最推しを日本の福祉で救えるか
こんにちは。あすぺるがーるです。
ふとしたきっかけで、『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』にハマっています。
舞台は賄賂やスリ、麻薬売買が横行するイタリア。
ネアポリス育ちの15歳の少年、ジョルノ・ジョバァーナが、ギャング組織パッショーネを乗っ取るべく配下のブチャラティのチームに入団します。
そんなジョルノやブチャラティチームの仲間たちが、様々なミッションをこなすべく活躍する物語です。
今回は、『黄金の風』の中の私の最推しキャラが、もし現代の日本に育っていたらどうなっていたのか、考えていきたいと思います。
「あなた、覚悟して来てる人ですよね?」
※訳: この先、本作中のネタバレを含みます。
最推しについて
私の最推し、ナランチャ・ギルガ。
天真爛漫で勉強は大の苦手、でも戦う姿は機敏そのもの、バカにされるとキレるけど心根はとても優しい17歳です。
やむにやまれず入団した登場人物が多数ななか、自分の意志で入団したナランチャは例外的存在といわれることもあります。
しかし、ナランチャもまた、悲しい過去ゆえにブチャラティチームに入団したうちの一人なのです。
最推しの過去 その1
ナランチャは、10歳にして目の病気で母を亡くしました。
仕事熱心なものの自分のことには無頓着な父に、ナランチャは反発を覚えます。
「母さんの目の病気って……」
「……………」
「クソ野郎……」
12~3歳ごろになると、学校にも行かず、不良仲間の家を渡り歩いて窃盗した食べ物で飢えをしのぐ生活を送るように。
「この世で一番大事なモンは、友情だせ!」
しかし、そう言い放った友人に強盗の罪を擦り付けられ、ナランチャは少年院行きに。
出所したときには警察官に殴られた傷が悪化して目を患い、それを母譲りのものと噂され、友人にさえ見放されてしまいました。
そして、ゴミを漁って飢えをしのぐ浮浪児に……
最推しの過去 その2
そんなナランチャの元に通りかかったのが、先にブチャラティチームに入団していたパンナコッタ・フーゴ。
彼がナランチャの手を取り、ブチャラティのいるリストランテへと連れていき、
「こいつにスパゲティーを食わしてやりたいのですが、構いませんね!」
と叫ぶと、ブチャラティは黙ってナランチャにスパゲティーの皿を差し出したのでした。
ブチャラティはさらに、ナランチャを病院に連れていき、治療まで受けさせました。
ナランチャの目の病気は全快。
そんなブチャラティに恩義を感じ、ギャングになろうとしたナランチャですが、ブチャラティはナランチャに一喝し、止めさせました。
それが自分の身の上を思ってのことと悟ったナランチャは家に戻り、学校に通い始めました。
しかし、父に心を許すことは二度とありませんでした。
「何であの人は、マジになって俺を怒ってくれたんだろう……自分には何の得もないのに」
「でも、あの怒りは、恨みだとか嫌悪だとか、人を侮辱するようなのは何もない怒りだった。警官たちや俺の父親が怒るときとは大違いだ」
「あの態度を考えると、勇気が湧いてくる! 漢ってぇのは、ああいう人のために働くもんだ!」
こうしてナランチャは、ブチャラティに内緒で入団試験を通り、ブチャラティチームの一員となったのでした。
最推しを救いたい!
ブチャラティチームの一員となることによって仲間と使命を得たナランチャでしたが、その先に待っていたのは死でした。
死ぬことを分かっててハマったとはいえ、死んでほしくなかったなぁ…
では、どうすれば死ななかったのか。
サン・ジョルジョ・マジョーレ島でトリッシュに付き添って行ったのがジョルノだったら…という声もありますが、私は絶対にそんなことはないと思っています。
身も蓋もない話ですが、ナランチャが死なないためには、ブチャラティチームに入る前に彼を救うしかないようです。
しかし、本作で描かれているイタリアには福祉のふの字もないようなので、設定に矛盾しますが、場所を現代日本に移して考えていこうと思います。
最推しを救う方法
上記の前提でナランチャを救える場所のひとつに、日本子どもソーシャルワーク協会があります。
ここでは、非行少年の立ち直りを支援しています。
具体的な活動内容を公式サイトからいくつか抜粋すると…
審判支援
留置所や鑑別所に面会に伺います。ご本人の意向を大切に、保護者や弁護士とともに、少年審判に向けて、家裁への意見書提出や審判に出廷して意見を述べるなど、サポートします。
生活自立支援
試験観察の時には調査官・弁護士と、保護観察の時には保護観察官・保護司と連絡を取り合いながら、相談・学習・遊びを通して、ご本人の立ち直りを支えていきます。
就学支援
学校の授業が分からないとき、進学を希望し受験勉強をしたいときには、学習や学校探しのお手伝いをします。
審判支援さえあれば、そもそも罪を擦り付けられて少年院に入ることはなかったかもしれませんね。
強盗はしていないにしろ、窃盗を繰り返しているのには変わりないので、生活自立支援は欠かせないと思います。
あと、就学支援。
ブチャラティチームに入ってもなお自ら望んでフーゴから勉強を教わっていたり、最期に「ネアポリスに帰ったら学校に行くよ!」 と言ったりしていたように、ナランチャも本当は勉強したいと望んでいたのでしょう。
実家で生活するのが前提であるようなので、お父さんとの関係が気になるところではありますが、それも相談できる人が一人いれば変わっていたのでしょうか…
救うのに、一番大切なこと
他にも、「少年院から出たら然るべき施設に送られるはず」 とのアドバイスや、児童相談所などの案も浮かびました。
しかし、どの手段を取るにしても、必要なことがひとつあります。
それは、「大人が支援につなげること」 です。
ナランチャに限らず、大半の子どもにとって、自ら必要な支援につながることは大変な困難を伴います。
ましてやお勉強のできないナランチャには無理なことと言っても過言ではないでしょう。
そのため、この記事を読んだ方には、危険な状況下にある子どもたちを見かけたら、なるべく早く然るべき機関に連絡してほしいのです。
フーゴの行動ひとつがナランチャの運命を変えたように、あなたの連絡が子どもの運命を変えるかもしれないのです。
「かけ算なんてちっとも難しくないや!
フーゴ、見て! できたよ!」
(https://weibointl.api.weibo.cn/share/108549251.html?weibo_id=4445892108915050 より)
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