その名詞は省けるのか?
文章術をあらためて勉強してみると、
日本語は本当にめんどくさいと思います。
その1文で意味が通じるかどうかだけではなく、
語感の美しさが問われるからです。
つまり、「わかりやすさ」には、機能面だけでなく美術面も直結しているということです。
例えば、
コロナウィルスは時代を進めた。リモートワークに代表されるように、インターネットを積極的に利用する動きが、ようやく社会の潮流になったのである。そう考えれば、コロナウィルスの流行は必ずしも悲観することばかりではない。
上の文章は、そのままでも意味はわかります。
ただし下記のように、
コロナウィルスは時代を進めた。リモートワークに代表されるように、インターネットを積極的に利用する動きが、ようやく社会の潮流になったのである。必ずしも悲観することばかりではない。
3行目の「そう考えれば、コロナウィルスの流行は」はまるっきり削っても意味は通じます。
どちらがわかりやすいかと言うと、後者の方だと思われます。
ライティングの本質とは、
「こちらの伝えたいことを、いかに読者の集中力が切れないように伝えるか試行錯誤すること」だと私は認識しています。
日本語には「主語が変わらないときは省いてもいい」というルールがありますが、私はどうしても主語を残してしまいます。
その方が丁寧で、論理的に感じるからです。
省けるものは省く。
「頭にスッと入ってくる」文章こそ、良い文章でしょう。
…と、頭ではわかっているのですが、イチイチ名詞を発表するしつこい文章を、つい書いてしまいます。
ライティングは奥が深い!
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