妄想から実行へ
ポッポー
今日も遠くで電車の警笛が聞こえる。
その度に私の心は遥か遠くへ旅に出る。
ここではないどこかへ
魂だけが体を取り残して
勝手に乗っていく。
ポッポー
何をしていてもその音は
かすかに私の耳に必ず届く。
今ここを通ったその列車は
一体どこへ行くのだろう。
どんな人達がどんな装いでどんな気持ちで
その電車に乗り合わせているのだろう。
ある者はきっとワクワクして
またある者はつまらない日常の移動手段として
その電車に揺られていくのだ。
ポッポー
今日も遠くで電車の警笛が聞こえる。
何をしていても私の動きは必ず止まる。
ポッポー
私はその音に想いを馳せる。
私の旅心に火をつけて
見えない車両は今日もどこかへ走り去る。
そうだ、いつの日か私も
その列車に乗ればいいのだ。
その、ここから見えない駅まで行って
警笛と一緒に消え去ればいいのだ。
その遠くないはずの駅は
誰でもが行ける場所なのだから。
そうだ、そのいつの日かが
今日になる日を作ればいいのだ。
そうすれば初めて
私の心と体が一緒にどこかへ行けるのだ。
いつも乗り遅れていた私の体も
素敵な旅行に連れて行ってあげよう。
デイドリーミングがいつか
本当のトラベリングに変わる。
妄想から実行へ。
それを実現できるのはこの私だけ。
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