13日の金曜日(2009年版)

「13日の金曜日」といえば、誰もが知るスリルホラーの金字塔だ。
シリーズ化は勿論、今でもゲームのコラボタイアップ等の話を聞くし、そもそもこの手のスリルホラー・サイコホラーは大なり小なりほぼ必ず影響を受けているだろう。
そんな名作を未履修なのはニワカということで多目に見てほしいところなのだが、シリーズの順序はちょっと分かりづらい。
「アベンジャーズ」もそうなのだが、シリーズが長いにも関わらず、話の順番が分かりづらいものは忌避する傾向にあって、これまでちょっと避けていた。
今回も「初代のリメイクだろう」というつもりで履修したのだが、どうやらリメイクではなさそうで、リブートに近いように感じた。

ジェイソンに襲われるスリルこそ流石の貫禄があるものの、僕にとって面白いと感じるシーンがあまり無かったのも事実である。
それを言ったら元も子もねーだろという話だが、あれだけクリスタルレイクが騒ぎになっていて、精鋭の警官40名を動員しておいたなら、ジェイソンと接触しないワケがないのである。
冒頭の人であろうおばさんとも接触があるだろうし、大麻売りを持ちかけたオッサンも遭遇していたハズで、なんだか腑に落ちない。
友達と遊びに来ていたのにちょっと不憫に思った程度の関係であるハズのジェンナが主人公にずっとついて回るのもご都合が露骨で気になってしまった。

そしてこれは勝手なイメージだが、スプラッター映画の類にはあると思っていたので、意外とフツーな連続殺人劇なのも拍子抜けした。
その理由としては完全に僕に非があるのだが、チェーンソーのイメージがあったのだ。
後々調べたら「レザーフェイス」という別の作品とのことで、また履修予定の作品が増えてしまった。

金字塔とはいえスリルホラーということもあって、ストーリー性も薄い(シリーズで見ればまた違うのかもしれないが)。
一人、また一人と脱落者が出て恐怖の迫りくる様子も味気なく、スリル感であれば「ドント・ブリーズ」の方が圧倒的に評価できる。
であれば、いっそ盛大なスプラッターである「クライモリ」の方が見応えがあったな、とも思ってしまった。
勿論それらは元祖「13日の金曜日」にインスパイアを受けていることは間違いないと思うので、あくまで礎を築いたという意味の名作であって、色褪せない魅力を持つ名作ではない、というのが僕からの総合評価だ。

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