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約束のネバーランドに見る「保育」


先日約束のネバーランドを見た。

もちろんアニメで。

もちろんというのは、僕は漫画やドラマといった映像コンテンツの中で、とりわけアニメが好きだという話を、このnote上で散々しているからである。


約束のネバーランドというのは、とある孤児院に住む、40人近くの0~12歳近くの子どもたちと、「ママ」と呼ばれる女性の物語であり、子どもに里親が見つかるとその子どもは孤児院から出ていく決まりなのだが、実は孤児院から出ていく子どもは「家畜」であり、外の世界の「鬼」と呼ばれる化け物に差し出すために育てられていたのであった。それを知った11歳のエマ、ノーマン、レイの3人が、「ママ」であるイザベラを出し抜いて孤児院から脱出するために奮闘する、というストーリーである。


見どころはたくさんあるのだが、その中で、僕が注目してほしい点が1つある。




イザベラの「保育力」である。



先述の通り、イザベラは約40人近くの小学生以下の子どもたちを1人で保育しているのである。

6歳以上の小学生はまだ分かる。

小学校でも1クラス40人弱を担任の先生1人で見る、というのはよくあるからだ。(それでも十分大変ではあるが)


軽く見積もっても15人くらいいる未就学児を1人で保育、教育している、イザベラの「保育力」。



僕はアルバイトで、学童保育の先生と保育園で保育補助をしている。

小学生50人近くを6,7人で見守り、1,2歳児6人を3人で保育している。





イザベラの「保育力」。





この凄さがお分かりいただけただろうか。


ストーリーとしては、イザベラは「鬼」に差し出すために子どもを育てている。見ていて心に来るものは小さくない。

ただそれを凌駕するイザベラの「保育力」。


赤ちゃんのおむつがえ。

赤ちゃんの食事の補助。

赤ちゃんの夜泣きへの対応。

乳幼児のトイレトレーニング。

乳幼児のつかまり立ちの危険への気配り。

幼児の自我が芽生え始めた時の教育。

小学生の喧嘩の仲裁。

子ども全員の食事の準備。






イザベラの「保育力」。







これだけで十分すごいのだが、もう一つイザベラの凄みがある。



子ども全員から好かれている、という点である。



これは皆さんにも心当たりがあるかもしれないが、親戚の子どもでも、あの子は自分に懐いてくれているが、あの子は自分のことを苦手だと認識しているかもしれない、ということがある。

これは一応「先生」と呼ばれる大人たちにも当てはまる。


先生としては皆それぞれ特性があり、良さがあり、全員の子どもに愛情を注いでいるが、子どもからしたら、あの先生の距離の詰め方苦手かも、とか、あの先生と何喋っていいかわからない、とか、おとぎっちょイケメンじゃない、とか、子どもたちの中で思っていることが必ずあるはずなのである。

全ての子どもから好かれる、ということは非常に難しいこと、いや不可能なのである。

これは誰が悪いということではなく、人間である以上好きな人苦手な人がいて当然であると僕は考えるので、それを踏まえた人間関係を構築すべきだと思う。


ただイザベラは全員から好かれているのである。

この凄み、分かっていただけただろうか。


兎にも角にも、約束のネバーランドというのはとてもいい作品で、イザベラの「保育力」は作品の良さを上回る、ということだけ覚えていて欲しい。


イザベラがやっていることは到底許されることではないが、イザベラの「保育力」だけは、認めざるを得ない。





イザベラの「保育力」。

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