作品補正の話 その1
作品補正という言葉をご存知でしょうか。
アニメ・ゲームのテーマソングなどコンテンツに付随する音楽が、その作品そのものとの相乗効果で音楽単体では得ることのできない感情、つまりは音楽にバフがかかるといった意味です。
アニソンよりもゲーソン界隈でよく目にする印象があります。
似たような言葉に、感受性豊かな昔に触れた作品は、美化がかかって面白かったように感じる『思い出補正』があります。
思い出補正が
思い出 → 作品
とバフがかかるのであれば、作品補正は
作品 → 音楽
という構図でしょう。
本来、アニソンゲーソンとは作品を彩る一部の要素にも関わらず、立場が逆転して作品で音楽を彩るというのは斬新で面白い。
今回は、僕の好きなエロゲソングを作品補正の視点からご紹介しようと思います。今回は第一弾。
この記事を読んで曲と作品はもちろん、作品とテーマソングの相乗効果の力に興味を持っていただければ幸いです。
Lasting Moment(Summer Pockets/鈴木このみ)
初っ端から申し訳ないのですが、サマポケは全年齢向けゲームなので厳密にはエロゲソングではありません。大パチこきました。
この辺の線引きって難しいんですよ。アニソンメドレーを謳っておきながら平気な顔でHesitation Snowを入れる奴は僕が責任を持って始末するので許してください。
サマポケのノーマルEDであり、僕が夏に聞きたい楽曲No.1です。
新島夕先生の書くノスタルジーある歌詞、爽やかなメロディ、鈴木このみの力強く通り抜ける声と、曲単体でも素晴らしい。
この曲の作品補正ポイントは『雰囲気』
サマポケ自体が夏休みを田舎の島で過ごす、というもの。
EDにこの曲が流れることで、鳥白島で過ごした日々がフラッシュバックしてきます。
エンディングムービーで淡い色の背景CGがただ淡々と切り替わるだけなのもなお良し。
そして、『Summer Pockets』という夏休みを過ごしたプレイヤーに、夏の終わりを告げるわけです。Lasting Momentが喪失感を彩ります。
僕はサマポケという作品自体雰囲気ゲーの面が強いと思っています。
もちろんシナリオも素晴らしいですが、鳥白島取り巻く音楽、CG、キャラクターすべてが、極限まで美化された田舎の島を構築します。その一体感が作り出す雰囲気が本当に良い。実際に日本の田舎が鳥白島見たいなら僕も移住したいな…
主題歌のアルカテイルは知名度も人気もあるけどEDも良い曲で、プレイ後に聞くと瀬戸内海に飛びたくなるよって話でした。
オットセイに課金してもガチャは回せません。