ボヘミアン・ラプソディ
伝説のロックバンド・Queenとそのフロントマンであるフレディ=マーキュリー氏の半生を描く作品として、早々に注目を浴びていた「ボヘミアン・ラプソディ」。
ロックをやっている者として当然ながらQueenは知っているし、アルバムも何枚かあるのだが、僕自身はUSロックが好みなことも相まって、実はあまり知らないバンドでもあった。
履修する前に抑えるものを抑えなければ、と持っていたアルバムを引っ張り出して、Youtubeでできる限りライブ映像を探し、文献こそ漁らなかったがwikiをはじめ様々なブログ媒体を読み、期待の膨らみとともに事前準備をして履修に挑んだ。
先ずはその忠実な再現度に驚いた。
これは世間の評価も一致していることだと思う。
役の作り込みも尋常じゃないが、クライマックスでもあるライブ・エイドの長回しは本家の比較動画まで作られているが、その殆どが最上級に再現しており、カメラワークさえもしっかり合わせた感じがある。
画の中心となるフレディだけではなく、メンバーはおろかカメラマン等のモブキャラクターに至るまで忠実で、それだけでもこの映画を観る価値がある。
これほど忠実に舞台を描き役が演じられている作品は、ドキュメンタリーを初めとした史実に基づく作品の随一だと思う。
それでいて物語の緩急にはメリハリがあり、フレディ氏の浮き沈みはしっかりドラマティックに仕上げている。
役作りも相当チカラを入れていると見え、ライブ・エイドの再現度を考えるに相当な映像資料をかじりついて研究したのは間違いない。
フレディのプライベートのシーンは我々にとって知る術は無いが、その演技に説得力を感じるのはきっとライブ以外も細かい資料参照と瞬きに至るまで神経に演技を宿しているからに違いない。
そして、それらフレディ役に限らず全員がそうだった。
個人的にはロジャー役がお気に入りだ。
数ある名曲がある中から、「ボヘミアン・ラプソディ」をタイトルにしたところを評価したい。
同名の楽曲はレコード会社に売れる物(マーケットイン)を作れと言われながらも、徹底的に真逆の路線の楽曲を作り、己のロックを貫いた楽曲である。
曲調としてはロックではないものの、それでも高い評価と支持を受けた楽曲でもある。
伝説的バンド・Queenの歴史としても、そして本作の主役であるフレディ=マーキュリー氏の生涯として見ても、これ以上ないくらいピッタリで、この映画を表すに相応しいと思う。
劇中で同曲のレコーディングがあったと記憶しているが、そこが一番テンション上がりました(笑)。
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