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英文法 ~進行形はこう考える~
どーもホワイティンです。
今日は中学英文法ではきわめて簡単とされる文法”進行形”について、深い〜話をできればと思います。
「進行形なんて簡単でしょ?」と思われた方、どうかページを閉じないでください。
必ず、新たな発見があるはずなので。
突然ですが、以下の文章を訳してください。
The bus is stopping.
「バスが停まっている。」と訳した方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな方にはぜひ覚えて帰って欲しいです。
それでは、”真(深)”の進行形の世界へと足を踏み入れましょう。
例文の訳は後ほどご紹介します。
まずは進行形の基本の型から行きましょーう。
◆進行形 = be動詞 + Ving
まず、文法としての進行形のカタチから確認します。
進行形の作り方は下記の通りです。
be動詞 + V ing
※ 以下、動詞をVとして表記します。
現在か過去に応じて、be動詞を適宜変えます。現在であれば、am, is, are に、過去であれば、was, were になります。
非常に単純明快です。進行形を作成するうえで、複雑さは皆無と言っていいでしょう。
意味は現在形が「〜している。」、過去形が「〜していた。」になります。
このような説明で終わることが多い進行形(未来進行形もありますが、あまり見かけることもないので割愛します)。
これでは、進行形をマスターしていることにはなりません。
V ing を品詞と意味の2つの側面から理解することで、より進行形に対する理解度はグッと上がります。
◆品詞の側面から考える Ving
もし Vingって何?と聞かれたら、あなたは何と答えますか?
「動詞のing 形だよ」と単に答えるかと思いますが、それでは説明としては物足りないです。
実は進行形のVing は動名詞の Vingと切り分けて考える必要があるのですが、今回は進行形の話なので、動名詞は別の機会で言及したいと思います。
進行形のVingは”動詞が形容詞化したカタチ”であり、"動詞の様態"を表すと覚えてください。
様態を表すのは形容詞の役割ですよね!
Ving が動作を表していることは間違いないのですが、どちらかというと、”動作の様態”を表していると言った方が正しいです。
では、なぜ Ving を動作の様態と解釈すべきなのか?
その理由は簡単です。進行形は”発話者が目にしている物事の様態を表している”からです。
たとえば、
He is playing tennis over there !
という発話があったとしましょう。
発話の瞬間に、”彼がテニスをしている状態”でなければ、「彼があっちでテニスをしているわ」と発言しないですよね?
したがって、進行形を以下のように定義づけます。
発話の瞬間、その様態になっている
Her hair is so beautiful.や That man is tall and thin.も同様に、「彼女の髪はとても綺麗だ」や「あの男性は背が高くてやせている」という様態を目の当たりにしているから発言しているのです。
◆意味の側面から考える Ving
さて、進行形のVingは動詞が形容詞化したカタチ、”動作の様態”であると説明しましたが、この動作の様態という定義をもう少し詳細にしていきます。
この点をおさえることで、進行形への解釈の柔軟性が上がります。
さて、進行形 Vingの表す意味が重要になるわけですが、全ての進行形の文に対して、「〜している」と処理しては危険です。
ちなみにこれは”意味”ではなく、”訳”です。
進行形 Vingの意味は 以下の通りになります。
動作の途中
これは”前述した動作の様態”をより詳細に表しています。
また、通常、動詞が表す意味は、”動作の始まりから終わりまでの全段階”です。
たとえば、”swing a bat”であれば、バットを構えてからバットを振り抜くまでの全てを指し示します。
動作には必ず始まりがあって、終わりがある。
進行形 Vingは”動作の始まりから終わるまでの間の段階”、すなわち、”動作の途中”を表しているのです。
それでは、先ほどの The bus is stopping. で考えてみましょう。
今回の場合の stop は、「バスの運転手がバスを停めようとブレーキを踏んで、車体が完全に停まる」になります。
つまり、stoppingは「ブレーキを踏んでから、バスの車体が完全に停車する直前まで」を意味します。
したがって、
「バスが停車しようとしている。」
が正解です。
◆練習その1
My father is dying.
先と同じように解釈すれば、簡単です。
動詞 dieは「死ぬ」という行為であって、その進行形になるわけですから、
「父は死にかけている。」「父は瀕死の状態です。」
という意味になります。
死を一瞬で迎えることもありますが、通常、死に至るまでに”苦しむ間”があるのではないでしょうか。
◆練習その2
I'm being taller than you.
この文章はどうでしょうか?
高校の英語の授業で、
「形容詞や状態を表す動詞は進行形にできない」
と教わった記憶がありませんか?
事実、訳してみると、
「今、私はあなたより背が高い(状態)です」
となり、不可解な意味になりそうです。
そうすると、これは間違った文章に思えますが、実はこの状況は想定することができます。
”背伸びをしている最中”
背伸びをすれば、一時的に相手より背が高い状況を作ることができますよね?
多くの人が、背伸びをして「オレのほうが背が高い〜!」ってな感じのことしたことありません?
あるいは、何かの上に乗ることで背が高い状況を作ることだって可能です。
このように、
文章はその状況を想定することができれば文として成立する。
と言えるのです。
◆まとめ
いくつか進行形の文章を例に出して、説明してきましたが、単に「〜している」では到底解釈しえない文章は意外とあります。基本的な文法だからこそ、本質的な理解が求められることが多いです。
今回おさえていただきたいのは以下の通りです。
・進行形 V ingとは、”発話の瞬間、その動作の途中”である。
ぜひ、意識して文章理解に努めてください。
また、文章の成否は想定できるか否かによって決定されるという点もあわせて覚えてください。