私が初めて私を実感できた街、清澄白河@202号室ちひろの部屋
2017年5月私は人生で初めての引っ越しと一人暮らしをこの街『清澄白河』で始めた。
それから丸5年。
学生の次に青春時代と思える時間をこの街で過ごすことができた。
この街に住もうと思ったきっかけは家族で毎年恒例だった初詣の帰りに寄ったことだった。
旧三菱財閥の岩崎弥太郎によって作庭された「清澄白河庭園」。そして下町ならではのあさりがたくさん入った「深川飯」。
まだブルーボトルができる前の街は静かで綺麗で、でも温かい印象を受けた。
やがてブルーボトル一号店ができ、材木置き場の倉庫が残るこの街の特性を生かし、お店で焙煎する珈琲屋さんが沢山できた。
新旧が混在し緩やかに変化を遂げる街に魅力を感じていた。
一人暮らしを始めることを反対していた母も、
一度家族で来たこの街を気に入り、この街に住むならと許してくれた。
それから5年。
たくさんの友人を呼び、街を散策し、ひとりラーメンもひとりバー体験もした。
ぼーっとできるお気に入りの場所をたくさん見つけた。
木場公園の橋から東京の街を見ること、
家の近くの橋から川越しにスカイツリーを見ること、
図書館の近くの公園で本を読んだり、
隅田川まで自転車を走らせ川を眺めたり、
自分が自分らしくいられる街だった。
コロナ禍でここ2年、引きこもりがちだったけれど、
街には雑貨屋さん、食器屋さん、美術館があり、
文化やデザインに溢れ、
少し息抜きで外に出るだけで心が満たされた。
今日はここのコーヒーを飲もう、
そろそろあそこのコーヒー豆が切れた。
たくさんいろんなお店のコーヒーやカフェラテを飲んだ。
私の心をたくさん保ってくれた。
今、清澄白河を離れて1ヶ月。
まだ、自分が心安らげる場所を見つけられずにいる。
だから余計清澄白河の良さを実感してしまっている。
ひとり暮らしをして初めて本当の自分を見つけられた街。
自分を好きになれた街。
そんな風に思わせてくれる『街』はそう多くはないだろう。
私にとってこの5年はかけがえのない5年間だった。
清澄白河、ありがとうございました。
月に1回は一人で自分を取り戻しに行こうかな。
でも今住むこの街でもそろそろそういう場所を見つけたい。
202号室ちひろの部屋