サービス運営でお客様サポート等を行うために必要な諸々の話
前置き
最近ではゲーム開発においてネットワークの要素は欠かせない要素になってきています。
一言にネットワークの要素といっても様々な要素があります。
・DLCや配信による追加コンテンツ対応
・ユーザーのセーブデータ管理
・ガチャやログインボーナス等の処理
・プラットフォームサービスやSNS等外部サービスとの連携
・サービス運営でお客様サポート等を行うために必要な諸々の話
・ネットワークを通じたマルチプレイ
等々…
今回はサービス運営等で必要になる諸々の話をしていこうと思っております。
サービス運営で必要な事
サービス運営していくと、お客様からの問い合わせが来ます。
例えば、「ガチャを回した途中でアプリが落ちてしまい、石だけが減っているように見えます。(実際はダブりでキャラを獲得していることが殆どですが…)」のようなものです。
お客さまからの個別対応だけでなく、こちらで不具合を検知して、対象の人を調べて補填を行うといったことも起こりえます。
そういった事に対応するには、ユーザーの行動が追えるログ情報、そして補填するための機能の二つが必要になってきます。
ログ情報
ユーザーの行動をログに書き出していきます。ログの残し方は様々あると思いますが、後ほど取り出して使う事を念頭にするとよいでしょう。
(別途ログ専用にDBサーバーを用意して書き出しておく等もありです)
ログに残されるのは、例えば ユーザーがダンジョンに入った、クリアした、ガチャ引いた、強化合成を行った等々と言ったものを情報です。
ユーザーID 〇番さんが何時何分にガチャを引いて、当たったキャラクターはコレという形で何が起きているかを知る事が出来る形でログを残します。
個別のユーザーからの問い合わせ対応はエンジニア以外でも出来るように「ユーザーIDを指定したら、どのような事があったかは調べられる」ようにWeb等を構築します。
このようにしておくことで個別のサポート案件は別の方に任せて、エンジニアは機能の開発・保守に注力できるようになります。
対して、不具合などが起こった時にユーザー補填する話は、全ユーザーを対象に集計を行う必要があり、かつ集計内容も事前に予測は困難です。
なので、エンジニアで起きた都度に集計を行う形で対応していかなければなりません。
このログ情報は、こういったユーザーのサポート以外にも、イベント施策のための解析にも使えます。
デイリーアクティブユーザーや一日の課金率などのザクっとした情報だけではプレイヤーの実際遊んでいる状況などはわかりません。そのため、実際にイベントがどの位遊ばれているか?などを集計したりすることで次のイベントに活かしていきます。
補填機能について
殆どのゲームには「プレゼントBOX機能」があると思います。
これを使って、補填が行われる形になると思います。
このプレゼントBOX経由で、個別に付与する機能もエンジニアなしでアクセス出来るようにします。
このプレゼント機能は開発中にも使えるので、開発の早めの段階で用意しておくと何かと便利です。
また開発環境のみで「デバッグ用の全キャラ付与」などを用意しておくと、サーバーサイドエンジニア以外でも自由にキャラを取得出来てデバッグ等の作業も滞ります。
その他
他にもマスターデータの設定・確認するための仕組みなどもあると良いでしょう。
csvをアップロードして流し込むだけ、実機で全てチェックでも良いですが、もう少し機能が充実していると運営が安心して行えます。
各マスターデータの情報を閲覧できる開発・運営向けのWeb等もあると、気づく所が増えてミスも減ります。
また筆者は過去に本番用のサーバーと運営用のテストサーバー(ステージングサーバー)の差分を表示して、ステージングサーバーから本番サーバーに差分のみ反映するDiffツールなんかも作ったりしたこともありました。
そのような感じで、運営のために仕組みを作っていくことで、安心して運営が出来るようになっていきます。