経営理論-リアルオプション理論

<リアルオプション理論とは>

「事業環境の不確実性」を活かす事業計画・評価法である。


事業評価の定番はDCF(ディスカウント・キャッシュフロー)であり、将来その事業が生み出すであろうキャッシュフローにより事業価値を評価する。

それに対してリアル・オプションは事業環境の不確実性を盛り込んで評価できる部分で革命的であった。


<リアル・オプションの概要>

リアル・オプションの事業計画評価法では小さい費用で作って、とりあえず事業を始める。そしてやはり市場成長性が高い(ニーズがある)と判断したら、追加で増築する方法。逆に将来性がなければ、小規模で事業を続けたらいい。

メリット1:ダウンサイドの幅を抑える

メリット2:アップサイドのチャンスを逃さない

メリット3:不確実性が高いほどオプション価値は増大する

メリット4:学習効果


<今後はますますリアルオプション理論が重要になると思われる>

・リーンスタートアップ 「不確実性の高い環境下では、とりあえず実用最小限の機能の製品を作って売り、市場の反応を見て製品を変えながら再投入するサイクルを繰り返すべき」

・ディスカバリー・ドリブン・プランニング(discovery driven planning)  「高い不確実性下での事業計画では、将来の市場規模・市場価格・顧客の嗜好などの計画の前提を全て洗い出し、事業が始まって不確実性が下がったら、その度に前提を見直して計画をなり直す」


<リアルオプション戦略はいつ有効なのか>

1.投資の不可逆性が高いこと

2.オプション行使コストが低いこと

3.事業環境の不確実性が高いこと


<不確実性とは何か>

内生的か外生的かに分かれる。

外生的は企業が自らの努力では低下させることができないタイプの不確実性でリアル・オプションが有効。逆に内生的な不確実性は努力次第て下げられるので必ずしも有効とは限らない。


<結論>

事業環境の不確実性を見抜く力が最も重要。

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