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女子大生の自由研究~標本づくり編~

ジーージジージーー-

\\\ジーージジージーーーージー///

\\\ジジッ///

夏です。夏といえば夏休み。夏休みといえば自由研究ですよね。
でも高校生以降、自由研究ってやらなくね?ってことで現役女子大生がひっさしぶりにやってみます。

展開が早いですがついてきてますか?
それではいきましょう!

イモッチャンの標本を作っちゃ!!~in summer~


いきなりですが標本を作ることにしました。イモッチャンが死んでしまったタイミングと自由研究のタイミングが被ったので、
”イモッチャンの標本を作っちゃ!!~in summer~”と題してイモッチャンの標本を作ります。

とその前にご協力いただいた方を紹介します。
大学の助教授をしていらっしゃる本田先生です。お忙しいにもかかわらず突拍子もない思いつきに付き添ってくださりアシストしてくださった寛大な方です。

※私の本田先生のイメージです。こんな感じ。

標本は目的ごとにいろんな種類がありますが今回は骨を染めて骨がどうなっているのかを見ることができる透明骨格標本を作っていきます。

用意するもの

青字は薬局や百均で手に入るもの、赤字は先生からいただいたものです。

イモリの亡骸は高校生から飼っていたイモッチャン(♀)の亡骸です。
先日脱走して死んでしまい、すんごく悲しくてショックだったのでその日のうちにとりあえずジップロックで冷凍庫に入れときました。そのイモっちゃんを解凍して使います。今回の主役です。初主演です。
あと、お魚はイモッチャンだけだとなんかもったいないし寂しいのでやってみよ!
てゆうテンションで一緒にやってみます。


1.内臓をとる(画像がちょっとグロいので無理な人は見ないことをお勧めしますが見てほしいです)


いきなり解剖画像ですが、これはまじで慎重に行わなければ標本が成功しなくなってしまう、重要な工程です。骨が折れないように、切り跡が大きくならないように気をつけてデザインナイフでおなかを切りつつ、体の形をなるべく保ちながら作業していきます。

魚は食べるときにハラワタとかとりますもんね。


ビフォーアフターです。ぱっかーんです。


内臓はとらない例もありますがせっかくの骨格標本なので私はとって行いました。解剖は初めてなのにこんなにきれいに取れました。きれいな色ですね。こんなに小さな体でも一つ一つ内臓が詰まっていて神秘的ですよね。

2.アルコール固定


生物の体はタンパク質でできています。細胞だって酵素だって皮膚も筋肉も。
そういった体を作っているタンパク質はお互いに物質(栄養やシグナルとか)をやり取りしながら体内環境を保っているのですが死んでしまうと物質の移動が止まって体内環境が崩れ腐敗が進んでしまいます。それを止めるために蛋白質固定を行います。
今回は95%のエタノールでタンパク質の固定を行います。エタノールは99.5%エタノールがマツキヨに売っていたのでそれを使いました。余っても消毒したり掃除に使えたりする優れものです。こんなんなんぼあってもいいですね。
4日間浸すだけで固定が行われます。

魚臭さとアルコール臭さで激臭。ウウッ

3.軟骨染色

軟骨を染めます。関節とかにある柔らかい部分ですね。軟骨は65%以上が水、15%がコラーゲン、5%がコンドロイチン硫酸という構成です。アルシアンブルーという青色の液がコンドロイチン硫酸などの酸性粘液多糖類に結合して軟骨を青く染めます。溶液に2日間漬けとくだけです。
~溶液~
・アルシアンブルー液:2mL
・酢酸:40mL
・95%エタノール:180mL
ちなみにアルシアンブルー液は本田先生からいただきました。

こんな感じ。酢酸のにおいと魚のにおいでより激臭。ウルゥウッ…

漬けた後がこちらです。

あおーい

魚はわかりやすく青くなっていますね、イモは黒い皮をとっていないのでよくわかりませんが若干ほんのり青いような気がします。アバターみたい。

4.透明化

皮膚を透明にして染色した部分をみえやすくします。
95%エタノール→50%エタノール→20%エタノール→1%水酸化カリウムにそれぞれ3時間ずつ置換していき体の色を抜いていきます。透明になるなんて不思議ですね。水酸化カリウムはアルカリ性の危ない薬品です。安全眼鏡をつけて行いました。

やりながらまだ疑問に思っています。え、透明になるって何??


