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もう「古く」ならない。

銀座の奥野ビル  *この写真はSUMAUというサイトからいただきました*

コロナ禍のいまでも外国人を含めこのビルの写真を撮っている方をよくみかけます。うちのご近所笑。1932年に左側の本館、2年後の1934年に右側の新館が竣工されたそうですから築90年ほど経っています。当然周辺との違和感がすごい笑。

このビル裏の中央通り沿いにはキラリトギンザ、築7年のビルがあります。こちらは新築時オーナーだったオリックス不動産から現在ではアゼルバイジャンの政府系ファンドに売却され詳細は知る由もありませんが400億円で売りに出されて久しいとか・・いまは空テナントが多すぎてガラリトギンザなんて揶揄されているようです。まぁ、とにかく新しいのに寂れています。

昨年までだったでしょうか、銀座最後のキャバレー「白い薔薇」が営業していた1951年竣工のビル。ホステスさんがそれぞれの出身地の訛りで接客してくれたり生バンドがあったりと、これぞ昭和の文化というお店があったビルはすでに解体。(以前一度だけ行ったことがあります笑)この跡地は、つい先日コインパーキング?の工事らしき舗装工事中をみかけたところです。

なにも古いものが全部いいなんていいません。壊さないでともいえません。             「もう古くならない」という概念もあるのかなと言ってみたいのです。

こんな話からとても小さい話で恐縮ですが、私史上最古笑の顧客は約10年前。以来毎年かかさずのお付き合いをさせていただいていますが10年前のシャツとスーツの修理をいまだに続けさせていただいています。大切に扱っていただいているのはモノを拝見すればわかりますが、それでも私がどの国にいようとメンテナンスの為にDHLで送られてきます笑。

作ったモノを大切に扱っていただける。大切なものは優しく扱う。手間と、お金は多少かかるけど結局、気分が良いことを大切にしていただける。この界隈の人たちは既に本当のエコを実践しています笑。そんなものを、今から若い方に作っていただきたい。これからはもっともっと時間が早く進んでしまうように感じる時代。身の回りのものはあっという間に「古く」なる。

だから「大切なものは古くならない」に共感していただけるのは、恐らくさらに少数派になる。だからこそ引くほど丁寧な仕事とモノを買う時のストーリーは残っていくということに賭けようと思います。

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