謎の彼女X

唾液というなかなか強烈なフェチ要素はあるものの、物語は至って王道的なラブコメディー作品である。
当時の僕は主に学校の友人から録画を借りたりして見ていたのだが、「謎の彼女X」もその一つとしてアニメで履修した。
オタク全盛期だった僕はミステリアスなヒロイン・卜部に対し、当時は萌え・今でいう推しの気持ちでお気に入りだった。
特別心揺さぶられるものではないものの、物語もスッキリしていて見やすい部類だと思う。
「からかい上手の高木さん」のような、ヒロインに振り回される青春モノが好きなら楽しめるだろう。
ただし、物語の要となる唾液にまみれてはいる。

当時で見てもちょっとノスタルジックな絵柄をしていて、キャラクターデザインも何処か懐かしく、言ってしまえば古臭さがある。
そのレトロ感も少しお洒落に感じていて、単純なパワープレイや超常的な異能力ではなく、ハサミを振り回すみたいな設定なのが良い。
リアルタイム当時はアニメ「化物語」シリーズが全盛期で、文房具を振り回す美少女キャラクターといえば戦場ヶ原ひたぎ、みたいな流行りではあったのだが、そちらはファンタジー色が強かったり、そもそも西尾維新先生のクセとシャフト社のクセが強すぎるというのもあって、同じ文房具を振り回すキャラながらノスタルジーは感じないのが不思議だった。

僕は作品を視聴することを「履修」と表現しているが、「謎の彼女X」は必修科目にはなり得ないし、選択必修科目という作品でもない、至って普通な作品である(ただし唾液)。
しかし僕の中では忘れもしない出来事があり、少し全裸シーンがある11話を観ていた時(この頃は勘当される直前くらいの時期)にたまたま両親揃って目撃され、堂々とエロアニメを見ている息子として散々バカにされた。
説明しようにも全裸だし唾液だし何ならタイトルもちょっといかがわしい雰囲気あるし、思春期の男子として非常にキツかった覚えがある。
そのことを今も覚えているかは知らないが、「侵略!イカ娘」の次ぐらいに実家で名を馳せたアニメであった。
みんなもアニメを見るときは気をつけようね……。

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