険に加入させてもらおう、ということです。
そうすれば、自営業の仕事が減った時のリスクヘッジにもなるし、夫婦であれば、場合によってはパートナーを第3号被保険者に入れることだってできちゃう。(第3号の完全撤廃の日も近そうな気配が漂っていますが)
そうすれば、ミニマム系自営業者の最大の問題である「社会保険の負担」という問題をかなり緩和できるんじゃないかな、なんて思っています。
■まとめ
というわけで、最近話題の「103万円の壁」「106万円の壁」をテーマに、色々と思考実験をしてみましたが、いかがでしたでしょうか?
「ひらっちさん、そうは言うけど、週20時間以上の条件は残りそうだし、最低賃金のことを考えると、年収基準を撤廃してもあんまり状況は変わらないじゃん!」
この分野に詳しい方の中には、こんな風に考えた方もいるかもしれません。そうです、おっしゃる通り(笑) 実は「106万円の壁撤廃」の問題は、週20時間以上働くことが引き続き条件になるのであれば、そもそも最低賃金の高い都市部だとすでにほぼクリアしちゃっているケースが多いと思うんですよね。だから「今まさに議論されている壁撤廃をうまく利用して」という話は当てはまらない。
ただ、「何とかして全員を社会保険に!」という政府の流れは、今後も加速していくことはほぼ確実です。だって、大量の高齢者を支えるための財源を、それこそ血眼で探しているわけですから。
なので、社会保険の加入条件はさらに緩和されていくはず。そうなれば「ちょっとだけ働いて社会保険加入!」という手法は、より一層利用しやすくなる公算が高いです。
これからは「好きな仕事で自営業+パートタイムで社会保険加入」という二刀流スタイルが、人生を楽しく豊かに暮らすための有効な手立てになっていくかもしれませんね。今後の動向に注目したいと思います(^^♪