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意外と知らない紙の話#05 紙の色の違い

こんにちは。WRAPALLETです。

皆さまは、同じ色紙なのに、少し違う色に感じた経験はありませんか?

赤、青、黄など、そもそもの染色が異なる場合はわかりやすく見分けがつきますが、同じ色の紙でも少し異なった色に見えて不思議に感じたことがあるのではないでしょうか。

そこで今回は、意外と知らない『紙の色の違い』に関してお話していきます。


そもそも紙は白色ではない

一般的に、紙の原料が木だということはご存じかと思いますが木は白いでしょうか?いいえ、茶色ですよね。
ですので、紙をつくる原料(パルプ繊維=以下パルプと表記します)を木から抽出しても白くはありません。
色を付ける為には先ずパルプを白くしなくてはならないんです。

紙に色をつけるまで

簡単に説明するとパルプの元になるチップ(木を細かく砕いたもの)を煮たり、洗ったり、ゴミを取り除いたりと少しずつ綺麗にした後、漂白していきます。
こうして漂白したパルプに染料を混ぜる事で、ようやく色がつけられます。「紙に色を付ける」これだけ聞くとなんだか簡単なような気がしますが、紙に色を付けるまでにはとてもたくさんの工程があるのです。

紙を作る工程については、動画で分かりやすく解説しているHPがありますので、詳しくは日本製紙連合会さんのHPをご覧ください。

同じ木はふたつとないように、色も異なる

日本製紙連合会さんのHPでも紹介されているように、多くの工程を経てできあがった「漂白されたパルプ」に染料を混ぜる事で色紙は完成します。
では何故、色紙の色を一定に保つことが大変なのでしょうか。

答えは「木が自然物だから」です。
紙の原料となる木は自然の物なので、同じ木は1つとして存在しません。
何千、何万の木からパルプを抽出しているため、ベースとなるパルプの色味も毎回異なり、たとえ漂白をしたとしても微妙な違いはどうしても生まれてしまいます。

色紙を作るためには、このように微妙に白さの異なるパルプに合わせて、同じ色になるよう、染料のバランスを毎回計算しながら染めていかなければなりません。
全ての紙がぴったり同じ色にならないのは、このような理由があるんです。

紙の色の差が出るのは、紙業界では常識

紙業界では製造ロットごとに色に差が出るのは常識で、決められた範囲の中に色の差(色差)が納まっていれば品質に問題はないということになっています。
私たちにとっては常識ですが、ユーザーさんから見れば「なんで色が違うんだ?」というご指摘を受けることが多々あります。
そんなときは、メーカーから色差が許容範囲である、という報告書をもらってユーザーさんに説明するのですが、ご納得頂けない場合もあり、苦慮するところです。

紙という素材の特性として、有機物に色をつけていることをご理解いただけるよう、紙の特性について発信を続けていければと思います。

ちなみに、白にも様々な白色があります。
生成りに近い白、雪のような白、少し青みがかった白、などなど。
もちろん、白も染料で染めています。

PALLET PAPER(パレットペーパー)の色

富国紙業のパレットペーパーに使用しているダンデレードCoCの白は、白色の中でも雪のような白で、ほんの少し青み傾向を持ちます。
様々なインクの色の再現がきれいに見えるような白を目指して生産しています。

もう一種類のサンシルキーCoCの白は、さらに青みが強めの白です。
ビジネスシーンにおいて、青みががかった白は高級感を感じさせるという歴史があります。
これまで積み上げてきた「高級感を感じさせる白」を目指して生産しています。

ぜひ気になった方はお手に取っていただければ幸いです。

おわりに

今回は紙の色の違いに関してお話させていただきました。

木がひとつとして同じものがないように、そこから生まれてくる紙も
ひとつひとつ個性を持っています。
今後は、紙の色の違いも1つの個性だと思って楽しんでいただければ幸いです。

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