ぽとめの話
※センシティブな内容が含まれます。
※犬に関する内容です。
※しんどくなってしまう可能性がある方は読まずに、お風呂にゆっくり浸かって、おいしいもの食べて寝てください。
ドアを開けたら、下でハッハと言いながら待ってなくて悲しい。
ソファに座ってたら、上に乗ってきて邪魔されないから自然と手を組んだり、足をくめたりしてしまうのが悲しい。
横でチョロチョロしないから、仕事がスムーズに進むのが悲しい。
晩御飯のとき、うるさいくらいキャンキャン言わないのが悲しい。
我が家のスウィートプリンセス・ポメラニアンのぽとめが、先日旅立ちました。
母の還暦の誕生日に急に容体がおかしくなって2日後に。全てが急で、あまりにも急で、嘘かと思いたかったけど本当でした。
でも、毎年ぽとめの誕生日祝いを母がしていたし、ぽとめは母が大好きだったから、母の還暦まで頑張ってくれたんだと思う。だから、ありがとうという気持ちが1番大きいです。
現実が頭では分かってるけど
心ではまだ受け止められてなくて
だからまだしばらく、心でも理解するまで
触れないでくれるとうれしいんだけど
それ以上にぽとめはこんなに可愛かったって
言いたくて、記憶が薄らいでいない今に残しておきたくて、書いてしまっています。
本当に可愛くて、賢くて、大好きだったし、今だってもちろん大好きです。
本当に甘やかされて育って、あなたは本当に犬ですか?と問いたくなるくらいワガママだったけど(多分自分のことを人間だと思ってた)、家族が落ち込んでるときには横でそっと寄り添ってじっとしてたり、おばあちゃんの介護の時も手で無意識につねられてしまってたらしいのに、普通の顔でいて寄り添ってくれてたから、家族があとで気づいてビックリしたり。
優しかった。最後の話も聞いて、やっぱり優しいし、頑張り屋さんだったなと。
まだまだ元気は出ないけど、火葬に間に合うように私を呼んでくれたのは ぽとめだと思うから 最後まで本当にありがとう。
大好きだった分 本当に悲しいし
コロナがなかったらもっと会えたかなとか
考えてしまうけど
七月に一日弾丸で帰れたとき一緒に散歩できて良かったし
頑張ったあとだったけど最後頭をなでることができて良かった。泣きすぎて頭が痛かったけど、それでもぽとめは最後まで可愛かった。
ポメラニアンなのに食欲旺盛すぎて、一般的なポメラニアンの2倍大きく育って、最後小型犬じゃなくて小中型用の火葬になったのとか
少しずつ笑い話にできたらいいな。
ぽとめがいて幸せだったから、ぽとめも我が家に来て幸せだったならいいなあ。
頑張ったね。
ありがとね。
おつかれさま。
ありがとうねえ。
✳︎
雑誌の校了を終えて、あーやっと全部終わった、あとは最後の赤字確認だけだ、と思った帰り道、家族からの連絡に違和感を感じて電話したら1時間前に旅立ったとのことで、乗り換えの代々木上原の駅からしばらく動けなかった。
翌朝始発で、関西に向かった。
帰宅したのが1時すぎで、疲れてアラームもかけずに寝てしまったのに、ギリギリ始発に間に合う4時50分に目が覚めたのは不思議な感じがした。私が落ち込まないように、ぽとめが起こしてくれたんやろな、と思いつつ、起きたそのままで駅に向かい新大阪へ。
新幹線では1記事書いて、1記事編集した。書きながら泣いて、泣きながら書いたけど、仕事に感謝した。新幹線での空白に、仕事があることはありがたかった。
家に着いたら母が「ありがとね」って寝室から出てきて、ぽとめに会わせてくれた。ちょうどぽとめの体にぴったり合うサイズのベッドみたいなカゴに、好きだったおもちゃと一緒に、優しい顔をしてて寝てた。
「こうなっても、ポメラニアンてかわいいんやねえ」と言って母が泣いた。本当にかわいいから私も泣いた。母は一晩中撫でながら、ありがとうを伝えてたらしい。母の悲しみを考えると、私の悲しみなんてとか思ってたけど、どっちの方が悲しいとか関係ないくらい、どうしようもなく悲しくて、ぽとめのワガママエピソードを話して笑っては泣いて、1時間くらいで火葬の時間になったから、家から車で2分くらいのところにあるお寺にみんなで行った。
