アニメ『境界戦機』の個人的な感想 考察とも言えない感じのアレ編②(続・ここが変だよ!新日本協力機構)
前回は新日本協力機構が如何にデタラメなものかを話してみたが、それに対する主人公サイド…レジスタンス組織のヤタガラスの面々のリアクションはどうだったのだろうか?
何しろほんの一年足らず前は敵同士だったのだ。そんな相手から「土地をやるから力を貸せ」なんて言われてるようなものだからさぞ強烈な反発が起こるものだと普通なら思うだろう。
しかしなんと言ってもマトモな道理なんて有りはしないこのアニメ。
なんと話を聞いたメンバーは揃いも揃ってこれを受け入れるのだ。
それもかなりノリノリで。
ここで特におかしいのはパイロットをやっているアモウら三人組であろう。
祖父の陶芸の窯をぶち壊した連中の傘下に入るに等しいこの提案を「やってきた事が認められた」と声を弾ませるシオン。
一度は難色を示したと思いきや心変わりして「少しでも日本を取り戻せるならそれでいい」と言い出すガシン。
「これは日本人のためになる」とこの後の展開を考えるといい加減極まりないことを口走るアモウ。
このアニメのキャラクターが自分の考えを持ってないかは分かっていたつもであったが、ここまで致命的だったとは思っても見なかったというのが正直な感想である。
更に言えばガシンは似たような立場であった兄貴分のユウセイが区長をやっていた自治区のことなんてすっかり忘れているとしか思えない。
何やらメールでやりとりして「ユウ兄から『先を越された』って言われたけど嬉しそうだった」とも言ってるし、制作サイドも自分達の作ったものの内容を忘れてるんじゃないかと疑いたくなってくる。
主人公らの体たらくはもういいとして脇役らはと言うと、こちらも似たり寄ったりである。
基本的に話を勝手に進めてたらしい代表をヨイショして「これからは我々(大人)が責任を持って決断してこうじゃないか~」なんて良い気になった代表サマにうんうん頷くイエスマンぶりをいかんなく発揮している。
ここまである意味で一貫性がある有り様を見せられると、まるでこのアニメの舞台裏を見ているような気分になってくる。
いい加減な見積もりで話を進め、上から言われたことだけをやり、その結果に誰も責任を取ろうとしない。
この当事者意識の欠落こそが作中の日本が没落した原因…ひいてはこのアニメが作品として大失敗した原因なんだろうと思ってもバチは当たるまい。
次にこの話を振った連中…三バカ経済圏の様子について話したい。
おそらくは中心になって動き大半の部分で思惑通りになってウキウキなアレクセイはまぁ平常運転なのでまだいいとして、明確な敵対描写があった自由アジアやオセアニアの人間すら屈託なく受け入れて実践にまで参加しているのがかなり気味悪く感じられた。
隠岐の島での戦いで助けられた自由アジア軍の大尉(2話で動けなくなったケンブを四方八方から銃撃を浴びせてた人)はまだ分からなくもないが、1話でアモウを締め上げたり手柄欲しさにテロリスト扱いしてしょっぴこうとしてたオセアニア軍の大尉まで「こんな日がくるとはなぁ~」なんて感慨深そうなことを言ったのを見た時は思わず頭に『?』が踊ったものである。
俺の脳内でハテナマークがタップダンスしてやがる。(意味不明)
こんな調子なので「テロリストと手を組むとはふざけるな」と腹を立てている北米連中のがずっとマトモに見えてくる。
まぁ何故かそこの議員がテロリスト相手に領土交渉(???)をしようとするとかいうよく分からんことになってたりするのだが。
少し短いがこのあたりで一度切り上げて、その領土交渉がされる直前に起こったゴタゴタ、それを経ての開戦について改めて色々と言おうと思う。