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ルヴィアの本の虫

ルヴィア人はUFOに乗って宇宙から地球へとやって来る。そして地球上にある本をキャトルミューティレーションし、そこに書かれているものごとを概念ごと奪ってしまうのだという。

美しい男が白い綿を口に運ぶ。
あれはラーメンのような味で絶品だ。
君の分もあるから一緒に食べよう、男は優しげに微笑む。
そこで俺は気づいた。
今まさにルヴィア人に○×△が攫われようとしていると。
このままでは○×△は永遠に食べられなくなってしまう。
深い夜色の空から光り輝く円盤が現れる。
円盤から地上に降りてきた光が本を白い綿をゆっくりと吸い込んでゆく。

そこで目が覚めた。

こんな夢を見た。
支離滅裂、意味不明である。なんだルヴィア人って。
でも円盤が光とともに何かを吸い込んでゆく情景はリアリテイ抜群であった。それなりに設定も語られた。タイトルまで浮かんだ。

物語の主人公は美しい男のことも、ラーメン味の綿状の食べ物も好きなのだろう。でも取り上げられてしまった。その存在も、物語ごと、すべて。
ルヴィア人、恐ろしい悪党である。
今この地球上で彼らの存在や、ラーメン味の綿を知る者は、たまたま夢の中で目撃した私と、この文章を読んでいるあなたくらいである。

皆も気をつけた方がいい。知らずしらずのうちに何者からか奪われているものがあるかもしれない。ある深夜3時のことである。

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