『地方創生×eスポーツ』の作り方
さて今回の内容は、そこそこニーズのある話じゃないかなと思います!
■はじめに
先に自己紹介をしておくと、ボクは大阪府泉佐野市の「eスポーツ先進都市計画」の担当プロデューサーをしておりまして。
南海電鉄さん/eスタジアムさんと力を併せて「eスポーツキャンプ」というイベントを2022年8月に実施しました。
まさに地方創生×eスポーツのど真ん中を行く取り組みかなと思ってます。
弊社ごとながら、先日eスポーツ業界セミナー的なものを開催しましたが、その際に「地方創生×eスポーツ」に興味を持っている来場者の方が結構多い印象でした。
なので今回はeスポーツキャンプを思い返しながら、「地方創生×eスポーツ」の作り方についてまとめていきたいと思います。
もちろん、実際の動きやプロセスは機密情報なのでお話出来ませんが、企画(eスポーツキャンプ)を作った時のプロセスを体系的にまとめていきます。
※eスポーツに限らず企画の作り方を勉強したい人の参考にもなるかもしれません
■企画の組み立て方
あまり長くダラダラと書いてもアレなので、端的にいきます。
目的を明確にする
まず最初にやる事で且つ一番重要なのがコレ!
絶対に「eスポーツをやる事が目的」ではないハズです。
「会社のミッション」
「事業部の目標」
「解決したい課題」
本来自分たちが叶えたい目的がある。
「その目的を達成する為にeスポーツをどう活用するか?」が何よりも重要で、全ての企画の基盤となる部分です。
※全ての施策は"目的"に紐づいて設計します
泉佐野市が抱えている課題は何か。
この課題の解決を企画の目的として置いています。
目標を決める
目的を定量化したものです。とは言っても場合によっては定性的なものを置く場合もあります。
何を達成出来ればこの企画が成功と言えるのかを決めておくって事ですね。
ターゲットを決める
目的/目標を達成する為には、誰をターゲットとするのが最も効果的であるか。eスポーツキャンプの場合はわかりやすく「高校生」がターゲットですが、その背後にいる「保護者」などもターゲットに入ってきたりします。
ターゲットの興味関心
これも結構重要。
ターゲットを決めたら、その人達が潜在的にどんな欲求を持っているのかを挙げていきます。欲求には色々あって、ポジティブな欲求もあればネガティブな欲求もあります。コンプレックスや悩みを改善したいって欲求とか。
これを正確に掴む事が出来ると、彼ら彼女らに対して何を提供してあげるべきかが見えてきます。
ちなみにこの時点ではeスポーツ軸では考えていません。
与えたい価値を決める
上で挙げたターゲットの興味関心ほとんどそのままです。
今回の企画を通じてターゲットにどんな価値を与えるのか。
例えばeスポーツキャンプで言うと、「大人になった時に懐かしめる思い出の地を作る」とか「心の拠り所となる第二の故郷を作る」みたいなものが含まれていたりします。
だから、企画を終えた時にターゲットがそう思えたら成功だし、そう思えなかったら失敗ですね。
強みを明確にする
自分たちが持っている強みは何か。今回の場合は泉佐野市が持っている武器や強みを明確にしておく事ですね。
これをちゃんと明確にしておく事で、「この企画は泉佐野市がやる意義がある!」「泉佐野市だから効果を発揮出来る!」といったものになります。
実際に何をやるか
ようやく施策の話です。
ここまで整理してきたものを、自分たちの強みを活かしながらeスポーツで実現するには何をするのが良いのか。何をすればターゲットが欲している欲求を満たす事が出来るのか。そして目標/目的を達成する事が出来るのか。
泉佐野市ではここが「eスポーツキャンプ」に着地したって事です。
■良い企画と悪い企画の差
結局この思考のプロセスを踏んでいないと失敗する確率が上がります。
ありがちな失敗例は、課題抽出で目的がわかったらすぐに施策の会議を始める事です。もっとダメな失敗例は、いきなり「何をやるか」の会議を始めてしまう事です。
「これ面白そう」
「あれやってみよう」
という施策の会議は楽しいし、やった気になれます。たまたまホームランが打てる事もあるのが厄介で。
けれどそれはラッキーパンチでしかなくて、打率は上がらないです。
課題/目的があって、目標を設計して、ターゲットを決めて、ターゲットの興味関心を洗い出して、「泉佐野市を第二の故郷と感じる」状態を作る為に、泉佐野市の武器を使って、eスポーツキャンプという手段に至った。
これがeスポーツキャンプが生まれるに至った思考のプロセスです。
これらはマーケティングの基本的なフレームワークに当てはめてるだけであって、今回が特別な訳では無いです。どんな企画でも踏むべきステップです。
■あとがたり
ボクの場合は元々プライベートで「Jリーグコミュニティ×地域活性化」みたいな事を趣味でやっていたので、こういった施策作りは結構バリュー出せます。
「eスポーツでこれをやるんだ!」と決まっている場合は良いですが、「eスポーツで何をすれば良いかわからない」という場合は相談いただければと思います。
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