探偵学園Q

僕は推理小説が読めない。
元より人の顔と名前を覚えられないタイプなのだが、それが文字情報しかないのだから全然覚えられないのである。
推理小説はその性質から登場人物は多いし、シリーズモノの作品だったとしても主役以外は基本的に新規登場人物だ。
とてもじゃないが推理を楽しむ間もなく、「これ誰だっけ」と読み戻ってを繰り返してしまう。
加えて事件が起きるまで起承転結の承が続くワケだから、退屈ったらありゃしない。
しかし、これまた推理小説の性質上、省くわけにはいかないセクションなのだ。
その点、マンガはビジュアルがあり、そして実在の人物より内外の特徴がデフォルメされるから、現実よりも覚えやすい。

推理マンガといえば、「名探偵コナン」(以下「コナン」)と「金田一少年の事件簿」(以下「金田一」)が他の追随を許さぬ二大巨頭だろう。
特に前者は今も別格の人気を誇っている。
僕らの世代はどちらも幼少期にリアルタイムでアニメをやっていた世代であるが、もう一つ推理マンガのアニメをリアルタイムで見ている。
それが「探偵学園Q」(以下「Q」)だ。

「Q」は前述の「金田一」と同じ原案・作画のタッグで制作されたマンガだ。
さり気なく実写化もしているらしいのだが、僕はマンガで履修した。
短めの内容ではあるが、そこはミステリー作品の黄金タッグによる珠の作品であるから、トリックのレベルに遜色は無い。
一方で「金田一」が高校生が主人公なのに対し、「Q」は小中高生が主人公となっている。
とはいっても扱う事件は殺人事件と変わらず、更には一度見たものは忘れない記憶力を持つ女子学生に惨殺死体を見せる等と結構容赦は無く、他にも主人公陣営の一人の祖父が敵対している犯罪組織のドンだった……のようなエピソードも平気でやってくるので油断は禁物(?)だ。
タイトルにもある通り「探偵の学校」という特殊な設定も独創的で、「コナン」とも「金田一」とも違う魅力を持っている。

次々と起こる個別の事件を解決しつつ、作品全体を通しての物語として暗躍する犯罪組織と対決する――、という構成は「コナン」に近い。
しかし、「コナン」はエピソードの端々で垣間見えては時々組織とガッツリ対面、といった感じなのに対して、「Q」は基本的に組織絡みの事件が連なる中で箸休め的に単話が差し込まれている。
故にテンポよく読み進めることができて、個人的には「コナン」や「金田一」より読みやすいと思う。
強いて言うならば準レギュラー的ポジションが空気になっているのが惜しくて、主人公のキュウらとは別のクラスのライバル学生たちも一癖二癖あって良い味を出しているのに勿体ない。
「コナン」の少年探偵団のような見せ場はテンポの余裕の為せる業前なのだろう。

恒例(?)となった推しキャラの話をしよう。
神隠し村(ひょうたん村?)の澪ちゃん、Aクラスに転校してきた後の邦子、同じくAクラスの桜子、ウーン当然だがメグも可愛い!
最も出番が少ない澪ちゃんが優勝だーッ!

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