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ようこそ実力至上主義の教室へ 二年生編3巻 読了

待ちました。
この時を4か月近く待ちましたよ。
1年3-4回の生きがい、よう実新刊レビューのお時間です。レビューてか感想ですかね。
毎回新刊を生きがいにしているのはいつものことなのですが、今回はいつもよりも期待の重さが違いました。
本編に短編集を加えた14巻で1年生を終え、新たに2年生編とタイトルを変えたよう実。
1年紹介の1巻、夏休みの試験の準備期間だった2巻と来て、満を持して2度目の無人島編へと3巻で突入するわけですから。
間違いなく2年生編の山場の一つでしょうからね。もう楽しみで楽しみで。

発売日の今日買ってすぐ読み終わりましたが、3巻は14日行われる無人島試験の7日目までの内容でした。
多分前後編になっているのでしょう。
一つの特別試験が1巻で終わらないのは初めてですね。
無人島試験、全学年での試験は1年の時もありましたが、他の試験よりも力の入りようとスケールが段違いなので300数ページじゃ収まらないだろうなとは正直思ってました。
ですので、今回では無人島試験の結果は分からずそれまでの伏線と展開、起承転結の起と承に当たります。
ひと悶着はありましたけれどね、試験はまだまだ途中なわけです。

以上を踏まえての3巻の感想になります。以下ネタバレ注意。













無人島へと向かう船内、単独での参加を決めた綾小路が試験の説明を受けるところから始まります。
2巻ではあくまで人材獲得争いで試験そのものには深く触れられていませんでしたからね。
試験の内容は14日間にグループで積み重ねた累計ポイント数を競い合うというもの。

毎日4回決まった時間に、マスで区切られた無人島のエリアが指定されるのでそこを制限内で踏むことでのポイント獲得が一つ。
踏むだけでは1ポイントですが先着1・2・3位は10・5・3とポイントを盛ることができます。なんかAPEXみたいですね。
到達点は人数分もらえるので基本人数が多い方が有利となりますが、先着点が認められるのはグループ全員が着いたときに判定されるのでその点は単独グループの方が取りやすくなっています。

そして、各地ランダムに現れる課題をこなすことで得るポイントが二つ。
課題にも受付時間と受付人数が存在し、満員になれば参加できないため早い者勝ちです。
内容は学力4割・身体3割・その他3割と、体力に依存するエリア点から学力やほかの能力を持つ学生を救済するようになっています。
報酬も試験によってまちまちですが、基本上位3人しかもらえないのはエリアの先着点と同じなので闇雲に参加すりゃいいってもんでもありません。
エリアだけでは人数有利な以上を綾小路はここと先着点で稼がないといけないわけです。
実力を隠しながらどうやって稼ぐのか、またどれだけ実力を見せるのかが気になりますね。

正直、多くの人が思ったよりシンプルな試験やなって感じたんじゃないでしょうか。僕はそう思いました。
今までの準備期間に事前に公開されたルールの多さ、そして全学年を巻き込みクソでか無人島での試験という力の入りようから複雑で緻密な展開になると想像していたもんですから。
でもシンプルでよかったです。
既にあるルールだけでもうボドゲ並みで頭がパンクしそうですし、そこに更に緻密なルールだったら1・2・3年に各A・B・C・Dクラスのバカみたいに多いキャラたちのことを考えるのはもう紙とペンを用意して整理ないと無理だなと思ってたので。

ご丁寧に目次前のカラーページにはこんなものが用意されるくらいですから。しかも見開き。
この裏には無人島の地図があり見ながら読むの必須レベルなので、携帯で画像を開いて読んでました。

して、満を持して二回目の無人島試験が始まります。
つっても序盤の流れは特に言及することもないですね。
3日目までは綾小路、そして読者である僕含めてこの試験の何たるかを
様子見るような感じだったので。
道中出会う様々なキャラたちとの会話があったりなかったりという感じです。
3日以降も基本は綾小路の視点で移動先にいるほかのキャラたちとの辛みって感じでしたね。視点が狭い分イメージしやすいし読みやすい。
先輩後輩他クラス同クラスと様々なキャラたちと交流するのを見ると、彼が一年間でどれだけ顔が広く話が展開していたのかが分かって、ん~~~~とひとりしみじみしたり。