お寺は火葬の予約で埋まってて、意外だったのが号泣している遺族が我らだけだったこと。みんな思い出話で笑いあったり、最後に遺体を見て「ほら、ここ痛そうやろお? かわいそうに!」と、労りつつも、明るい雰囲気で慈しんでたり、いろんなお別れがあるんだなあと思った。
お葬式をして線香をあげて、火葬場へ。火葬が1番怖かったけど、結論、火葬に立ち会えて良かった。思ったより若いうちに、急なお別れだったし、立ち会えてなかったら、翌日朝にすぐ火葬って、もし急に起きたら、とか思ってたかもしれない。でも、優しく母に抱き上げられて火葬台にあがったムチムチバディぽとめを見て、もう目覚めないとわかった。1番よく遊んでたおもちゃを一緒に入れてもらい、母が「いっぱいむこうでも遊ぶんよ」と言い、ぽとめはお空になりました。
はじめてのお骨拾いは、不器用な私が割ったりしたらどうしようとハラハラしたけど、慎重に運んで3欠片くらいはいれた。あとは母と父と火葬場の人が手際よくおさめてくれ、ようやく一緒にお家に帰ってきました。
ぽとめは服を嫌がらない子で、いつも可愛い色の服を着ていたので、骨壷の入れ物も、ぽとめが着てそうなピンクのかわいらしいものを選んだ。骨壷の締め口が、小さい耳が2つ立っているような見た目で、白いフサフサもついていたので、骨壷になってまでぽとめすぎて、うんうん、帰ってきたねえ、と手を合わせた。仏花がどうもぽとめっぽくなくて、かわいいガーベラを飾った。
ぽとめが大好きだった、特別な日だけの牛の赤身肉。今までは体のことを考えてちょっぴりだったけど、今日はたんとお食べと大きな赤身肉6枚をどーん!とお供え。翌日母と、そのお肉ですき焼きをして食べ、金曜日の仕事に向けて東京に帰ってる。そんな今です。
ドアを開けたらキャンキャン吠えたり、ハアハア言ったりしながらぐるんぐるん周り飛びついてくる大袈裟な歓迎がないこと
ソファに座ったと同時に、上に重りが乗ってこないこと
横でチョロチョロする音がしないこと
晩御飯タイムに「わたしには!?」と怒ってくる、ちんまいまあるいボールがいないこと
いつになったら慣れるかな。早く慣れたいような、ずっと慣れたくないような不思議な気持ちです。
ただ間違いないのは、ぽとめが我が家に来てくれて、家族みんな本当に本当に幸せで、幸せだったということ。お空にこのありがとうがしっかり届きますように。
これからも、ずっと、ずーーーっと大好き。
大好きだよ。
大好きなボールでたくさん遊んでね。
✳︎
愛犬が旅立ったという連絡への反応は、犬を飼ったことがある、ないで様々だと思うし、異動したばかりの部署で、最後の最後の最終赤字を確認する日に在宅にさせてくださいというのは、すごく怖かった。
でも編集長が忙しいのにフォローくださり、「帰ってあげてください」と連絡をくれたから、おかげで翌日関西にむかうことができて、感謝しても感謝しきれない。
途中にも書いたけど、そのほかご依頼いただいているお仕事にも本当に支えられてる。
何より今は対面で感情をほどくのが辛いかもしれないから会えないけど、友だちの存在にも救われてます。
無理に仮面をつけて日常に戻ると、この先ずっと仮面の下で鬱々としてしまう気がして、今、悲しい時に、悲しむタイミングを逃さないように、丁寧に積極的に悲しみながら、今週はポンコツ野郎として、仕事以外は泣くだけマシーンとして過ごさせていただこうと思います。
来週から日常に少しずつ戻れたら。約束してたのにドタキャンしてしまった友だちには本当に申し訳ないけれど、来月楽しく飲めたらうれしいな。
ぽとめへ
ありがとうね、またお空でもお散歩しよう。
らぶゆー
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