ARMORED CORE for Answer
僕は2012年頃まではそれなりにゲーム好きだった。
というのも、クリエイター側・アーティスト側としてもっとチカラをいれていくためにはお金と時間と情熱を何処かで節約しなければならず、断捨離したものの一つがゲームだった。
そんなハンパな僕のゲーム歴ではあるものの、「ARMORED CORE for Answer」(※以下「ACfA」)は人生に大きな変換点をもたらしたタイトルである。
当時中学生だった僕は、ガキなので将来のことなどよく考えられなかった。
話は脱線するが、中学生のガキが自分のキャリアデザインなどマトモに考えられるワケがないと思っている。
そんな「進学かーとりあえず行けるトコでなるべく偏差値高いトコに行けばいいでしょ」ぐらいに考えていた僕がテレビで見たのは、巨大なロボットがカタパルトから離陸し、ミサイルと弾丸の入り乱れる甲板を滑っていく姿だった。
クリエイター系の専門学校、HAL東京のCMだ。
そのCMに使われていたのがこの「ACfA」のオープニング映像だったのだ。
火薬と砂埃の匂いがしてくるような迫力の映像に、オトコのコが興奮しないワケがない。
PS3は持っていなかったので、友人とPSP版の過去シリーズをプレイしてはメカへの情熱を膨らませた。
そのうちにロボコンなるものを知り、元よりクリエイター気質の変人で知られていた僕は教員から「高専に行けばそういえのができるぞ」と言われる。
HAL東京のようなクリエイターを目指すことは断固として許さなかった両親だが、高専ならば普通高校に行くよりむしろ良しと言ったものだから、何も知らない少年の僕はそのまま高専を目指してしまったワケである。
元より変わり者だった僕は、高専に行って人生の「普通」から逸れ、その翌年に完全に道を踏み外すことになるのだが、それでもこのゲームには思い入れと青い日の思い出が詰まっていて、僕の人生を語る上では外せないタイトルだ。
高専の友人にPS3ごと「ACfA」を借り、全難易度全ミッションオールSランクまでやり込んだ。
HAL東京のCMであったことからもACシリーズとしても認知度が高いナンバリングではあるが、ゲームシステムやキャラクター・シナリオの面でもとても魅力的なタイトルである。
新システムであったQBというシステムはこれまでのシリーズ以上に爽快感とプレイスキルが楽しめたし、AAは諸刃の剣であり重要な駆け引き要素でもあり、これらはガンダムのファンネル以来の「SFロボットモノの兵器の新開拓」だと思った。
キャラクターもフロムソフトウェア特有の曲者が揃い、思わず言いたくなる名言がこれでもかというほど並び、オペレーターらしからぬオペレーターにハートを射貫かれ、あまりにも難易度の高い最後のミッションをクリアしたときの喜びと衝撃のエンディングにズッシリとした余韻を感じたのである。
HAL東京のCMでも出演している機体、ホワイト・グリントは今でも世界一カッコいいロボットだと思っているし、何かと自分を奮い起こす時は、時に厳しく、時に力強く、そして時に優しく、僕のフロム脳内でセレン・ヘイズがオペレートしている。