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【動画付き】44名の男女高校生eスポーツ合宿の舞台裏

つい先日久しぶりに外で大きなイベント『eスポーツキャンプ』をプロデュースしてきたのでそのお話です。

■eスポーツキャンプとは?
8月22日~25日の3泊4日で、大阪府泉佐野市りんくうタウンを舞台に開催されたeスポーツ合宿。
採用タイトルは「VALORANT」で高校生のみ参加可能。
泉佐野市が主催となり、ウェルプレイド・ライゼストと南海鉄道のタッグでイベントの企画/制作/運営。
個人応募で参加者は44名。
運営にて5人1組のチームに分けられ、そのチームで4日間を過ごす。各チームにはトレーナー1名+運営スタッフが付いてサポート。

イベントのレポートについては色んなメディアさんがまとめてくれていると思うので、そちらを読んでいただければと思います!


eスポーツキャンプを取材に来たメディアや視察に来た大人たち皆さん口を揃えて「凄いですね…」と目を丸くしていました。

今回は、どうして大人たちの心を撃ち抜いたのかを、表からは少し見えづらい舞台裏の視点でお話ししたいと思います。


鍵を握ったのはトレーナーと専門学生

チームのメンバーにプレイのフィードバックをするトレーナー

今回のイベントでは、各チームにつき1人の"ゲムトレ"のトレーナーがついてサポートしてくれる形でした。

■ゲムトレ
ゲームにおけるオンライン家庭教師サービスを展開。
様々なゲームの講師となるプレイヤーが所属しており、ゲームの上達を指導/サポートしてくれる。

https://gametrainer.jp/

このトレーナーの年齢はだいたい大学生くらいの方が多く、今回の参加者である高校生からすると少し歳上のお兄さん/お姉さん

さらに、各チームには運営スタッフもサポートとして張り付いており、彼らは「OCA⼤阪デザイン&テクノロジー専⾨学校」の学生さんたち。

こちらもまた、参加者のちょっと歳上のお兄さん/お姉さん。

参加者が最適な環境でプレー出来るようにサポートする

さらにさらに!
今回提供された昼食と夕食については、全て大阪調理製菓専門学校の学生さんと先生が提供して下さいました。

我々スタッフも同じ食事をいただくんですが、むちゃくちゃ美味しかったです!

食事は会場の厨房で調理したものを配膳してくれる


皆さん素晴らしい活躍をしてくれて、ゲームに打ち込む後輩たちに寄り添ってサポートしてくれました。

トレーナーは自分の担当チームの試合に一喜一憂し、OCAさんは困っていそうな参加者に積極的に声をかけ、大阪調理製菓専門学校さんは配膳の時に参加者に好き嫌いなどを聞いたりコミュニケーションを取ってくれました。

なのでイベント後半には、皆さん参加者と凄く仲良くなっていて、信頼関係を築いていました。

大会やイベントを運営する時に参加者と信頼関係を築くのは本当に大事な事で、ナーバスになりやすい参加者の感情をケアしやすくなります。

彼ら自身も参加者の子たちに慕われて、仕事なんだけれど参加者と一緒に楽しむ事が出来たみたいです。

本当に助かりましたありがとうm(_ _)m


「配信無し」に込められた狙い

会場中央のモニターで決勝戦の模様を観戦

今回のeスポーツキャンプは、LIVE配信がありませんでした。
実はそれって今のeスポーツ業界だとちょっと珍しい事です。

もちろん配信が無いイベントもありますが、規模が大きくなればなるほど配信はセットになってきます。

理由はいくつかありますが、最も大きい理由はお金の出処だと思います。

殆どの場合は主催がゲームメーカーorスポンサーor事業会社であり、大会/イベントを主催する目的はプロモーションである事が多いです。
つまりは配信して多くの人の目に触れ、サービスの認知を拡大していく手段としてeスポーツ(配信)を行っているケース。

しかし今回は主催が「泉佐野市」という行政です。

もちろん露出が増えて市外からこの土地を訪れる人が増える事を市も望んでいますが、今回のイベントの目的はそこではありませんでした。

今回のテーマは「泉佐野市を第二の故郷と感じてもらう」です。

昔行った旅行先や合宿地って、ずっと覚えてますよね?
久しぶりにそこに行くと「懐かしー!」ってなりますよね?

そういった「心の距離が近い状態」が"第二の故郷"と呼べる状態かなと個人的には思っています。
その状態を作るのが今回のeスポーツキャンプのテーマなのです。
(ちなみにボクは第二の故郷的に感じている場所は5箇所くらいありますw)

配信をすると少なからず意識を「配信視聴者」に向ける必要があります。
イベントの構造を配信向けに作る必要が出てきます。

でもそうするとどこかで「参加者には不便をかけるけど…」が発生しちゃうんです。

それをしたくなくて今回は配信なしの決断をして、撮影チームを別で入れる事にしました。
※今回のイベントの映像は編集して後日公開予定です

これによって全ての関係者が、参加者44名の満足度を最大化させる事にコミット出来たので、より愛の深いイベントになったんだろうなと思っています。


参加者が成長していった

チームメイトとグータッチで鼓舞し合う参加者たち

当たり前の話ですが、参加者には色んな子達がいました。

VALORANTの実力も本当に様々で、始めてたった2ヶ月の子もいれば、つい先日STAGE:0という全国高校対抗の大会で優勝している子もいる。

性格だって積極的に話せる子もいれば、かなり消極的でほとんど喋らない子もいる。

初日に実力テストを経てチーム編成が発表されて、3泊4日を過ごす仲間が発表される。

最初はそれこそ様子を見ながらゲームをプレイしていく。

しかし、トレーナーやスタッフの助力もあって少しずつ会話が増えていくと、次第に声が出るようになる。
会場の裏手に居ても聞こえてくるくらいに「ナイスー!!」の叫び声が轟き、会場に足を運ぶと隣のプレイヤーとグータッチしている。

全然喋らなかった子も最終日にはチームメイトと声を掛け合うようになっていて、明らかに人間として成長している姿が見受けられました。

イベント終了後にTwitterで、「普段口数が少ない息子が"行ってよかった"と沢山の思い出話を聞かせてくれた」と親御さんの感激の声も見かけました。

イベント終了した翌日にこのnoteを書いていますが、今もDiscordでは参加者たちがボイスチャットに集合していますw

ゲームの実力も勿論向上したと思いますが、何よりもこういった人間的な成長にこそ大きな価値を感じています。

※ウチのスタッフは接戦を戦い抜く高校生たちを見て涙してましたw


これからの事

今回のイベント終了直後に、泉佐野市の記者発表会に出席させていただきました。

その際にメディアの方から「今後親御さんの理解を得ていくのが重要かと思いますが、それに対する施策はありますでしょうか?」という質問をいただきました。

その時受け答えしながら「あぁコレしか無いよなぁ」と思った事を最後にまとめておきたいと思います。

結論「そんな上手い方法は無くて地道にやるしかない」が答えです。

この質問は言い換えるとつまり「親御さんの信用をどう得ていくか」になると思います。
しかし、人の信用がいきなりMAXになることって無いじゃないですか。

信用って積み重ねじゃないですか。

今回の第一弾の取り組みは、信用を得るに足るものだったかなと思っています。
これをどれだけ続けられるか。どれだけ改善し、積み重ねていけるか。
それにかかっていると思います。

今回のeスポーツキャンプは第一弾。
始まりに過ぎません。

記者発表会で2023年度/2024年度の構想が発表されました。
素敵な未来を迎える為に、この物語を頑張ってプロデュースしていきたいと思います。


動画はコチラ!


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