ハズビン・ホテルへようこそ

ネットで「最近ハズビンホテル見てるんだ〜」という話を見かけ、確か少し前にYoutubeか何かで出てちょっと話題になったな、「RWBY」みたいに自主制作スタジオみたいな感じたった気がするな、何で今更見てるんだろうこの人結構コアなアニメ好きだな、――と思った。
しかし、ここで作品を思い出したのも何かの縁だと思って調べてみたら、なんとアマプラに出ていた。
「ハズビン・ホテルへようこそ」(以下「ハズビンホテル」)という新たな題(邦題だが)で、TVシリーズが作られたようである。
Youtubeの噂を聞いた時は「RWBY」と違ってガッツリとアメリカナイズなビジュアルだったから、PVみたいなものだけ見て「ウンウン、好きな人は好きそうな作品だね!」とスルーしていた。
ディズニー作品とは違って少しサブカルな趣はあったので、これを機に見てみようと思ったのである。

前置きが長くなったが、物語は簡略すると地獄に落ちる人が多すぎるため、更生して天国に行こうよ!でも天使達は反発するし住人も一筋縄じゃないよ!という感じの作品だ。
そのテーマは結構面白いというか、むしろ日本のサブカルにありそうなもので、スッと入ることができた。

ビジュアルテイストこそある意味親しみがあるというか、アメリカンカートゥーンらしいデザインではあるものの、この手のビジュアルが好きそうなサブカル向きの属性で固まっている。
個人的にではあるが、AV男優のエンジェル・バーテンダーのハスク・何故かラジオボイスのアラスターの3人は特にそれを強くかんじていて、完全な偏見ではあるが「あー、この手の作品が好きな女子に刺さる奴らだ」と思った。
誤解のないよう言うと、カートゥーンとオタク女子の好みのハイブリッドというのは極めてニッチでバランスが難しいと思っていて、それ故に「ハズビンホテル」の中で僕が好きなキャラクターでもある。
特にアラスターはコイツ一人でスピンオフを出しても「魔法少女リリカルなのは」並の顔が出来ると思う。
エンジェルもメインキャラクターの中ではかなり優遇されたキャラクターで、その境遇や交友関係、キャラクター性も含めて魅力的だと思う。
ハスクは比べるとやや活躍も少なく設定も尖ったものではないが、カートゥーンテイストに対するアングラ感が丁度よい塩梅で、支持層は広そうだ。
そしてエンジェルとハスクは薄い本を描く人が何人もいるだろう……描けるなら俺が描きたい。

劇中ではこの手のアニメにはお決まりのミュージカルが入るワケで、一般的には吹き替え版だとカッコが付かない感じになりがちな要素なのだが、これがなかなかイケている。
エンジェルなんかはなかなかスケベな歌声と挑発的なカットに複雑な境遇の演出が入るので、結構満足感がある……悔しいことに。
アラスターも基本ラジオボイスなのでガレージでカッコいい。

面白いか面白くないかで言えば「普通」なのだが、僕の好みではないアメリカナイズなカートゥーンアニメで「普通」の評価をするのは相当だと思っていて、「ハズビンホテル」を観たことで何か人生観に影響があるとか創作のアイデアに栄養が行き渡ったとか単純に感動したとかそういうのは全くないが、エンタメとしてはかなり面白い作品なのではなかろうか。

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