アニメ『境界戦機』の個人的な感想 第24話編②(欠陥機同士のぶつかり合い)

それまでの積み重ねにより現状が物凄くバカバカしく感じてしまうという『積み重ねの大切さ』を逆説的に教えてくれるこのアニメもいよいよ大詰めである。
アモウとブラッドがぶつかり合うのに合わせて、ホテルの一室か何かで「もしゴーストが現れたら三機で一斉に相手する」と事前の打ち合わせをガシンとシオンが合流を図るもブラッドの副官と以前ブラッド隊から移籍させられた少尉さんにそれぞれ阻まれてしまう。
だがしかし、よくよく聞くとかなり重要なはずの行動方針を他のメンバーもいるような会議ではなくパイロットだけで話してたりするのはいただけない。例え事後承認がされたとしてもきちんと描写すべきなんじゃないのかと言いたくなる。
それとブラッドの所から外された少尉さんは少尉さんでガシンと戦ってたりしていて、ブラッドの隊から外されたって印象をあまり感じないのがこのアニメらしい。

それでもアモウとブラッド、ケンブ対ブレイディファントムの戦闘さえしっかりしていればまだ見逃してもらえるかもしれないが、それもどこか様子がおかしい。

猛烈な攻撃を仕掛けるファントムに翻弄されるケンブ…とブラッド(?)が交互に映され、特にブラッドに至っては機体の揺れの激しさでダメージを負っている(!?)ようなのだ。

これはガイの台詞では「(あの機体は)安全装置をシャットアウトしてその分のリソースを機動性に回してる」とのことらしいが安全装置外さなきゃ能力発揮できないとかとんだ欠陥機である。あるいはブラッドの方に問題でもあるのかと思えてくる。

しかしそこまで体を張ってるにも関わらずブラッドなりアモウなりが喋っているタイミングでは機体は微動だにしていなかったりしており、見ていて『命を削りながらも危険な機体を駆る』というよりも『乗り込むべきじゃない機体に無理して乗って足手まといになっている』みたいな印象の方が強いのも中々格好がつかない話である。
なのでそこにアモウとガイがケンブの安全装置を切るか切らないかの話をされた所で白けた空気は変えられないし、今も戦ってる他のメンバーとかのことなんて頭になさそうだなとも思ってしまう。

現にメイレスのいない新潟方面はピンチに陥っていて、21話で出てきた自由アジア軍のパイロットや1話でアモウを締め上げて詰問し、秘密基地にアメインをけしかけるも返り討ちにされていた手柄欲しがりのオセアニア軍の大尉などが犠牲になっている。

…こうして見るとぶっちゃけかなりどうでもいいキャラばかりがやられているな。

オセアニア軍の大尉に至っては前回雑に再登場させて今回で雑に退場させている。もうやられるシーンの為だけに出されたとしか思えない。
同じ軍の『少尉』が司令塔として作戦指揮をとっているのも含めて最後の最後まで良いとこなしのキャラであった。

話を戻そう。
新潟方面の危機に加えて港を封鎖されたことで補給もままならなくなる危険が出てきたと言ってるが、このまま全土制圧されそうな勢いなんだから補給は正直今の状況では優先して心配するべき事柄ではないのではないか?
しかし優先順位がおかしくなるレベルで補給を憂慮しているのはつくづく新日本が三つの経済圏の傀儡でしかないということの表れなのかもしれない。

場面はアモウたちに戻り、村の中でドンパチしてる姿が出た時には思わず「日本を守ると口先で言っておきながら町の被害は本当に気にしないんだな」と顔が引きつってしまった。
ともあれ戦闘面ではファントムを追い詰めているアモウだったがここで異変に見舞われる。

先程から過電流により調子の悪かったガイがいよいよ限界をきたして消滅、たちまち機体のコントロールが失われてしまう。

加えてコクピット内は暗転してアモウは真っ暗闇のなかに取り残される始末。ここにきて『兵器にあるまじき構造の欠陥…過剰電流への脆弱性とコントロールシステムの不備』を露呈してしまう。
結局ケンブもまた有人機としてはとんでもない欠陥機だったというヲチでこの話は終わるのだった…

イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤ?
待て待て待て待て待て待て待て待て?
最終決戦であるにも関わらずここまで盛り上がりに欠けるのを出してくるとか、もはや何かの『事故』なんじゃないかと疑いたくなってきた。
驚くほどに普段と変わらないロボのテクテク歩き、それっぽい雰囲気出そうとしてすべからくスベりまくるセリフ、それまでの描写によりどうしようもなさばかりが目立つ展開…
よくもまぁこれを地上波に流そうと思えたものだ。
その蛮勇だけは本物であると言える。
全くもって見習うべきではないが。

ともあれようやく次回は最終回、流石に今回ほどお粗末なものは出てこないだろう。
…これは断じて『振り』ではない。

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