三つの出発　転職、新車、新趣味　なぎコミュ企画第二弾『出発』

桜が満開になっている今日、僕は大和神郷部という神社の地方支社に来ている。「すみません。交通お守りを頂きたいのですが」「はい、分かりました」受付にいる職員はそう答えた。

なぜこの神社に来ているのかと言うと、僕が大和神郷部の信者なのと、先日、車を買い換えたからだ。四月に入って、僕はこの度仕事を変え、会社へ行くのに車が必要になったために買い替えた。

以前の車はもう古くなっていたため、毎日使うとなれば買わなくてはならなかった。最初は金銭的に高くて買えないと思っていたのだが、この度働くことになった会社の収入がいいために僕も買う気になったのだ。

「あ、いらっしゃいませ」
「あれ、藤本先生、来てたんですか？」
「こんにちは、今日はこちらに用事がありまして」

受付の後ろから来たこの人は藤本真也先生という、大和神郷部の問屋神社の本教士である。

「中路さんも用事ですか？」
「はい、実は車を買い替えまして、お守りが欲しいと思いまして」
「お守りの事で来てたんですね？ありがとうございます」

藤本先生は僕と話したらすぐ奥へ向かって行った。

「こちらが交通お守りになります。千円になりますね」
「ありがとうございました！」

僕はお守りを買い、車へと向かう。今日は春らしく暖かい。だけど、昼間は少し暑い。車は暑くなると熱が籠るので少し不安だ。車に着いたら早速お守りを付けるが、そのほかにもう一つ付けなければいけないものがある。

「早速だけど、これを使うか」僕が取りだしたのが、ドライブレコーダーだ。ドライブレコーダーって言っても、事故のために備え付けるものではない。車載動画と言う運転中の風景を動画に収めるために取り付ける。それを動画にしてサイトに上げるという事がやりたかったのだ。

もちろん、それは事故の抑止にもなるだろう。僕は早速撮影をするために移動することにした。この駐車場は狭い路地の中にあるため、ここから今回撮影する予定の内環状通へ向かう。

今回撮影するのは内環状線だが、この市には内環状線の他に外環状線もある。内側にあるから内環状線なのだ。

ここからまずコンビニに向かい、ドライブレコーダーをコンセントに入れてからいよいよ撮影が始まる。撮影は始まったが、スタート地点は別の場所なのでスタート地点まで向かうことにした。

コンビニの駐車場から出るとすぐに内環状線に入るので左折してまっすぐ進む。

「良かった。まだ見える」

昼下がりに西方向へ進んでいるので太陽の光が気になったが、太陽の位置はまだ高く、眩しくは感じられない。これで動画にしてもはっきりと映るだろう。

内環状線はここからは北へ伸びるために西オフィス街を右折する。ここが撮影のスタート地点だ。この道は駅本通りとも呼ばれ、まっすぐ行くと駅に辿り着く。あまり時間のかからない撮影になるだろうが、初めてだからどうなるだろうか？不安と期待が入り混じる中、車はオフィス街を進んでいった。

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なぎコミュ企画4月の作品テーマは『出発』です！
出すのがどんどん遅れましたが、5月中に各メンバーの作品と全員の作品を載せた記事を出しますのでお待ちを！

春になり、色んな出発をされて環境が変わった方も多いと思います。メンバーそれぞれの世界観での主人公の出発を見て、「自分も頑張ろう！」という気持ちになっていただけたら幸いです。