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それは何のためにやるのか

昨今活動内容が大きく変化してきたせいか、これまで交流のあった方達がいつ間にか離れたり、新たな出会いに恵まれたりと目まぐるしいスピードで環境が変わっていくのを実感しています。


DJ配信、ギフティング、サブスクリプション等これまでやってこなかったことへのチャレンジにより、ついていけない・変わってしまったと思われることもあると思いますが、
ここ一年私が考えてきたことをお話ししたいと思います。


来年の春頃完成を目処に、コスプレ写真集の制作を進めています。
福岡県まで遠征し、心からリスペクトする友人のカメラマンと共に、東京リベンジャーズの壱番隊をテーマにした一冊にする予定です。
ここまで根性を入れて作る写真集は今回が最後かもしれないという想いで、企画を温めています。


「1人でも多くの方にこの写真集を手に取ってほしい。」
ロット数を増やすことで、紙や材質、ページ数含め納得のいくものを作りたいという目標が、
今の私の行動に全て繋がってきています。


なぜオフラインの媒体と現在の活動が結びついているのかというと、
3年前に製作した弱虫ペダルのコスプレ写真集を頒布した時に頂いた言葉が強く印象に残っているからです。


弱虫ペダルというと特に人気のある箱根学園と、主人公が所属している総北高校、コアファンの多い京都伏見などは読んだことがなくても知っている方も多いと思います。
ですが私が作った写真集は、呉南工業という少しマイナーとして扱われるキャラクターのものでした。
コア層の熱いファンがいるキャラクターではあるのですが、題材からしても当初そんなに購入してくれる人がいるとは考えていなかったのですが
結果としては想定していた3倍の部数まで増刷することになりました。


イベントで頒布した際、正直「この人が私の写真集を買ってくれるのか」と驚いた方が数名いました。
(絶対買う、と言ってたけれどパタリと連絡が取れなくなった人もいましたが、それは置いといて笑)
普段SNSで密な交流があるわけでもなく、クオリティも大変素晴らしいものを作っている方ばかりで、思わず「どうして買ってくれるのですか」と聞いてしまいました。
「だって、頑張って作っているのを見ていたから。本当に欲しいと思った。」
意外な返答に、当時の私には目から鱗でした。


確かに写真集の制作過程を載せたり、プロローグとして連載をしてみたり、興味を持ってもらえるようなアプローチには取り組んでいましたが
恐らくその方は「いいものだから買う」(それも、なくはないと思いますが)というよりも、「この人から買いたい」という気持ちで買ってくれたのだと気がつきました。


二次創作の写真集を頒布する上では、数々のハードルがあると私は思っています。


イベントで買う場合、混雑した会場へ赴き、入場料を支払って参加しなければなりません。
通販サイトを利用する場合、個人情報をそこに登録し、送料まで負担して発注します。学生さんの場合、親御さんに頼んで買ってもらうこともあるかもしれません。お小遣いやバイト代から買ってくれる方もいるかもしれません。
Twitter,TikTok,Instagram色々な媒体で告知を出したとしても、そこに貼られたリンクを押してくれる人さえ、フォロワーさんのうちの数パーセントであろうと思います。

また、コスプレという文化が昔より多くの方が楽しむ趣味になったことにより、衣装屋さんも増え安価で高品質なものが手に入るようになりました。
そうなると、SNS上で容姿を比較されたりという場面がどうしても増えてきたように思います。
いいねやRT、フォロワーさんの数など数値を見て一喜一憂する人も多いのではないでしょうか。

私自身、素敵なコスプレイヤーさんと自分とを比較して「もうこのキャラクターやりたくないな」と思ってしまうようなこともたくさんありました。

でもここで見誤ってはいけないのは、私の目標はいいねやRT、フォロワーさんの「数」を増やすことではなく
「自分が思う最高の写真集を友人と制作し、それを1人でも多くの人に手に取ってもらう」ことです。

フォロワーさんの数だけ多かったとしても、その目標にリーチしなかったり、
ミュートされてしまったりしていては本末転倒なのです。
(必要なツイート以外はほとんどしなくなったのも、実はそれが理由です)


そして一見反応がもらえているように見えたとしても、熱中して見てくれる人は3分の2の割合で入れ替わっていくと言われています。
推しマークやアイコンなどアピールをしてくれる人たちがどれだけ居たとしても、
その方達にも日々の生活があり、たくさんの好きなものがあり、その他外部的な要因で付いては離れていってしまうことを止められるものではないと思っています。
(それでも何年も見て下さってる方もいて、本当に感謝しかありません。本当に有難うございます。)


また、マーケティングで「コンバージョンレート」というものがあります。
コンバージョンレートとはサイト・ページを見ているユーザーがどれだけ自分の成果としている目的にリーチする行動を取ってくれているかの指標です。
出版においてはコンバージョンレートの2倍の部数が適正部数と言われています。

弱虫ペダルの頃、私の写真などにエンゲージメント(いいね、RT等)をくれた平均が大体40件ほど
結果として印刷した部数が120部、うち20部くらいは協力してくれた友人にお礼としてプレゼントしたことを考えると、
コンバージョンレート×2というのは割と的を得ている数値なのだと思います。

「いいものだから買う」であれば、世の中にある色々な商売において苦労はないと思います。
私の場合、「この人から買いたい」と思ってもらえる人にならなければなりません。
適正な発行部数の見極めもしなければいけないなど、目標に対して逆算していった結果、今の活動に結びついてきました。


なので、昨今の活動を見た時に「なんだか昔と変わってしまったな」など思われる方もいるかもしれません。
ですが私としては、弱虫ペダルの活動をしていた頃からなんら根っこは変わっていないつもりです。


最後に、配信を通して知り合った男性リスナーさんから頂いた印象的な言葉についてお話ししたいと思います。
「写真集は今からでも予約できますか」とDMを頂きました。
「完成が近くなったらご連絡を差し上げることはできますけど、男装の写真集ですよ」と返信したところ
「男装とか関係なくあなたがそれだけ頑張って作った写真集だから欲しいんですよ。好きなことだけ詰め込んで忖度なしで作って下さい。」とのことでした。


好きなことの純度を上げるって、案外自分で知らず知らずに妨げてしまっていることがあります。

いよいよ8月も終わり、配信活動も大事ですが目標達成のための準備も頑張ります。

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