そしてグループは単独のままながら、1年Dクラスの七瀬が同行することになります。
2巻最後にあった展開から露骨な同行…はてさてどうなることやら。
基本は7日までこの二人で動き、エリア先着を取り課題をこなしと動くのですが、何かと須藤とのグループと会うことが多くそいつらともキャンプを共にしたり一緒に動くことになります。
ここで感じたのが圧倒的須藤の成長ですよ。
ようこそ実力至上主義の教室へという物語が始まって初っ端見事にやらかし、身体能力は最強クラスながら学力社会性協調性がゴミカスの問題児という絵に描いたようなDクラスらしいキャラだった彼。
真っ先に掘り下げられて心を入れ替えた彼は、堀北の元で学力だけではなく人を気遣う社会性も持つようになったんです。なんなら頼りになるレベル。
須藤の成長が著しい分、ここまでのよう実という物語の歴史と長さを感じますねえ。
堀北に教えられながら、堀北と共に成長しているというのも凄く良い。
Dクラスを体現するようなキャラから、Dクラスの象徴へと変わっていっているんだなと、そう思えます。

して、堀北の提示を飲み本気で試験に参加することになった単独グループの高円寺。
今まで隠されていた実力のベールが剥がされると、たった一人で南雲率いる3年生精鋭に僅差で二位につけるという暴れっぷり。
課題でかち合って綾小路と綱引きをすることになるのですが、その勝負を簡単にあきらめるほどの身体能力を持っています。
綾小路ばっか言われますけど、こいつが一番この作品の中でぶっ壊れてません?
南雲相手に本当に一位を取ってしまうのは流石に難しいと思うので今後戦力なればこいつ一人加わるだけでBクラスくらいひとっ飛びかもしれません。
いや、本当に一位になっちゃうのかも…?


故意に危害を加えてリタイアさせられた疑惑、一年の一年の動きなどありながら、ついに七瀬が綾小路に対峙して戦うことになります。
が、ぶっちゃけこっちは正直もうどうでもよくて。
キャラ自体に興味がないわけじゃないですよ。芯が強くていい子だし可愛いしおっぱい大きいし。
だって七瀬がホワイトルーム生じゃないのは見るに明らかですし。手を出せないからといって綾小路が負けるはずないですから。

気になるのはその背後に潜む櫛田と…Aクラス1年の天沢のほうです。
物語序盤こそ出番や関りも多かった櫛田ですが、決着がついて以降はちょいちょいといった感じ。
ですが、憎悪と過去への執着への強さは相変わらずの狂いっぷりです。
しかしこの狂人の前に更なる狂人現る…
天沢一夏、ガチで何者なのかマジで分かりません。
二年生編始まって以来本当に見えてこない。最初こそ絡んで来て、退学に加担した一人だと思っていたら、綾小路の背景を知り愛を超える感情を持っていると語りだすという。
まさかのファンガ宣言にもう意味が分かりません。ホワイトルーム事情を知ってることからホワイトルーム生の刺客とも考えられますがそこまで安直じゃないでしょうし…
一気に1年で最も気になる存在になってしまいました。
今後も多く登場して話に絡んでくることが予想されます。注目していきますかね。

そして、最後の最後に3巻で最も気になった問題のシーンが。
視点は今まで会うことのなかった一之瀬に。
理事長代表と1年Dクラス担任の綾小路に対する陰謀の話をたまたま聞いてしまいます。
それに気づいた理事長は、このことを漏らせばクラスメイトを退学にするという一之瀬に最も効く口封じ。
まさかのここで一之瀬にスポットライトが当てられてくるとは、正直嬉しかったです。
本人の掘り下げ回が終わってはクラスはBからCへと転落、本人も意気消沈してメインヒロイン格からチョイ役への降格さえ見えてきてた矢先にこれでしたので。
僕、よう実の女キャラで一之瀬が一番好きですんでね。この情報が一之瀬に伝わって今後どうした展開になるのかが楽しみです。いい伏線だぁ…
最終的にはクラスと綾小路、どっちを取るかの選択が迫られたりするのかな~~~~~なんてね。


以上感想でした。
七瀬とのいざこざや不穏な空気はあれども試験はまだ半分、後半から動き出すと明言している綾小路がどう行動するのか、それぞれ違う戦術を取る各クラス各学年の結果がどう出るのか、ここでお預けをもらうなんて~~~。
ここまで中より上に位置している綾小路ですが、そもそも上位に食い込むつもりがあるのかすら分からないですし。
七瀬という強力な味方をつけてどう戦略が広がるのかも気になる所です。

話が進むにつれ、綾小路VSホワイトルームという形にシフトしつつありますが、僕は特別試験の想像できない綾小路の策略が見たくてこの作品を読んでいる部分が強いです。
ですので、次回のネタバラシが本命なんですよ。早く読みてぇ~。
今まで綾小路視点と出会うグループだけで、どう動いているか分からないグループもありますし。その辺の描写もあると嬉しいな。
4か月、待ちます!


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ヲ
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