5.皮膚の処理

ほんとは1の段階で内臓とともに皮の処理も行うのですが
え、もうこれ無理くね?わんちゃん皮残したままでもいけるくね?w
と思うほど皮が固く剝げなかったので、そのまま染色まで入ってしまったのですが染色部分が全く見えず、このままだとうまくいく気配がなかったので無理やりでも剥いでやろうと、デザインナイフで再度行ってみます。

その結果、見事にそれっぽくなりました!(イモ指が一本とれました最悪)
’’あおーい’’のキャプションがついた画像と比べるとわかりますね。ちゃんと透明っぽくなっています。(よく見ると白い背骨が見える!)
イモは良かったのですが魚がでろでろになってしまいました。右の魚がゼリー状になっているのがわかります。お魚さんはちょっと暗雲が立ち込めてきました。

透けてる!

皮の処理をした後も0.5%程度の水酸化カリウムで半日つけていたので、その影響で魚の肉や脂肪が溶けた結果だと思われます。肉厚ですもんね。だって残っためざし旨かったもん。

めざしのガーリック炒め


6.硬骨染色


硬骨を染めます。犬が咥えてるようなイメージの、体の骨組みとなっている硬い骨ですね。

骨を噛む犬のイラスト
まさにこれって感じです


骨のカルシウムとアリザリンレッドという赤い染料が結合することで骨が赤く染まります。
アリザリンレッド粉末はネットで買えました。危なくないのでだれでも扱えます。
~溶液~
・0.5%水酸化カリウム:200mL
・アリザリンレッド粉末:40mg

溶かしている様子。色やべええええ

3時間半漬けます。

=============緊急事態発生=============

漬け終わった後
魚が大変なことに…
でろでろすぎて完成の見込みがない状態になってしまいました。

囲った部分がお魚さん。ぷるっぷる。なにこれ。

5の段階でやばそうだったのですが一応やり続けてみたところやはりだめでした。ゼリー状の肉をとって骨が染められているか確認したところ、染められていなかったので肉の厚さのせいで骨まで染められなかったっぽいです。悔しいですがお魚さんはここでリタイアとなってしまいました…
お疲れさまでした。

一方、イモッチャンは…

染まっとるウウウウ!!!!

うおおおおお!!!それっぽいいいいいいい!!!!!!!
なんかいいかんじに染まっていました!
肉眼でもこんなにきれいにはっきり染まっているのがわかりますね!(透明標本はライトで照らすともっとはっきり見えます。)

7.置換+完成!

煮沸した瓶にイモリと試薬を入れます。瓶は百均で買ったものを使用しました。瓶探しに一苦労しましたがジャストサイズのものを見つけられたのがここでの成功の大きなポイントでした。
~試薬~
・グリセリン:100mL
・水酸化カリウム0.5%:100mL
で1日置換。
その後グリセリン200mLを瓶に満たして、そこにイモリを入れて、、、
 

ライトなし

完成!!!

ライトあり

ライトがあったほうが映えます!インスタ映えですね!!めっちゃきれい!
よく見ると足がすごい構造…!!

小っちゃくて可愛い。

足の平は複数の骨で構成されてる!関節もちゃんと青く染まってる!

ということで、、、、、、、

自由研究成功!!!!!!!!!!!!!
わああああああああああああああああああああああああい!!!!

お魚さんの悔いは残りますが目的だったイモッチャンの標本ができて良かったです。2週間くらいかかりましたが何とか出来ました。

疲れたあああああああ!!

P.S.
このまま試薬を替えなくていいのかまだ分かりませんが、今後何か影響が出始めたら換えようと思っています。

以下、今回作るにあたって参考にさせていただいた文献です。
(560) 【透明骨格標本】誰でも作れるように作り方を丁寧に解説 - YouTube
透明骨格標本 (cncm.ne.jp)
本文(横)3/62YAX336BH (chiba-u.jp)
_pdf (jst.go.jp)
H25bio01to_p.pdf (tym.ed.jp)
組織染色における固定化まとめ|知っておきたい!タンパク質実験あれこれ 第18回 - Learning at the Bench (thermofisher.com)
細胞 - Wikipedia
ムコ多糖とは|株式会社サンベール (sanbelle.co.jp)

また、今回本当にお世話になった本田先生、ありがとうございました!
そして標本作製経験者のブルマンさん(高校の同級生)にもアドバイスいただきました。ありがとうございました!


ジ・エンド










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